売上台帳とは?書き方・保存期間から、Excel不要で「全自動化」する最強アプリ活用術まで徹底解説

売上台帳とは?書き方・保存期間から、Excel不要で「全自動化」する最強アプリ活用術まで徹底解説 ノウハウ

「毎日のレジ締めと帳簿付けが辛い」「確定申告の時期が憂鬱」 個人事業主や店舗オーナー様にとって、日々の売上管理は避けて通れない重荷です。

しかし、売上台帳は単なる税務書類ではありません。

経営状態を把握する羅針盤であり、「インボイス制度」や「電子帳簿保存法」に対応してリスクを守るための重要書類でもあります。

「もっと簡単に、ミスなく管理したい」 その答えは、テクノロジーの活用です。

実は今、予約システムやPOSレジを連携させ、売上台帳を「全自動」で作ることが当たり前になりつつあります。

この記事では、売上台帳の「正しい書き方」や「保存期間」といった基礎知識から、脱エクセルを実現する最新のアプリ活用術までを徹底解説。

面倒な作業をゼロにし、あなたのビジネスを強くするための「売上管理の決定版」をお届けします。

目次

そもそも「売上台帳」とは?個人事業主が知るべき基礎知識と法的義務

そもそも「売上台帳」とは?個人事業主が知るべき基礎知識と法的義務

まずは基本の「キ」から確認していきましょう。

売上台帳は、あなたのビジネスの「証拠」となる最も重要な書類です。

売上台帳の定義と役割

売上台帳(うりあげだいちょう)とは、その名の通り「いつ、誰に、何を、いくらで売ったか」という日々の売上の詳細を記録した帳簿のことです。

会計ソフトでは「売上帳」とも呼ばれます。

確定申告で提出する「青色申告決算書」や「収支内訳書」は、1年間の合計数字をまとめたものですが、その数字の根拠となるのが、この売上台帳です。

  • 役割1:税務署への証明(売上の計上漏れがないことの証明)
  • 役割2:経営分析(どの商品が売れているか、どの時期が繁忙期かの把握)
  • 役割3:資金調達(銀行融資や補助金申請時の提出書類として必須)

「現金出納帳」や「仕訳帳」との違い

よく混同される帳簿との違いを整理します。

売上台帳「売上」に特化した記録。商品名や単価、数量などの詳細を含む。
現金出納帳「現金の動き」に特化した記録。売上だけでなく、備品購入などの「出金」も記録する。
仕訳帳全ての取引(売上、経費、借入など)を日付順に記録した、経理の基礎となる帳簿。

特に飲食店やサロンなど、毎日多数の取引が発生する業種では、仕訳帳だけでは「何が売れたか」が見えにくいため、補助簿として「売上台帳」の作成が不可欠です。

義務化されている「保存期間」と「電子帳簿保存法

「確定申告が終わったら捨ててもいい?」というのは大きな間違いです。法律で定められた期間、保存する義務があります。

青色申告の場合7年間
白色申告の場合5年間 (※記帳制度適用者は7年の場合もあり)

さらに重要なのが「電子帳簿保存法」です。

Amazonや楽天での購入履歴、クレジットカードの利用明細、メールで送った請求書など、「電子データでやり取りした取引情報」は、紙に印刷して保存するのではなく、データのまま保存することが義務化されました(2024年1月〜)。

つまり、これからの売上台帳は、紙のノートではなく、検索可能な「デジタルデータ」として管理することが、事実上のスタンダードとなります。

なお、売上台帳を付けて「青色申告(最大65万円控除)」のメリットを受けるためには、事前に税務署へ「開業届」と「青色申告承認申請書」を提出しておく必要があります。

まだ提出していない方や、出し忘れがないか不安な方は、以下の記事で提出期限や作成手順を確認しておきましょう。

【テンプレート解説】売上台帳に記載すべき必須項目と書き方

【テンプレート解説】売上台帳に記載すべき必須項目と書き方

Excelやノートで自作する場合の必須項目を解説します。

特に「クレジットカード売上」の記帳方法で間違える方が多いので注意が必要です。

必須項目1:取引の日付(発生主義の原則)

「いつ」売上が発生したかを記録します。

ここで最大の注意点は、「発生主義」という考え方です。

例えば、12月28日に施術を行い、支払いが翌年1月27日のクレジットカード払いだった場合、売上日は「12月28日(サービス提供日)」として記録しなければなりません。

