サロンの運営において、お客様の声は重要な指針となります。サービスの改善点や、顧客満足度を知るためには、お客様アンケートが欠かせません。しかし、アンケートを実施しても、回答率が低かったり、有益な意見が得られなかったりと、うまく活用できていないサロンも多いのが実情です。
そこで本記事では、サロン運営に欠かせないお客様アンケートを効果的に実施するためのコツを詳しく解説します。
サロンでアンケートをとるメリットとは?
エステサロンでアンケートをとることで、お客様のニーズを知ることができる、サロンのサービス向上に活かすことができるといったメリットがあります。アンケートをサロン経営に活かすことで、お客様の満足度や信頼度を高めることもできます。
お客様のニーズを知ることができる
エステサロンでお客様にアンケートを実施することで、お客様が抱えている悩みや、サロンに期待する改善点を知ることができます。
アンケートの回答が蓄積されていくと、お客様の年齢、居住地域、ライフスタイルなど、多岐にわたるデータが集まります。これらのデータを分析することで、自身のサロンに来店するお客様の特徴や、求めているサービスを客観的に把握できます。
お客様のニーズを理解することで、サロンのサービスメニューの改善や、新メニューの開発に活かすことが可能になります。お客様の声に耳を傾け、ニーズを的確に捉えることが、サロン経営の鍵と言えるでしょう。
サロンのサービス向上に活かすことができる
アンケートからは、店側が気づかなかったサロンの問題点も発見できることがあります。サロンを利用した率直な感想やエステティシャンの評価など、直接伝えづらいことはアンケートの方が記入しやすいためです。
店の雰囲気や設備で良くない点があったり、エステティシャンの施術が合わなかったりしたなど、マイナス面の意見も積極的に収集することが重要です。そうした声を真摯に受け止め、改善に努めることがサロンのサービス向上につながります。
一方、良かった点も記入してもらうことが大切です。お客様が高く評価した部分はサロンの強みとなり得るため、さらに磨きをかけていきましょう。アンケートを通じて、サロンの課題と強みを把握し、継続的なサービス向上を目指すことが重要です。
お客様の信頼度や満足度を高めることができる
アンケートから得られたお客様の声は、ホームページやSNSなどを通じて、他のお客様へのアピール材料として活用できます。
初めて来店するお客様は、サロンに対する他のお客様の評価を気にします。アンケートのリアルな声を目にすることで、安心感を得られ、店選びの判断材料にもなるでしょう。
店側からの一方的なアピールよりも、アンケートで得たお客様の意見を掲載する方が、サロンへの信頼度は高まります。
また、アンケートに回答したお客様にとっても、その声でサロンのサービスが改善・向上されれば、満足度がさらに高まります。アンケートを通じて、お客様との信頼関係を築き、満足度を向上させることが、サロン経営の重要な要素と言えるでしょう。
サロンのアンケートでお客様に聞く内容
それでは、エステサロンのアンケートでお客様に聞く内容を解説します。主に初来店のお客様向けと、リピーターのお客様向けに分けられます。
基本的な内容
サロンのアンケートでお客様に聞く内容として、初来店のお客様とリピーターのお客様に共通する項目があります。
例えば、「サロンの雰囲気や清潔感」、「スタッフの接客態度や技術」、「施術の満足度」などは、来店回数に関わらず、サロンの評価を左右する重要なポイントです。
また、アンケートにはお客様への感謝の言葉を添えることを忘れてはいけません。「アンケートにご協力いただき、ありがとうございます。いただいたご意見を参考に、より良いサービスの提供に努めてまいります。」など、お客様の声に耳を傾ける姿勢を示すことが大切です。
来店への感謝、アンケートの回答に時間を割いてくれることへの感謝、アンケートの回答を今後のサロンのサービス向上に活かすことの説明など、お客様が違和感なく、気持ち良く答えられるような言葉を添えましょう。
初来店のお客様向け
初めて来店したお客様には、来店に至った経緯や、なぜこのサロンを選んだのかなどを聞きます。リピーターにつながる鍵となる要素もあるので重要です。
質問例としては、下記のようなものが挙げられます。
①施術前
- 来店前の悩みは何ですか?
- 施術前に不安な部分は何かありますか?
