健康志向の高まりから、最近人気なのがピラティスです。そんな中、ピラティスの指導者を目指す方や、将来的にピラティス教室を開業したいと考えている方も増えてきました。実は、ピラティス指導や教室開業には、法的に義務付けられた資格は存在しません。一方で、信頼される指導者になるためには、適切な資格を取得しておくことが大切不可欠です。そこで今回は、ピラティス教室を開業に関連する資格について解説します。
ピラティスを開業するのに資格は必要?
ピラティスのインストラクターとして開業するために、特定の国家資格や必須資格は存在しません。
しかし、専門的な知識や技術は、信頼と安心を提供する上で非常に重要です。資格がなくても開業は可能ですが、プロフェッショナルとしてのスキルアップを目指し、可能であれば関連する資格を取得することをお勧めします。
資格を持つことで、生徒やクライアントからの信頼を得やすくなり、自身の教室が一層魅力的なものになります。
開業時にあると便利なピラティスの資格5選
ここでは、ピラティス教室を開業する際に持っておくと便利な資格についてご紹介します。
PHI Pilates
PHI Pilatesは、ピラティスの指導者を目指す方にとって、高い専門性と実践的なスキルを提供する資格です。
このプログラムは、ピラティスの基本原理から応用技術まで、幅広い知識と技術を習得することができます。特に、PHI Pilatesでは、個々のニーズに合わせた指導法を学べるため、顧客への対応能力が格段に向上します。
また、国際的な視野を持つインストラクターを育成することに重点を置いており、世界各国での活躍も視野に入れることができます。
コースはマットやリフォーマー、チェアなど様々あるため、取得したいピラティスの種類やレベルに合わせて資格の取得ができます。取得費用はコースごとに異なりますが、13万円台から受講が可能です。
また、最短2日で資格を取得できるコースもありますので、忙しく時間が取れない方にもおすすめな資格です。
MAJOLI
MAJOLIは、完全オンラインでピラティスの資格取得が可能なプログラムです。
このコースは、自宅や好きな場所で、自分のペースで学習を進めることができるため、忙しい方や地方に住んでいる方にも最適です。
MAJOLIの資格は、ピラティスの基本から応用までを網羅しており、実践的なレッスンを通じて、即戦力となるインストラクターを育成します。また、少人数制のクラスで、個別の指導にも力を入れているため、質の高い学習体験を得ることができます。
取得費用の目安は398,000円~430,000円で、取得までの期間は約3ヶ月間かかります。
BASI
この資格は、ピラティス業界の権威であるRael Isacowitz氏によって設立されたもので、世界中で認知されています。BASIピラティスは、その独自のメソッド「Flow Work」により、動きの無駄を省いて効率的な指導が可能です。
また、BASIピラティスは国内外で多くのスタジオを運営しており、資格取得後は広いネットワークを利用することができます。これにより、インストラクターとしての活動範囲が広がり、様々な場所での指導が可能です。さらに、BASIピラティスはPilates Method Alliance(PMA)に加盟しており、その信頼性は業界内外で高く評価されています。
取得費用はマットコースで298,000円から、コンプリヘンシブ・ファンデーションコース550,000円からかかります。取得期間の目安は6~9ヶ月となっています。
FTP Pilates
FTP Pilatesは、Fit To Performを略したもので、ロンドン発祥のアメリカで発展したフィットネス教育組織です。この組織は、ピラティスの伝統を継承しつつ、約80年にわたり進化を遂げた様々なエクササイズを提供しています。
FTP Pilatesのプログラムは、最高の効率と実践性を追求しており、資格を取得したインストラクターは即戦力として各方面から高い評価を受けています。そのなかでも日本国内では、ピラティスインストラクターの約70%がFTPに所属しており、業界最大の団体とされています。
FTPは、ピラティスだけでなく、ヨガやパーソナルトレーニングなど、多岐にわたるフィットネスプログラムを提供しており、2000年からは日本でもピラティスを中心にプログラムを展開し、これまでに約1,000名以上のインストラクターを育成しています。
取得費用はマットピラティス資格保持によって異なりますが、195,800円~239,800円となっています。指定のコース受講後、実技指導試験・WEB筆記試験に合格すると資格を取得できます。
balanced body
Balanced Bodyは、ピラティスマシンのトップシェアメーカーが運営する国際資格養成スクールです。
コースはムーブメントプリンシパル、リフォーマー、マット、コンプリヘンシブ、3D解剖、コアアライメントなど多岐にわたります。
受講可能地域は吉祥寺、五反田、池袋など多数あり、オンラインコースも提供されています。日本最大級の設備を誇り、全国に約130スタジオがあるzen placeスタジオでの練習やデビューが可能です。既に他のピラティスメソッドを学んでいる方や、最新のピラティス技術や知識を学びたい方におすすめです。
コースによって異なりますが、69,000円から資格の取得が可能です。各コースごとのプログラム受講後、最終試験を経て修了認定書が進呈されます。
ピラティス教室の開業場所
ピラティス教室を開業する際、最適な場所を選ぶことは事業成功の鍵となります。ここでは、テナント・レンタルスペース・自宅・オンラインレッスンの4パターンについて解説します。