ここを間違えると、その年の税金額が変わってしまい、税務調査で指摘される原因になります。

必須項目2:勘定科目と適用税率(インボイス対応)

基本的には「売上高」となります。

インボイス制度導入後は、「適用税率(10%か8%か)」を明確に区分して記載する必要があります。

テイクアウト(8%)とイートイン(10%)がある飲食店や、サプリメント(8%)を販売するサロンなどは特に注意が必要です。

必須項目3:摘要(取引の内容・品名)

「何を」売ったか、または「誰に」売ったかを記載します。

  • 店舗ビジネス: 「ランチAセット」「カット・カラー」など。1日の終わりにレジの合計額をまとめて「○月○日売上」と記載することも認められていますが、その場合はレジペーパー(ジャーナル)の保存が必須です。
  • BtoBビジネス: 取引先名と具体的な案件名を記載します。

必須項目4:売上金額と「決済手数料」の処理

ここが最も間違いやすいポイントです。

例えば、10,000円の売上があり、クレジットカード手数料が300円引かれて、9,700円が入金されたとします。

この場合、売上台帳には「9,700円」ではなく「10,000円」と記載しなければなりません(総額主義)。

引かれた300円は、別途「支払手数料」という経費として計上します。

これを相殺して記載してしまうと、売上高の過少申告とみなされる恐れがあります。

クレジットカード決済を導入すると、こうした手数料の記帳処理が必要になりますが、現金の管理コストや未回収リスクを減らせる大きなメリットがあります。

個人事業主でも導入しやすく、会計ソフトとも連携しやすい決済サービスの選び方については、以下の記事で解説しています。

もうExcelには戻れない?「手書き・自作」の限界とリスク

もうExcelには戻れない?「手書き・自作」の限界とリスク

ここまで書き方を解説しましたが、正直なところ「面倒くさい」「間違えそう」と思いませんでしたか?

創業当初はExcelでも管理できますが、ビジネスが成長するにつれて、手動管理は経営の足かせになります。

リスク1:入力ミス・計算ミスによる「追徴課税」

人間が手入力する以上、ミスは避けられません。

「0を一つ多く打った」「日付がズレた」。

たった一つのミスが、決算書の数字を狂わせます。

悪意がなくても、税務調査で指摘されれば、過少申告加算税や延滞税などのペナルティを受ける可能性があります。

リスク2:本業を圧迫する「時間的コスト」

「毎日15分」の入力作業だとしても、1ヶ月で約7.5時間、1年で90時間です。

これは、丸々11日分の営業時間に相当します。

時給換算すれば数十万円のコストです。経営者であるあなたの時間は、事務作業ではなく「売上を生む活動」に使われるべきです。

リスク3:インボイス・電帳法への「対応コスト」

法律は頻繁に変わります。

Excelで自作している場合、法改正があるたびにフォーマットを作り直さなければなりません。

これに対応しきれず、知らず知らずのうちに法違反の状態になってしまうリスクがあります。

スマホで完結!売上台帳を「自動作成」するアプリ・ツール活用術

スマホで完結!売上台帳を「自動作成」するアプリ・ツール活用術

「ミスなく」「時間をかけず」「法律を守って」売上台帳を作る。

これを実現するのが、「クラウド会計ソフト」と、それと連動する「予約システム・POSレジ」の活用です。

現代のスモールビジネスにおいて、「売上台帳は『書く』ものではなく、システムが勝手に『作ってくれる』もの」です。

仕組み1:予約・決済データがそのまま「帳簿」になる

最新の予約システムでは、お客様がネットで予約し、決済を行った瞬間に、そのデータがデジタル化されます。

このデータを、API連携などを通じて会計ソフトに流し込むことで、「日付・金額・摘要・税率」が全て自動で入力されます。

あなたは、連携されたデータを確認して「登録」ボタンを押すだけ。

手入力の手間はゼロになります。

仕組み2:レシートや領収書を「スマホ撮影」で自動入力

現金で受け取った売上や、経費の領収書については、スマホアプリで写真を撮るだけで、AIが日付や金額を読み取り、自動で帳簿付けしてくれる機能(OCR)が普及しています。

