エステサロンでの物販は、サービス提供以外の収益源として重要な存在です。しかし、商品をただ並べているだけでは、売上を伸ばすことはできません。
そこで、本記事では、エステサロンが物販で売上を上げるために知っておくべきコツや人気商材についてご紹介します。
エステサロンが物販にも力を入れるべき理由｜物販のメリット
エステサロンでの物販には以下のような大きなメリットが存在します。
- 更なる追加収益の獲得
- 顧客単価の向上
- 継続的購入者による安定的な収益
- スタッフ負担の少ない売上
当然、エステサロンでは施術を行い、お客様に満足をいただくことが最も重要なことになります。
しかし、上記のような観点から、サロンの物販は非常に重要な活動の一つだと言えます。
以下で一つ一つについて解説いたします。
更なる追加収益の獲得
経済産業省の資料によると、エステサロンの売上のうち物販が34％を占めており、つまり、月商100万円のエステサロンであれば、約30万円が物販からの売上になるということです。
物販は、スタッフも時間を取られることがないため、費用対効果が高く、全体的な売上を増やすために重要な存在となります。
顧客単価の向上
エステサロンでは、お客さんが選んだコースによってお金が決まります。そのため、お店が売っている商品も一緒に買ってもらえると、お店に入るお金が増えます。
ホームケア商品は手軽に買えるので、よく売れる傾向があります。ただ、お店がどんな商品を売るかによって、お店に使うお金が増えるかどうかが変わってきます。
エステサロンがどのような商品を売り、どう販売していくかによって、お客さんがお店に使うお金が増えるかどうかが決まります。そのため、どのような商品をどのように売るかを考え、顧客単価を上げる方法を見つける必要があります。
継続購入客による売上の安定化
エステサロンが物販を行う理由の1つに、継続利用客による物販売上の安定化があります。最近は働き方が変わってきて、エステサロンが休業になることもあるかもしれません。
もしエステサロンが休業になると、お金を稼ぐことができなくなってしまいます。そのとき、物販で継続利用客に定期的に商品を買ってもらえれば、売上を安定させることができます。
スタッフの負担がない売上を得られる
エステサロンでお金を稼ぐには、スタッフがお客さんにサービスを提供する「時間労働」以外に、物を売ってお金を稼ぐ「物販」があります。
エステサロンでは、スタッフの提供できる時間には限りがあるため、物販で稼いだお金は時間の制限を受けないため、重要な役割を果たします。
そのため、エステサロンが売上を上げるためには、スタッフの労働以外で物販を積極的に行うことが必要です。
物販の注意点・物販のデメリット
物販を取り扱う上での注意点とデメリットは、次のようなものがあります。
- 仕入れと売上に時間差がある。
商品を仕入れた後、売れるまでに時間がかかるため、仕入れと売上に時間差があることがあります。そのため、適切な仕入れ計画を立てる必要があります。 - 在庫管理の負担、過剰在庫のリスクがある
商品の在庫管理には負担がかかり、在庫が過剰になると買い戻しや値下げなどのリスクが発生することがあります。そのため、在庫管理についても注意が必要です。
以上のような注意点やデメリットがあるため、エステサロンが物販を行う場合には、計画的に仕入れや在庫管理を行い、デメリットを最小限に抑えることが重要です。
仕入れと売上に時間差がある
物販を行う場合には、仕入れした商品がすぐに売れるわけではないため、仕入れと売上に時間差が生じます。そのため、支払いをしなければいけないのに売上がないといったリスクがあります。
しかし、クレジットカードを仕入れの決済方法として取り扱うことで、仕入れと売上の時間差を埋めることができます。つまり、クレジットカードで仕入れを行い実際の支払いを翌月に繰越すことも有用な打ち手となります。
在庫管理の負担や過剰在庫のリスク
物販では、必要以上の商品を仕入れて在庫を抱える可能性があるため、在庫管理が重要です。在庫管理を怠ると、在庫不足や余剰在庫などの問題が生じることがあります。
在庫管理のミスを防ぐためには、エクセルシートなどを使って在庫を管理する方法があります。
