最近注目される業態の一つに、セルフエステサロンというものがあります。
セルフエステはお客様にとっても、安く手軽にエステが受けられるといったメリットがありますが、開業するお店側にとっても、安く開業できたり、スタッフが少なくて済むなどのメリットがあり、非常に美容業界でも注目されている業態の一つです。
セルフエステを開業するにあたり、資金は必ず考えておかなければいけない項目になります。
今回は、開業するにあたり資金がどれくらい必要なのか、そしてどうすれば安く開業できるかを、物件、助成金、機器の種類・導入方法などの観点からお伝えしていきます。
セルフエステサロンとは?
セルフエステとは、エステサロンでプロのエステティシャンが行う施術を自分で行うサロンのことです。
セルフエステサロンに通い、自分自身で器具などを使用してエステの施術をします。
セルフエステサロンの特徴
- 自分で施術するため料金が低価格
プロのエステティシャンに任せるのではなく、自分で施術するため料金を抑えられます。セルフエステサロンには利用料金がかかりますが、エステサロンに通うより少ない費用で済みます。「今月は金欠ぎみだからエステサロンに行けない!」なんて、わずらわしさを感じることも少なくてすみます。 - 気になる部分を集中的に施術できる
エステサロンによって施術コースが異なります。集中的にケアしてほしいと思っていても、その部位がコースに含まれていなかったり、少しの施術で終わってしまったりする場合があります。セルフエステであれば、気になる部分を集中的に施術できるため自分の望みどおりの結果へ導けるのです。 - 誰にも見られずに行える
エステサロンではエステティシャンに身体を見られるため、抵抗を感じる方もいるでしょう。セルフエステであれば、誰にも見られることなくエステを楽しめます。肌トラブルや、たるんだ身体などを見られる心配もありません。
セルフエステサロンの種類
- セルフ脱毛
- セルフホワイトニング
- セルフ痩身エステ
- セルフ美容エステ
- 上記の複合
セルフエステでは、エステティシャンの育成が不要となります。
お店ごとに無人店舗や機械説明をするためのスタッフを在籍させるなどの差別化の方法があります。
その分、セルフエステでは価格競争の側面に陥りやすい傾向があります。
そこで、そのため、いかに開業資金や、運営資金を安く済ませられるかは、価格競争を勝ち抜くために非常に重要な要素となります。
セルフエステの開業スタイル
自宅サロン
自宅サロでのメリットは、賃料や通勤時間、光熱費などの費用が浮くためその分安価に提供できるため価格競争に勝ち抜ける可能性が高くなります。
しかし、デメリットとしては自宅で開業をする際は営業目的で使用することを許可している物件でなければいけません。さらに、自宅で開業をするので不特定多数のお客様に自分の住所を特定されてしまうなどのセキリュティー面がデメリットとして挙げられます。
テナントサロン
テナントサロンには、自宅での開業と異なり駅近やアクセスの良い好立地な物件が多いです。その分お客様からは、目立ちやすく入りやすい雰囲気の店構えとなるでしょう。
物件の築年数や、開業エリアによっても開業資金は変動します。
そこで、開業資金をできるだけ安くするために、居抜き物件やスケルトン物件を借りることをおすすめします。 居抜き物件とは、前のテナントの内装が残された状態で借りる物件で、スケルトン物件は床や天井などの躯体抜き出しの物件となります。
以上の物件の内装目安が以下になります。
物件種類 | 居抜き物件 | スケルトン物件 |
内装費用目安 | 坪単価 10〜20万円 | 坪単価 20〜50万円 |
やはり自宅での開業と比べると家賃は高くなりますが、自宅を特定されないなどのメリットもあります。
マンションサロン
自宅開業と異なる点は、自宅とは別にマンションを借りてサロンを開業することです。但し、自宅開業と同様に許可なくセルフエステを開業してしまうと契約違反になってしまう場合があるので注意が必要です。
そこで、自宅と同様のマンションにも関わらず店舗契約が可能なSOHOタイプの賃貸マンションがおすすめです。
賃貸マンション物件であれば、実際にテナントを借りるより初期費用が安くなりますし住居仕様なので、そこで寝泊まりができるようになります。
セルフエステサロンに必要な開業資金
自宅サロンの開業資金
自宅で開業する場合内装で約20万円程度が必要です。
内装費用はかけようと思えばいくらでもかけられますが、費用を抑えるに越したことはありません。
セルフエステサロンに来るお客様達もいくらセルフでとはいえど、非日常空間を求めています。なので、家具や壁紙そして床の種類などDIYでできるところはDIYで創作するのがなるべく安く抑えられる方法です。
テナントサロンの開業資金
従業員を雇うのか一人で運営していくのかにもよって異なってきますが、一人で運営していく場合は150~200万円程度の資金、従業員を増やし客数も増やしていく場合は、約300~600万円程の資金が必要です。
以前同じようなエステサロンが経営されていた居抜き物件であればもう少し安く済むので、居抜き物件を抑えておくことは非常に大切です。
マンションサロンの開業資金
物件取得費と内装費用で、約80~200万円程度必要です。
例えば、SOHO対応物件のワンルームで開業する場合、物件取得費(家賃10万円の場合、敷金・礼金・保証会社・不動産会社への手数料)は約60~100万円程度になります。内装は、自宅開業と同様に約20万円程度が必要です。
こちらも内装は、出来るだけ安く済ませるためにDIYなどを駆使しながら創作していくと良いでしょう。
活用できる助成金
開業資金のサポートをしてくれる助成金はたくさんありますが、実際に利用するセルフエステサロン経営者は多くありません。
