「いつか自分のお店を持ちたい」
その夢を実現するためには、技術だけでなく、法律、資金、集客といった「経営の知識」が不可欠です。
「資格がないと開業できないの?」
「開業資金はいくらあれば足りる?」
「保健所への届け出は必要なの?」
本記事では、数多くのサロン開業を支援してきたプロの視点で、マッサージ店・リラクゼーションサロン開業に必要な「手続き」と「経営」の知識を体系的にまとめました。
あなたの持っている資格(国家・民間)によって異なる保健所への届け出から、資金調達の裏ワザ、そしてオープン初日から予約を埋める集客戦略まで。
目次
マッサージ店開業のリアル:今、参入するべき理由とは?

まず最初に、市場の現状を正しく理解しておきましょう。
「マッサージ店はコンビニより多い」と言われ、飽和状態にあるようにも見えますが、実は個人開業には大きなチャンスが眠っています。
大手チェーンにはできない「価値」が求められている
「60分2,980円」といった低価格チェーン店は確かに増えましたが、お客様のニーズは二極化しています。
「ただ安く揉んでほしい」層がいる一方で、「高くてもいいから、信頼できる人にじっくりケアしてほしい」「プライベートな空間で心からリラックスしたい」という層が確実に増えているのです。
この「高付加価値」なサービスこそ、私たち個人サロンが狙うべき領域です。
大手のようなマニュアル通りの施術ではなく、あなただけの技術と人柄でお客様をファンにする。
それができれば、価格競争に巻き込まれることなく、安定した経営を続けることが可能です。
【最重要】「マッサージ」と「リラクゼーション」の法律と資格の境界線

開業準備に入る前に、絶対に避けて通れないのが「法律」の話です。
ここを曖昧にしたまま開業すると、知らず知らずのうちに医師法やあはき法(あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律)に違反し、最悪の場合は摘発されるリスクがあります。
「マッサージ」と名乗れるのは国家資格者のみ
法律上、業務として「マッサージ」を行えるのは、医師またはあん摩マッサージ指圧師(国家資格)だけです。
もしあなたがこれらの国家資格をお持ちでない場合、お店の看板やメニューに「マッサージ」と表記することはできません。
「治療」「診療」「治る」といった表現もNGです。
民間資格なら「リラクゼーション業」として開業する
整体師、セラピスト、カイロプラクターなどの民間資格(または無資格)で開業する場合は、法的には「医業類似行為」ではなく、「リラクゼーション業(自由診療)」に分類されます。
この場合、表現を以下のように工夫する必要があります。
× マッサージ → 〇 もみほぐし、ボディケア、トリートメント
× 腰痛治療 → 〇 腰のリフレッシュ、ボディメンテナンス
言葉遊びのように思えるかもしれませんが、これはあなたのお店を守るための重要なルールです。
なお、本記事では「開業手続き」に絞って解説します。
「これから資格を取りたい」「どの民間資格がおすすめか知りたい」という方は、以下の記事で資格の種類やスクール選びについて詳しく解説していますので、そちらを先にご覧ください。
関連記事:マッサージ開業に資格は必要?違法リスクを回避する「法律の境界線」とおすすめ民間資格ガイド
あなたに合うのはどれ?3つの開業スタイルとメリット・デメリット

「開業」と一口に言っても、その形は様々です。
予算やライフスタイルに合わせて、最適な形態を選びましょう。
① 店舗型サロン(テナント開業)
商店街や駅ビルのテナントを借りて開業するスタイルです。
- メリット
人通りがあれば自然と集客できる(認知度が高い)。信頼感があり、高単価にしやすく、スタッフを雇って拡大もしやすい。 - デメリット
初期費用(敷金・礼金・内装費)が高額。毎月の家賃という固定費が重くのしかかる。
② 自宅サロン(マンション開業)
自宅の一室、または居住用マンションの一室をサロンにするスタイルです。
- メリット
家賃がかからない(または安い)。通勤時間ゼロで、家事や育児と両立しやすい。内装費も抑えられる。 - デメリット
生活感が出やすく、集客のハードルが高い(住所を公開しにくい)。男性客を取りにくい場合がある。マンションの管理規約で禁止されていることがある。 - 補足: もし「もみほぐし」メインで自宅開業を考えているなら、以下の記事も参考になります。
関連記事:もみほぐしサロンを自宅開業する方法!必要資金や必要なものをまとめました
③ 出張・訪問マッサージ
店舗を持たず、お客様の自宅や宿泊施設、オフィスへ出向いて施術するスタイルです。
- メリット
店舗取得費がゼロ。固定費がほとんどかからないため、利益率が高い。高齢者向け訪問マッサージ(要国家資格)は需要が急増中。 - デメリット
移動時間がかかり、1日に施術できる人数が限られる。女性セラピストの場合、安全面の対策が必要。
また、初期費用を抑える第3の選択肢として、既存のサロンの空きスペースや専用個室を借りる「レンタルサロン(シェアサロン)」という方法もあります。
「まずは副業から始めたい」「固定費をかけたくない」という方は、こちらも検討してみてください。
関連記事:レンタルサロンでの開業は儲かる?メリット・デメリットと物件の探し方
【完全公開】マッサージ店開業に必要な資金はいくら?