また、商品の点数を数えながら在庫を記録する方法も有効です。これらの方法で在庫管理をしっかり行い、在庫の問題を防ぎましょう。
エステサロンが物販の売上を高める7つのコツを紹介
エステサロンが物販の売上を高めるためには、以下の7つのコツを意識しましょう。
- 商品の選定
- 商品の認知
- 伝え方の工夫
- 商品のお試し
- インセンティブの設計
- ECサイトの立ち上げ
- 売りっぱなしはダメ
上記の内容を実践することで、物販でも売れるエステサロンになります。詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
1. 商品の選定（いい商品・掛け率のいい商品）
エステサロンで物販の売上を上げるためには、高品質でお得な商品を選ぶ必要があります。商品の良し悪しを判断する指標の一つが「掛け率」です。
掛け率とは、商品を仕入れた価格に対して、どの程度の利益を上乗せして販売するかを示す割合のことです。例えば、商品の掛け率が50%なら、仕入れた価格の半分を上乗せして販売します。
ただし、掛け率だけで商品を選ぶと、品質の低い商品を選んでしまう可能性があります。
商品を選ぶ際には、手間を惜しまず自分で確かめたり、信頼できる情報源から情報を収集して、本当に良い商品を選ぶようにしましょう。
2. 商品の存在を認知してもらう
物販の売上を上げるには、商品を知ってもらうことが大切です。エステサロンでお客さんとのカウンセリングやアフターケアの時に、物販で販売している商品があることを伝える方法がよく使われます。
ただ、お客さんは時間がないと感じることもあるでしょう。
そんな場合でも、待合室や受付などにPOPを置いて、商品を自然に認知してもらうことができます。POPを見て興味を持ってもらえたら、スタッフが説明をすることで購入率も高くなるので、費用対効果も高くなります。
3. 伝え方の工夫をする
物販の売上を上げるためには、商品の伝え方にも工夫が必要です。商品の伝え方を上手にすることで、お客さんが商品を買いやすくなります。商品の伝え方で大切なのは、以下の3つです。
- スタッフが商品について深く知っていること
- 商品を使うことでお客さんにどんなメリットがあるかを伝えること
- 必要以上に売り込まないこと
このように伝え方に気をつけることで、お客さんも商品に興味を持ってもらいやすくなります。
スタッフが商品について深く知っていること
お客様に商品を伝える際、スタッフに深い知識が必要です。例えば、「この商品にはこういう効果がある」と説明することで、お客様も納得しやすくなります。
スタッフ全員が商品についての知識を持っていることで、接客中にもスムーズに対応できます。
商品の特徴やメーカーのこだわりを把握するため、スタッフがしっかり勉強しておくことが大切です。
商品を使うことでお客さんにどんなメリットがあるかを伝えること
商品を購入するとどんなメリットがあるのか、お客様が未来をイメージしやすくなるように伝えましょう。
伝え方のポイントは、「情景・シーン・感情」の3つです。
つまり、商品を使った未来の情景や感情を思い浮かべられるように伝えると、購買率が高まります。お客様が心を動かされる伝え方をするためにも、しっかりとメリットを伝え、未来をイメージしやすい説明を心がけましょう。
必要以上の売り込みをしない
商品を売り込みすぎると、サロンの信頼が下がるだけでなく、売上も下がってしまいます。必要性やメリットを伝えれば、お客様が自分から商品を買いたいと思ってくれることがあります。
お客様が抱える悩みに合わせた商品を紹介し、必要性やメリットを丁寧に伝えることで、売上を上げることができます。カウンセリングや施術時にお客様の声をしっかり聞くようにしましょう。
4. 商品のお試し
お客様に商品の良さを実感してもらうためには、体験会や試供品の提供が効果的です。商品を実際に試してみることで、自分に合うかどうかわかりやすくなります。
初めに無料で提供して、良さを実感してもらい、その後に実際に購入していただくという手法があります。この手法は、エステサロンの信頼を高めることにもつながりますので、おすすめです。