テナントを借りる
テナントを借りる場合、専用のスペースを持つことでプロフェッショナルな印象を与えることができます。立地を選ぶ自由度が高く、ターゲットとする顧客層に合わせた場所選びが可能です。
ただし、初期投資や固定費用が高くなるため、事業計画をしっかりと立て、安定した収益が見込めるか慎重に検討する必要があります。
レンタルスペースを借りる
レンタルスペースを利用する場合、必要な時だけ場所を借りることができるため、固定費用を抑えることができます。
また、様々な地域でレッスンを開催できるため、より広い範囲の顧客を対象にすることが可能です。ただし、場所によっては予約が取りにくい、設備が限られているなどのデメリットもあります。
自宅で行う
自宅でピラティス教室を開業する場合、家賃や通勤時間の節約が可能です。また、自分の好きな時間にレッスンを設定できるため、プライベートとのバランスを取りやすいです。
ただし、プライバシーの問題や近隣とのトラブル、スペースの限界などを考慮する必要があります。
オンラインで行う
オンラインでピラティス教室を開業する場合、地理的な制限なく、広範囲の顧客にサービスを提供できます。初期投資も少なく、自宅にいながらにしてビジネスを展開できるため、コストを大幅に削減できます。
ただし、対面での指導に比べて顧客満足度が低下する可能性があり、技術的な問題に対処する必要があります。
ピラティス教室を開業するステップ
ここではピラティス教室を開業するステップを2つご紹介します。
開業の場所を決める
ピラティススタジオの成功は、適切なレッスン場の選定から始まります。レッスンの種類によって必要なスペースは異なりますが、狭すぎると生徒が快適に動けなくなります。グループレッスンを想定している場合は、参加者全員が十分に動ける広さが必要です。
さらに、快適なレッスン環境を整えるために、更衣室やロッカーなどの設備も考慮に入れましょう。自宅での開業を考える場合は、プライベートとの境界を明確にし、家族の理解を得ることも重要です。
開業に必要なものを揃える
ピラティスを開業する際には、レッスンのための器具や環境の充実などが求められます。
ピラティスに使用する器具
ピラティスのレッスンでは、マットや特定の器具が必要になることがあります。マットピラティスの場合、基本となるのはヨガマットですが、レッスンを多様化させるためには、バランスボールやストレッチポールなどの追加器具が役立ちます。
マシンピラティスを行う場合は、リフォーマーやキャデラックなどの専用機器が必要となりますが、これらは高価であり、スペースも必要です。開業初期はマットピラティスから始め、徐々に器具を増やしていくのが現実的なアプローチかもしれません。
壁一面につける大きな鏡
ピラティススタジオを開設する際、壁一面の大きな鏡があることで、レッスンを受ける生徒は自分のポーズを確認し、正しい姿勢を維持することができます。特にピラティスでは、正確な動作と姿勢が重要視されるため、鏡は必須のアイテムと言えるでしょう。
また、インストラクターも鏡を通して生徒の動きをチェックしやすくなり、指導の質を向上させることが可能です。生徒自身が自分の体を見ながら動かすことで、より深い自己認識と改善を促すことができます。鏡はただの反射物ではなく、レッスンの質を高め、生徒とインストラクターのコミュニケーションを促進する重要なツールです。
集客方法を考える
ピラティス教室を開業する際には、新規顧客の獲得も欠かせません。
まずは教室の魅力をSNSやホームページで分かりやすくお伝えし、地域の皆さまに教室の存在を知っていただくことが大切です。また、地元のイベントに出展して実演や体験会を行えば、直接教室の良さをアピールできます。さらに、チラシやDMでの広報活動も、効果的な手段になります。
開業後もSNSの更新や営業活動を続けることにより、新規顧客だけでなく、リピーターのお客様も増やすことができます。
予約システムを整える
ピラティス教室運営には、適切な予約システムを整えることも欠かせません。スムーズな予約受付は、円滑な教室運営の鍵となります。
オンライン予約システムを導入すれば、24時間いつでも予約が可能になり、お客様の利便性が大幅にアップします。また、予約状況の一覧化で教室の空き状況を把握しやすくなります。
さらに顧客管理機能によって、受講履歴の管理や次回来店日の事前連絡などのフォローアップもできるでしょう。
ピラティス教室におすすめな予約システムは、以下の記事でも紹介しています。
開業届を提出する
ピラティススタジオを開業する際には、事業主として税務署への開業届の提出が必須です。
開業届は、事業開始から一か月以内に提出する必要があり、これにより青色申告の資格を得ることができます。青色申告を行うことで、税務上の様々なメリットを受けることができるため、開業前には必ず手続きを完了させましょう。また、屋号を決めることも忘れずに行いましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回はピラティス教室開業におすすめな資格をご紹介しました。
ピラティス開業には特定の資格が必要なわけではありませんが、専門知識や技術を持つことは顧客に対して信頼と安心を提供し、お店の評価を高める上で重要です。また、開業にあたっては、適切な場所の選定や税務署への開業届の提出を進めるなか、自分にあったピラティス関連の資格を取得するとよいでしょう。
この記事がピラティス教室を開業したい方の助けになると嬉しいです。
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