「夢はあるけど、お金がない」
これが開業をためらう一番の理由ですよね。では、実際にいくらあれば開業できるのでしょうか?
一般的な目安(運転資金別)を算出しました。
開業スタイルの初期費用目安
| 項目 | 店舗型(テナント) | 自宅サロン | 出張型 |
| 物件取得費 | 150万〜300万円 | 0円〜20万円 | 0円 |
| 内装工事費 | 100万〜300万円 | 5万〜30万円 | 0円 |
| 設備・備品費 | 50万〜100万円 | 10万〜30万円 | 5万〜10万円 |
| 広告宣伝費 | 30万〜50万円 | 5万〜20万円 | 5万〜10万円 |
| 合計目安 | 330万〜750万円 | 20万〜100万円 | 10万〜20万円 |
内訳の詳細と節約ポイント
- 物件取得費
テナントの場合、保証金(敷金)が家賃の6〜10ヶ月分かかるのが一般的です。自宅サロンならここが0円になります。 - 内装工事費
こだわれば天井知らずですが、前の店舗の内装が残っている「居抜き物件」を使えば、大幅にコストダウンできます。 - 設備・備品
施術ベッド、タオル、オイル、制服など。最初は必要最低限から始め、売上が立ってから買い足すのが鉄則です。 - 広告宣伝費
ホームページ作成、チラシ印刷、ロゴ制作など。ここをケチると集客できませんが、最近は無料で作れるツールも増えています。
忘れてはいけない「運転資金」
初期費用とは別に、「売上がゼロでも半年間暮らせるだけのお金」を運転資金として用意しておく必要があります。
オープン直後から黒字になることは稀です。家賃、光熱費、そしてあなたの生活費。これらを半年分確保しておかないと、集客が軌道に乗る前に資金ショートして閉店……という悲劇が起こります。
資金調達の裏ワザ:自己資金が足りない時は?
「そんな大金、貯金だけじゃ無理!」と諦める必要はありません。
国や自治体は、新しくビジネスを始める人を応援する制度をたくさん用意しています。
日本政策金融公庫の「新創業融資制度」

開業者の強い味方です。
無担保・無保証人で、低金利で融資を受けられます。
「自己資金の9倍まで借りられる」という建前ですが、実際には「必要な資金の1/3〜1/2を自己資金で用意している」ことが審査通過の目安と言われています。
しっかりとした事業計画書を作れば、実績のない個人でも数百万円を借りることが可能です。
助成金・補助金を活用する
返済不要のお金です。
ただし、「後払い(経費を使った後に戻ってくる)」が基本なので、当座の資金は必要です。
- 小規模事業者持続化補助金
チラシ作成やWebサイト制作などの「販路開拓」にかかる費用の2/3(最大50〜200万円)を補助してくれます。 - IT導入補助金
予約システムやPOSレジなどのITツール導入費を補助してくれます。
マッサージ店開業の網羅性を高める4つの深掘りセクション