これにより、レジ締め後にPCを開く必要すらなく、移動中や隙間時間にスマホで経理処理が完了します。

仕組み3:確定申告書類もワンクリックで完成

日々、自動で作成された売上台帳や経費データは、クラウド上で集計されます。

確定申告の時期が来たら、いくつかの質問に答えるだけで、税務署に提出する書類が自動生成されます。

e-Taxを使えば、自宅から一歩も出ずに申告完了です。

【2025年最新】売上管理におすすめのアプリ・システム5選徹底比較

売上台帳の作成を効率化し、経営を楽にするおすすめのアプリ・システムを厳選しました。

今回は、「会計ソフトとの連携力」と「現場での使いやすさ」を基準に比較します。

なお、より専門的なニーズや、広範囲なシステムの比較を行いたい方は、以下の記事も併せてご活用ください。

サービス名freee予約(旧tol)SquareAirレジスマレジ弥生会計
イメージfreee予約SquareAirレジスマレジ弥生会計
タイプ予約システムPOSレジ・決済POSレジPOSレジ会計ソフト
会計連携◎ (自動)○ (API)○ (API)○ (API)△ (取込)
特徴freee会計と完全連動 / 予約〜決済〜記帳が全自動入金サイクル最短翌日 / 端末がスタイリッシュ利用店舗数No.1 / 無料で高機能 / リクルート系拡張性No.1 / 在庫管理に強い / 大規模店対応老舗の安心感 / デスクトップ版からの移行組に

1. freee予約(旧tol) × freee会計

freee予約

「予約も、会計も、これひとつで完結させたい」という個人事業主・スモールビジネスに最強の組み合わせです。

freee予約 は、スマホだけで使える予約システムアプリです。

作成した予約ページから予約が入ると、顧客情報が蓄積されます。

そして最大の強みは、同じfreeeグループの「freee会計」とのシームレスな連携です。

freee予約で発生した売上データ(事前決済など)が、自動的にfreee会計に取り込まれ、売上台帳があっという間に完成します。

予約管理、顧客管理、そして経理までを一直線に繋ぐ、個人事業主のDXに最適なエコシステムです。

  • メリット: 連携設定が最も簡単。スマホ完結。
  • デメリット: 大規模な在庫管理などは不向き。
  • おすすめ: サロン、教室、個人コンサルタント

2. Square(スクエア)

Square

「対面決済(レジ)」と「ネット予約」を両立したい方におすすめです。

スタイリッシュな決済端末で有名なSquareですが、実は高機能な「POSレジアプリ」や「予約システム(Square予約)」も無料で提供しています。

店舗でのカード決済や、ネット予約の事前決済のデータは、すべてSquareの管理画面にリアルタイムで集約され、売上レポート(台帳)が自動生成されます。

freee会計やMoney ForwardクラウドとのAPI連携も強力です。

  • メリット: 決済手数料が安い。入金が早い(最短翌日)。
  • デメリット: アンドロイド端末の一部で非対応。
  • おすすめ: 飲食店、小売店、美容室

引用:Square

3. Airレジ(エアレジ)

Airレジ

リクルートが提供する、国内利用店舗数No.1の無料POSレジアプリです。

iPadをレジとして使い、日々の会計を行うだけで、売上データがクラウドに蓄積され、詳細な売上台帳や分析レポートが作成されます。

会計ソフト(freee、弥生、MF)との連携も充実しており、店舗の売上管理のド定番ツールです。

Airペイと組み合わせることで、あらゆるキャッシュレス決済に対応できます。

  • メリット: 操作が簡単。周辺機器が豊富。完全無料。
  • デメリット: 高度な在庫管理や予約管理は別アプリが必要。
  • おすすめ: 実店舗を持つあらゆる業種

引用:Airレジ

Airレジのように、iPadやタブレットをPOSレジとして活用すれば、高額な専用機を買わなくても高度な売上管理が可能になります。

iPadで使えるおすすめのPOSレジアプリについては、以下の記事でも比較しています。

4. スマレジ

スマレジ

「多店舗展開」や「複雑な在庫管理」が必要なアパレルや小売店に支持されています。

基本機能は無料ですが、有料プランにすると高度な在庫管理、バーコード管理、顧客分析が可能になります。

APIによる外部システム連携が柔軟で、独自のECサイトと在庫を連動させるといった使い方も可能です。

  • メリット: 拡張性が高い。ショールームで実機を試せる。
  • デメリット: 高機能な分、設定がやや複雑。
  • おすすめ: アパレル、雑貨店、多店舗展開企業