なぜなら、助成金制度自体があまり知られていないことや書類を揃えるのが大変なことが利用者が少ない理由になります。
助成金について
助成金は、一人以上のスタッフを雇うサロンを対象に交付される支援金のことで返金する必要がありません。
なので、助成金はサロンの経営者にとって活用していくべき制度となります。
キャリアアップ助成金
非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するために設けられた制度です。労働者の能力や意欲の向上を図る狙いがあります。
キャリアアップ助成金は、対象となるコースや会社の規模によって支給額はそれぞれ異なります。
・有期雇用を正規雇用にした場合→ 57万円
・有期雇用を向き雇用にした場合→ 28万5000円
・向き雇用を正規雇用にした場合→ 28万5000円
以上の条件で1年20名まで申請することができます。その他にも一定の条件を満たすと支給額を増やすことも可能です。
人材開発支援助成金
労働者へ職業訓練開発を実施する際に生じる経費や訓練中の賃金を一部助成する制度です。背景としては、専門的な知識や技能を習得するための労働者のキャリア形成に役立つようにする図らいがあります。
・キャリア形成支援制度導入コース
・職業能力検定制度導入コース
・特定訓練コース
・一般訓練コース
上記のコースが設定されており、キャリア形成支援制度導入コースと職業能力検定制度導入コースに関しては制度を導入することで47.5万円の助成金が受け取れます。
地域雇用開発助成金
求人の少ない地域で雇用保険適用事業所となる施設を設置・整備し、それにおいて労働者を雇った場合に支給される助成金です。背景としては、地方の雇用促進の図らいがあります。
地方でも指定されている地域のみ支給されます。条件を満たすと40万円〜900万円を1年ごとに3年間支給されます。地方での開業を考えている人は是非利用すべき助成金ですね。
両立支援等助成金
従業員が働きながら育児や介護との両立を行える制度を導入する事業者において支援をする制度です。女性の活躍推進のための図らいがあります。
・出生時両立支援コース
・介護離職防止支援コース
・育児休業支援コース
・再雇用者評価処遇コース
・女性活躍加速化コース
現在利用できるコースは5つのコースがあります。中小企業の場合は、1人の従業員が1つのコースの条件を満たすことで19万円〜57万円の支給額を得ることが可能です。セルフエステサロンは女性のスタッフが多いので、ワークライフバランスの良い生活を送ってもらうためにも是非利用したい制度ですね。
オススメの美容機器の種類と導入方法
セルフエステサロンといえば、どのような機器が置いてあるのかお客様にとってはサロン選びの重要なポイントであります。
痩身の種類 | キャピーテーション | ラジオ波 | HIFU | EMS | 脂肪吸引 | 複合機 |
脱毛器 | 光脱毛 | 医療脱毛 | ニードル脱毛 |
フェイシャルエステ機器 | 超音波美顔器 | イオン導出・導入 | EMS美顔器 | 美顔スチーマー | プラズマシャワー |
導入の選択肢
新品購入
新品商品のメリットは、最新機能を搭載しているということもあり需要に対する新たなサービスを提供することができます。
そして、正規店やメーカーから購入するため保証やアフターサポートがしっかりとついてきます。そのため購入後も安心してサロンの運営を安定させられる可能性が高いです。しかし、デメリットとしては費用が高いので安さを求める場合には他の方法での購入がオススメです。
中古の購入
中古購入のメリットとしては、新品を購入するよりも安く済むということです。しかし、販売元によって同じ商品でも値段が異なります。
中古購入で安く済ませられる方法は、メルカリなどのフリマアプリやヤフオクなどのオークションサイトで手に入れる方法です。但し、取引先の信頼と商品の状態が担保されているものではないので、写真をよく見ることや販売元に状態を細かく聞いてみるなどの対応が必要です。
フリマアプリやオークションサイト以外で安く購入する方法は、中古エステ機器の販売業者です。
中古エステ機器の販売業者は、販売している製品をお客様に出せる一定の程度を保っている場合が多いため、製品の状態についての信頼性がフリマアプリやオークションより高いです。
さらに、中古エステ機器販売業者の修理対応まで自社で行なっている業者であれば、独自の保証制度を設けて安心を担保しています。なので、新品よりも安価に個人間取引よりも安心に購入を希望する場合には、中古エステ機器の販売業者を検討してみる価値は大いにあります。
レンタル
毎月のレンタル料を払い短時間使用できるため、購入に比べると大きなお金も必要がなくお試し感覚で始めることができます。
開業時の資金が少ない場合や、どの機器にしようか見定めるためにレンタルをして試してみる有効な手段となります。
まとめ
セルフエステサロンの開業には、3つの種類があります。
自宅サロン、テナントサロン、マンションを借りて行うサロンがありました。
また、活用すべき助成金は多数の種類があり特に両立支援等助成金は女性スタッフが多いサロン経営には最適な助成金です。
さらに、美容機器の導入に関しても新品購入、中古購入、レンタルがあります。
もっとも安く手軽に導入できるのは、中古購入のエステ機器販売業者で信頼性も損なわず新品より安く購入する方法がおすすめです。
今回紹介した開業スタイルや、利用すべき助成金、美容機器の種類と導入方法自身に一番合った方法でサロンの開業を目指しましょう。
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