【スケジュール】逆算思考で動く!開業までの6ヶ月ロードマップ
「やることは分かったけど、いつ何をすればいいの?」
頭では理解していても、スケジュールの全体像が見えていないと行動できません。
ここでは、開業日から逆算した標準的なスケジュール(6ヶ月コース)を公開します。
【6ヶ月前】構想・資金計画フェーズ
- コンセプト決定
どんなお店で、誰をターゲットにするか決める。 - 事業計画書の作成
コンセプトを数字(売上目標・経費)に落とし込む。 - 資金調達の準備
自己資金を貯める、融資の相談(日本政策金融公庫など)に行く。 - 資格取得(未取得の場合)
開業に合わせてスクールに通い始めるラストチャンス。
【3〜4ヶ月前】物件探し・退職準備フェーズ
- 物件内見・契約
良い物件はすぐ埋まるので、集中的に動く。 - 融資の申し込み
物件の仮申し込みと同時に、融資の本審査を進める。 - 勤務先の退職交渉
円満退社のために、早めに意向を伝える。有給消化期間も計算に入れる。
【2ヶ月前】内装・メニュー作りフェーズ
- 内装工事着工
業者と打ち合わせし、工事スタート。 - メニュー・価格決定
原価率や時間単価を計算し、メニュー表を作る。 - 備品の発注
ベッド、タオル、制服などを手配する。 - Web集客準備
ホームページ作成、SNSアカウント開設、Googleビジネスプロフィール登録準備。
【1ヶ月前】届け出・集客スタートフェーズ
- 役所への届け出
税務署への開業届、保健所への相談・届け出(国家資格の場合)。 - プレオープン告知
知人や友人を招いた練習会を企画する。 - チラシ配布・SNS告知開始
「〇月〇日オープン!」と大々的に宣伝する。 - 予約システムの稼働
freee予約などを設定し、予約を受け付けられる状態にする。
手続き・物件・内装の完全マニュアル
資金計画ができたら、次は具体的な「お店作り」と「役所への手続き」です。
ここを間違えると、後から「工事のやり直し」や「税金で損をする」といった痛い目を見ることになります。
プロの視点で、最短ルートで準備を進める方法を解説します。
1. 【手続き】保健所と税務署、どこに何を出す?
マッサージ店の開業手続きは、あなたの持っている「資格」によって大きく異なります。
ここを混同している記事が多いので、整理して覚えましょう。
国家資格(あん摩マッサージ指圧師など)の場合
「施術所」として、保健所への開設届が必須です。
開設後10日以内に届け出る必要がありますが、実は「構造設備基準(待合室3.3㎡以上、施術室6.6㎡以上、換気設備など)」という厳しいルールがあります。
物件を契約する前に、必ず図面を持って保健所に事前相談に行かなければなりません。
民間資格・無資格(リラクゼーション業)の場合
基本的に、保健所への届け出は不要です。
ただし、自治体によっては独自の条例で届け出を求めている場合もあります(例:特定のリラクゼーション業など)。
念のため、管轄の保健所に「リラクゼーションサロンを開業予定ですが、届け出は必要ですか?」と電話一本入れておくと安心です。
関連記事:[自宅サロンに営業許可は必要?保健所の基準や手続きを解説 (/5579)]
共通:税務署への「開業届」は全員必須!
資格の有無に関わらず、個人事業主としてビジネスを始めるなら、税務署へ「開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)」を提出しなければなりません。
これを出さないと、屋号(店名)での銀行口座が作れなかったり、最大65万円の節税ができる「青色申告」が使えなかったりと、大きな損をします。
提出期限は開業から1ヶ月以内です。忘れずに提出しましょう。
必読:個人事業主の開業届は出さないと損?書き方から「青色申告」の裏ワザまで徹底解説
参考:売上台帳とは?書き方・保存期間から、Excel不要で「全自動化」する最強アプリ活用術まで徹底解説
2. 【リスク管理】もしも施術中にお客様が怪我をしたら?
開業ガイドの多くが見落としがちなのが、「事故・トラブルへの備え」です。
マッサージや整体は、お客様の身体に直接触れる仕事です。
万が一、施術中にお客様が怪我をしてしまったり、持ち物を汚してしまったりした場合、個人事業主であるあなたが全責任を負わなければなりません。
実際に起こりうるトラブル例
- 施術後に「肋骨が折れた」「揉み返しで動けなくなった」とクレームが入った。
- オイルをこぼして、お客様の高級ブランドバッグを汚してしまった。
- 店舗の床が濡れていて、お客様が転倒し骨折した。
転ばぬ先の杖「民間療法家向けの賠償責任保険」