引用:スマレジ

5. 弥生会計

弥生会計

「予約システムまでは要らないけど、経理は楽にしたい」という方は、会計ソフト単体での利用から始めましょう。

弥生はデスクトップ時代からの老舗であり、安心感があります。「スマート取引取込」機能を使えば、銀行口座やクレジットカードの明細を自動で取り込めます。

ただし、freeeのような「予約システムとの一体感」よりは、「帳簿作成ツール」としての色が濃いです。

  • メリット: 初年度無料キャンペーンが多い。税理士にユーザーが多い。
  • デメリット: UIがやや传统的。
  • おすすめ: 昔ながらの記帳方法に慣れている人

引用:弥生会計

売上台帳を活用して「経営改善」につなげる3つの視点

売上台帳は、税務署のためだけに作るものではありません。

自動化によって浮いた時間を使い、台帳のデータを「経営分析」に活用しましょう。

これができるかどうかが、儲かる店とそうでない店の分かれ道です。

視点1:メニュー別・商品別の売上分析(ABC分析)

「どのメニューが一番売れているか?」「利益率が高い商品はどれか?」

POSレジや予約システムで作成された売上台帳のデータを分析すれば、主力商品(Aランク)と、死に筋商品(Cランク)が一目瞭然です。

Cランクの商品を廃止して食材ロスを減らし、Aランクの商品をキャンペーンでさらに伸ばす。

こうしたデータに基づく判断が、利益率を改善します。

視点2:曜日別・時間帯別の繁閑分析

「火曜日の午後はいつも暇だな」「土曜日の午前中は予約が埋まりやすい」

感覚で捉えていた傾向を、数字で裏付けましょう。

暇な時間帯に限定クーポンを出したり、忙しい時間帯はスタッフを増やしたりと、データに基づいたシフト調整や販促施策が可能になります。

視点3:リピート率とLTV(顧客生涯価値)の把握

予約システムと連動した売上管理なら、「どのお客様が、いつ、いくら使ってくれたか」が分かります。

「最近来店がない常連様」を見つけてフォローメールを送ったり、「年間10万円以上使ってくれるVIP客」に特別オファーを出したりと、売上台帳は最強の顧客リストにもなり得るのです。

売上データと紐づけて「誰がいつ来てくれたか」を管理するには、顧客管理(CRM)機能に優れたアプリを使うのが近道です。

売上管理とセットで導入すべき「顧客管理アプリ」の選び方については、以下の記事で徹底解説しています。

まとめ│面倒な「記録」はシステムに任せ、あなたは「経営」と「接客」に集中しよう

まとめ│面倒な「記録」はシステムに任せ、あなたは「経営」と「接客」に集中しよう

「売上台帳」という言葉には、堅苦しくて面倒なイメージがあるかもしれません。

しかし、現代においてそれは、ノートにペンで書き込むものでも、夜な夜なExcelと格闘するものでもありません。

「予約が入れば、勝手に出来上がっているもの」。それが、DX時代の売上台帳のあり方です。

もしあなたが今、手書きやExcelでの管理に限界を感じているなら、まずは「freee予約」のような、会計連携のできる予約システムを試してみてください。

日々の入力作業から解放され、リアルタイムで売上が見える快感を知れば、もう二度とアナログ管理には戻れなくなるはずです。

売上台帳の作成は、ビジネスを長く続けるための土台作りです。

その他にも、開業時に必要な届出や準備について不安がある方は、以下の記事でやることリストをまとめていますので、併せてチェックしてみてください。

スマホひとつで予約も売上管理も。個人事業主の強い味方「freee予約(旧tol)」

freee予約(旧tol)

最後に、今回ご紹介した「売上台帳の自動化」を最も手軽に実現できるアプリ、「freee予約」をご案内させてください。

freee予約は、「スマホやタブレットひとつ」で、誰でも簡単に予約サイトを作成・運営できる予約システムです。

難しいPC操作は一切不要。アプリをダウンロードしたその日から、あなたのビジネスに「ネット予約」と「事前決済」を導入できます。

利用者のほとんどは、サロンオーナー様や教室の先生といった個人事業主・スモールビジネスの方々です。

「数万事業者」にご利用いただき、「継続率は98%」という圧倒的な支持をいただいています。

「予約管理」も「売上管理」も、これひとつでシンプルに。

まずは以下のリンクからアプリをインストールして、その手軽さを無料で体験してみてください。

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