施術中に物販の商品をお試しいただくことも有効です。例えば、スキンケア商品なら施術の最中にお客様の肌に合わせた商品を使い、その効果を実感していただくことができます。
ただし、お客様にとって不快な思いをさせたり、施術の邪魔になるような販売方法は避けるようにしましょう。施術中でもお客様のプライバシーやリラックス感を優先することが大切です。
5. インセンティブの設計
スタッフが働く上で大切なのは、やりがいやモチベーションです。お金がもらえることも、スタッフのモチベーションを上げる1つの方法です。
インセンティブを導入することで、スタッフのモチベーションが上がり、物販の売上が伸びることが期待できます。
スタッフの士気が高まることで、エステサロン全体が活気づくことにも繋がります。
少しでもスタッフのやる気を上げるために、試しに数カ月間だけインセンティブを導入してみるのも良いでしょう。
6. ECサイトの立ち上げ
ECサイトを開設することで、お店に来ていないお客さんからも商品を販売できます。ECサイトは簡単に開設できるため、店舗販売と一緒に行うことができます。
ただし、お店に来てもらえなくなるため、再開時に集客に苦労する可能性があります。
7. 売りっぱなしはダメ
商品を売った後も、お客様との関係を続けることが大切です。商品の使い方や感想を聞いたり、困ったことがあったら手伝ってあげると、お客様はあなたのことを信頼し、また次回も来てくれるかもしれません。
例えば、友達との関係でも同じです。
一度話しただけでは友達になれませんが、何度も会って話をして、お互いのことを知り合えば、本当の友達になれますよね。
商品販売も同じで、お客様との関係を築いていくことが大切なのです。
エステサロンで売れるおすすめ商品はこれ
エステサロンで売れる人気の物販商品は以下の4点です。
- クレンジング・洗顔料
- 化粧水、美容液などの基礎化粧水
- 脱毛器や美顔器などの美容機器
- サプリメントや美容ドリンク
以下で1つずつ見ていきましょう。
クレンジング・洗顔料
エステサロンで売られている商品の中で、クレンジングや洗顔料は人気があります。なぜなら、これらの商品には、毛穴の黒ずみを取ったり、肌をキレイにするといった良い効果があるため、お客さんからの需要が高いからです。
また、クレンジングや洗顔料は、お手頃な価格で購入できるため、お客さんにとっても買いやすい商品となっています。
化粧水・美容液などの基礎化粧品
エステサロンの物販で、化粧水や美容液などの基礎化粧品も人気の商品の1つです。これは、エステサロンでしか買えない商品であるため、特別感があり、人気が高いからです。
また、基礎化粧品は、肌の状態に合わせて使用するため、肌に効果が高い成分が含まれていたり、濃度が濃かったりするため、効果が期待できるという点も人気の理由の1つです。また、リピートしやすい商品でもあるため、長期的に売上が伸びる可能性が高いです。
脱毛器や美顔器などの美容機器
脱毛器や美容機器、ドライヤー、EMSなどのホームケア商品も、エステサロンで販売される商品の中で人気があります。
エステサロンに通う時間がない方や、日々の美容ケアをしたい方にとっては、自宅で手軽にケアできる商品として購入されることが多いです。
そのため、売上数は少ないかもしれませんが、単価が高いため1つ売れるだけでも、物販の売上に貢献することができます。
サプリメントや美容ドリンク
美容ドリンクやサプリメントなどのインナーケア商品は、体の内側から美容効果を期待できる商品で、長期的に使い続けやすいという特徴があります。
普段の生活に取り入れやすい商品で、お客様の日常の悩みに合わせて提案することで売れるチャンスが増えるでしょう。
まとめ
物販は、アプローチの方法を工夫することで売上を増やすことができます。しかし、どの商品を選ぶかや、どのようにアプローチするかはエステサロンによって異なるので、よく考える必要があります。
物販のメリットや売上を上げるためのコツ、人気商品などを確認して、売上を伸ばす方法を学んでみましょう。
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