こうしたリスクに備えるために、開業と同時に必ず「損害賠償責任保険(サロン保険)」に加入してください。
年間数千円〜1万円程度の掛け金で、数千万円〜1億円規模の補償が受けられます。
- 手技セラピスト協会などの団体保険
協会に所属することで安く加入できるケースが多いです。 - サロン向け損害保険
保険会社が販売している「店舗総合保険」などに特約としてつけることも可能です。
「自分は大丈夫」という過信は禁物です。
保険に入っていることは、お客様への安心材料(信頼)にもつながります。
3. 【物件選び】売上の8割は「立地」で決まる
「腕さえ良ければ、どんな場所でもお客様は来る」
これは幻想です。特に開業初期は、立地の良し悪しが集客に直結します。
あなたのターゲットに合わせて、最適なエリアを選びましょう。
ターゲット別・狙い目の立地
- ビジネスマン・OL狙い
駅近の繁華街やオフィス街。仕事帰りや休憩中に立ち寄れる場所がベスト。「2階以上」の物件なら家賃を抑えられますが、1階に看板を出せるかが勝負です。 - 主婦・近隣住民狙い
住宅街やスーパーの近く。自転車が停められるスペースがあると喜ばれます。自宅サロンもこの層と相性が良いです。 - 富裕層・隠れ家狙い
駅から少し離れた閑静なエリアや、高級マンションの一室。「わざわざ行く価値」を作る必要があるため、内装やサービスの質が問われます。
物件選びのチェックポイント
内見(下見)に行く際は、以下のポイントを必ず確認してください。
- 看板が出せるか
空中階(2階以上)やマンションの場合、看板NGだと集客が非常に苦しくなります。 - 空調・水回り
業務用エアコンはついているか? トイレは清潔か? 水回りの工事は高額になるため、既存設備が使えるとベストです。 - 防音性
隣の店の音や、上の階の足音が響かないか。リラックス空間に騒音は致命的です。
4. 【内装・雰囲気】お客様は「非日常」を買いに来る
内装にお金をかけすぎる必要はありませんが、「清潔感」と「非日常感」は必須です。
お客様は家にはない癒やしを求めて来店します。
五感を満たす空間づくり
- 視覚
照明は直接目に入らない間接照明や調光機能付きに。観葉植物(フェイクグリーンでも可)を置いて無機質さを消しましょう。 - 聴覚
ヒーリングミュージックやクラシックなど、ターゲットに合わせたBGMを。 - 嗅覚
アロマの香りは強力な武器です。ただし、強すぎる香りはNG。ほのかに香る程度に。 - 触覚
肌に触れるタオルやガウンは、少し高くても上質なものを。ここをケチると安っぽい店だと思われます。
DIYで壁紙を貼ったり、IKEAやニトリでおしゃれな家具を揃えたりすれば、低予算でも素敵な空間は作れます。
5. 【備品リスト】最低限これだけは揃えよう
最後に、開業にあたって最低限必要な備品リストをまとめました。
予算配分の参考にしてください。
施術に必要なもの
- 施術ベッド
これが商売道具です。安すぎるベッドはきしみ音がしたり、寝心地が悪かったりします。折りたたみなら2〜3万円、昇降式なら10万円〜が目安です。
関連記事:マッサージベッドの選び方とおすすめ人気ランキング - タオル類
大判タオル、フェイスタオル、おしぼり。洗濯が追いつかないこともあるので、想定の1.5倍〜2倍の枚数を用意しましょう。 - スツール(施術者用椅子)
キャスター付きで、長時間座っても疲れないものを。 - ホットキャビ(タオルウォーマー)
温かいおしぼりや蒸しタオルを作るのに必須です。 - 消耗品
マッサージオイル、フェイスペーパー、消毒液など。
運営に必要なもの
- レジ・決済端末
今どき「現金のみ」は失客の原因になります。カード決済やQR決済に対応した端末(AirペイやSquareなど)を用意しましょう。
関連記事:【2025年最新】POSレジ比較16選!個人店・サロンにおすすめのアプリはこれ
- パソコン・スマホ
予約管理や経理、SNS更新に使います。 - 予約システム
電話番を置けない個人サロンにとって、「24時間自動受付」の仕組みは命綱です。
毎月の固定費を抑えるために、最初は「初期費用・月額無料」のシステムから始めるのが鉄則です。
無料で使えるおすすめの予約システムについてや、幅広く予約システムを比較したい方は、以下で詳しく解説しております。
関連記事:【2025年最新】無料で使えるおすすめ予約システム20選を徹底比較|選び方や注意点も解説
比較記事:【2025年最新】予約管理システムの比較30選!業種別選び方のポイントも分かり易く解説
失敗しない「価格設定」とオープン初日から予約が埋まる「集客戦略」

「お店ができれば、自然とお客様は来るはず」
残念ながら、それは大きな間違いです。
厳しい言い方になりますが、どんなにゴッドハンド(神の手)を持っていても、知られなければ存在しないのと同じです。
最後のパートでは、あなたの技術を適正な対価に変え、安定した経営を実現するための具体的なノウハウをお伝えします。
【メニュー作り】客単価が勝手に上がる?「3段階グレード設定」の魔法

価格設定については先ほどで触れましたが、それ以前に重要なのが「メニュー構成(コース内容)」です。
お客様が迷わず選びやすく、かつ自然と単価が上がりやすいメニューの作り方には、行動心理学に基づいた「型」があります。
迷わせずに誘導する「ベーシック・スタンダード・プレミアム」
人間は選択肢が多すぎると選べなくなります(決定回避の法則)。
逆に、グレードの異なる3つの選択肢があると、心理的に「真ん中」を選びたくなる傾向があります(極端の回避性)。
これをサロンのメニューに応用しましょう。
- Entry:ライト / ベーシック(気軽なお試し)
- 例:40分 4,000円
- 役割:新規客の心理的ハードルを下げるための「入り口」商品。まずはここで技術を体験してもらいます。
- Standard:スタンダード(本命・推奨)
- 例:60分 6,000円 ←★一番売りたい看板メニュー
- 役割:最も満足度と利益率のバランスが良いメニュー。「当店の推奨コース」「一番人気」と表記し、ここを選んでもらうように設計します。
- Premium:プレミアム / ラグジュアリー(憧れ・高付加価値)
- 例:90分 10,000円(ロングコース+ヘッドスパなど)
- 役割:スタンダードを「お得」に見せるためのアンカー(比較対象)。同時に、高単価でも質の高さを求めるVIP客の受け皿になります。
このように明確な3段階を用意することで、安売りせずとも、自然と多くの人が「真ん中(スタンダード)」を選んでくれるようになります。
「プラスワン・オプション」で単価アップ
メインのコースだけでなく、10分〜15分程度の「ちょい足しオプション」を用意するのも効果的です。
- ドライヘッドスパ(10分 1,500円)
- アロマハンドケア(15分 2,000円)
- ホットアイマスク&フットバス(500円)
「今日は目が疲れているから」「自分へのご褒美に」というニーズに刺さり、無理なく客単価を上げることができます。freee予約などのシステムなら、ネット予約時にこれらのオプションを魅力的な写真付きで提案できるため、接客が苦手な方でも単価アップが狙えます。
6. 【価格設定】安売り競争には絶対に参加するな
メニューの価格を決める時、近所の「60分2,980円」の店を見て、「じゃあ私は2,500円で……」と弱気になっていませんか?
これは、個人サロンが絶対にやってはいけない「自滅への第一歩」です。
なぜ「安売り」が危険なのか?
大手チェーン店は、大量のお客様を回転させる「薄利多売」のビジネスモデルです。
一方、ベッド数もスタッフも限られる個人サロンで同じことをすれば、あなたは朝から晩まで休みなく働き続け、それでも手元にはわずかなお金しか残らない……という過労地獄に陥ります。
失敗しない価格設定の計算式
価格は「近所の相場」ではなく、「あなたが欲しい月収」から逆算して決めましょう。
- 目標月収を決める(例:30万円)
- 経費を足す(家賃・広告費など 例:15万円)= 必要売上 45万円
- 稼働できる日数と人数を決める(例:22日営業 × 1日4人 = 月88人)
- 必要売上 ÷ 人数 = 客単価(450,000円 ÷ 88人 = 約5,113円)
この計算なら、60分コースは最低でも5,500円〜6,000円に設定する必要があります。
「高いかな?」と不安になる必要はありません。その価格に見合う「価値(技術・空間・接客)」を提供すれば、お客様は必ずついてきてくれます。
7. 【集客戦略】Webとアナログの二刀流で攻める
オープン初日から予約帳を埋めるには、Web(ネット)とアナログ(リアル)の両方を使って告知することが重要です。
① Googleビジネスプロフィール(MEO対策)
「地域名 + マッサージ」で検索した時に、Googleマップにお店を表示させる対策です。
無料で登録でき、効果は絶大です。オープン日が決まったらすぐに登録し、住所や営業時間、そして魅力的な写真を掲載しましょう。
関連記事:手間をかけずにかんたん集客! Googleマイビジネスの予約リンクの使い方と設置方法
② InstagramなどのSNS発信

お店ができるまでの過程(内装工事の様子や、練習風景など)を発信することで、オープン前からファンを作ることができます。
特にInstagramは視覚に訴えるため、サロンの雰囲気やセラピストの人柄を伝えるのに最適です。
関連記事:ネイルサロン・個人サロンはインスタで集客するべき?予約を増やす投稿のコツ
③ チラシ・ポスティング
「Web全盛期にチラシ?」と思うかもしれませんが、店舗型ビジネスにおいて「近隣住民」へのアプローチはいまだに最強です。
特にシニア層や主婦層を狙う場合、ポストに入っていた素敵なチラシ一枚が、常連客獲得のきっかけになります。
必読:【店舗集客の教科書】2025年版!Webとアナログを制して「予約が止まらない」お店を作る全手法
8. 【オペレーション】リピートが決まる「最初と最後」の接客マニュアル
お客様がリピートするかどうかは、施術の技術だけでなく、「来店時」と「退店時」の印象で9割決まると言われています(ピーク・エンドの法則)。
開業初日にパニックにならないよう、以下のフローをシミュレーションしておきましょう。
① お出迎え(ウェルカム)
- 玄関
インターホンが鳴ったらすぐに開ける。笑顔で「お待ちしておりました」と迎える。 - カウンセリング
ウェルカムティーを出しながら、カウンセリングシートを記入してもらう。 - Point: ここで「今日の辛い場所」だけでなく「どうなりたいか(ゴール)」を共有することで、施術への期待値を高める。
カウンセリングシートは、お客様の身体の状態を知るだけでなく、トラブル回避の同意書としても重要です。
一から作るのは大変ですので、以下の無料テンプレートをダウンロードしてカスタマイズして使いましょう。
役立つツール:【無料テンプレートあり】サロン用カウンセリングシートの作り方と項目例
② 施術(メイン)
- 声掛け: 「力加減はいかがですか?」「室温は寒くないですか?」と、こまめに確認する。
- Point: 施術中は無理に会話を続けず、お客様が眠りたいのか話したいのかを察する。
③ お見送り(アフターケア)
- フィードバック
「今日は肩甲骨周りが凝っていたので、重点的にほぐしました」とプロ視点で報告する。 - アドバイス
「家でお風呂上がりに首を回してくださいね」など、セルフケアを伝える。 - 次回提案
「この状態だと、2週間後くらいにもう一度ほぐすと楽になりますよ」と、次回予約の目安を伝える(※無理な勧誘はNG)。 - 会計・お見送り
笑顔で玄関の外までお見送りし、姿が見えなくなるまで頭を下げる。
この一連の流れがスムーズにできて初めて、「プロのサロン」として認められます。友人を練習台にして、何度もリハーサルを行いましょう。
9. 【予約管理】電話番のいない個人サロンの命綱
施術中にお店に電話がかかってきたら、あなたはどうしますか?
手を止めて電話に出れば、目の前のお客様のリラックスタイムを中断させてしまいます。
かといって電話に出なければ、新規の予約を取り逃がしてしまいます。
このジレンマを解決する唯一の方法が、「ネット予約システム」の導入です。
個人マッサージ店に特化した「freee予約(旧Tol)」とは?
これから開業するあなたに、私が心からおすすめするのが、スマホアプリ「freee予約(旧Tol)」です。
数ある予約システムの中で、なぜこれが個人サロンに最適なのか? 理由は3つあります。
- 無料で導入できる(コストゼロ)
開業初期は1円でも節約したいもの。freee予約なら、初期費用・月額費用0円からスタートでき、予約が入った時の決済手数料などを除けばランニングコストを抑えられます。 - スマホアプリで完結する
パソコンが苦手でも大丈夫。Instagramを投稿するような感覚で、最短3分であなた専用の「予約用ホームページ」が作れます。施術の合間にスマホでサッと予約確認ができるのも魅力です。 - 「事前決済」でドタキャン防止
個人サロンにとって無断キャンセルは死活問題です。freee予約の事前決済機能を使えば、予約時にお支払いを完了してもらえるため、当日のドタキャンリスクを劇的に減らせます。
まとめ│準備9割!正しい知識で「愛されるサロン」を作ろう

ここまで、マッサージ・リラクゼーション店の開業に必要な全知識を解説してきました。
- コンセプトと法律
国家資格と民間資格の違いを理解し、自分の強みを明確にする。 - 資金と物件
無理のない資金計画を立て、ターゲットに合った立地を選ぶ。 - 集客と仕組み
適正価格を設定し、「freee予約」で24時間予約が入る仕組みを作る。
「私にもできるかな?」という不安は、行動することでしか消えません。
まずは気になった物件を見に行ったり、無料の予約システムを触ってみたりすることから始めてみてください。
あなたの温かい手と、作ったお店が、疲れ切った誰かの心と体を癒やす。
そんな素晴らしい未来に向かって、今日から一歩を踏み出しましょう!




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