- 当サロンを知ったきっかけを教えてください(ホームページ、SNS、チラシなど)。
- 当サロンを選んだ理由を教えてください。
②施術後
- 施術を受けた感想を教えてください。
- 施術の前と後で、変化を感じた部分があれば教えてください。
- 当サロンについて気になる点がありましたら教えてください。
- また来店していただけますか?理由も教えてください。
初来店のお客様の場合、何をきっかけにサロンのことを知ったか、サロンを選ぶ決め手になった理由は特に重要です。また、施術後にお客様が変化を感じられたかどうかや、サロンの印象が良いものだったかそうでなかったかは、リピーターにつなげるためにもしっかり把握したい部分です。
初来店のお客様の率直な意見は、サロンの改善点を知るためにも大切にしましょう。
リピーターのお客様向け
何度もサロンに足を運んでくれているお客様向けには、毎回の回答が負担にならないよう、シンプルなアンケートの方が良いです。
質問例は下記のようなものが挙げられます。
- 当サロンをリピート利用してくださる理由を教えてください。
- 今回の施術で何か前回との変化を感じられた部分はありますか?
- 当サロンの改善した方がよい部分を教えてください。
- その他、ご要望やご意見を何でもお聞かせください。
通い慣れているお客様の方がサロンのこともよく知っているので答えやすい質問もあります。サロンの改善点やちょっとした変化など、リピーターのお客様だからこそ気づく部分を聞くとサロン経営にも活かすことができます。
サロンでのお客様アンケートのコツ
エステサロンで実施するお客様へのアンケートを作る際のポイントをいくつか紹介します。
簡潔で答えやすい質問にする
お客様にアンケートに回答してもらう最大のポイントは、簡潔で答えやすい質問にすることです。答えるお客様がかける時間の手間を減らしながら、より多くの情報を引き出すことが重要です。
そのためにも、質問の数はできるだけ絞りましょう。記述の部分が多いとお客様が面倒と感じたり、負担になったりするので、選択式とうまく組み合わせて全体をまとめた方が良いです。
アンケートの回答形式は下記のようなものが挙げられるので、質問に応じて選び、お客様が回答しやすいものを作りましょう。
- ラジオボタン=単一選択
- チェックボックス=複数選択
- スケール=1〜5などの段階評価
- マトリックス=表形式で項目に対し、「あてはまる」などの段階や複数の種類を選ぶ
- テキストボックス=自由記述
選択式の方がチェックをするだけで答えやすいですが、それだけだとお客様のリアルな声を聞くことができないので、記述式も記入してもらえるような質問を考えることがポイントです。
時系列を意識する
エステサロンでのアンケートは、施術の流れに沿って時系列を意識して作成すると良いでしょう。
初来店のお客様の場合、来店前の悩みや来店のきっかけ、実際の施術を受けた感想、施術前後の変化などを時系列に沿って聞くことで、答えやすくなります。
また、サロンやエステティシャンについての質問も、受付、カウンセリング、施術、アフターカウンセリングなど、お客様がお店に入ってからの流れに合わせて並べることで、回答がスムーズになります。
時系列を意識することで、お客様の体験を思い出しながら答えられるため、より具体的で有益な意見が得られるでしょう。
アンケートの長さに気を付ける
アンケートの長さには注意が必要です。
質問数が多すぎるとお客様の負担になるため、選択式と記述式を合わせて10問程度、多くても20問までに絞るのが良いでしょう。3分から長くても5分以内で回答できる長さが理想的です。
また、エステティシャンがカウンセリングで聞く内容はアンケートに盛り込まず、重複を避けましょう。施術後のアフターカウンセリングで次回のサービス提案をする場合は、そちらを優先し、アンケートは後回しにする方が良いです。
アンケートの長さや内容を調整することで、お客様の負担を最小限に抑え、スムーズにリピートにつなげることができます。アンケートはお客様の声を聞く大切な機会ですが、他の業務とのバランスを考えて実施することが重要です。
定期的に実施する
エステサロンでのアンケートは、定期的に実施することが効果的です。
リピーターのお客様に毎回アンケートを依頼するのは負担になる場合もあるので、3回目以降は5回目、7回目というように間隔を空ける方法もあります。メールやLINEを活用したアンケートなら、定期的に送信することも可能です。
全員からの回答は難しくても、設定した期間内で一定数のお客様の声を集められるよう工夫することが大切です。
定期的なアンケートにより、サービスの改善点やお客様のニーズの変化を継続的に把握できます。
サロンでアンケートを回収しやすくするポイント
どうすればアンケートに回答してもらいやすくなるか、いくつかの方法を紹介します。
エステの施術後にすぐお願いする
エステの施術後、お客様が帰る準備をする前の時間帯がアンケートの回答に適しています。アフターカウンセリングの流れから、そのまま記入してもらうのがスムーズです。
ただし、次の予定があって急いでいるお客様もいるので、時間的に余裕があるかどうかは必ず確認しましょう。
お客様の都合に合わせて、柔軟に対応することが大切です。施術後の満足度が高まっているタイミングでアンケートをお願いすることで、回収率の向上につながります。
アンケートの回収方法を工夫する
アンケートの様式には、紙、Googleフォーム、メールやLINE、電子ファイルなどがあります。それぞれに利点があるので、お店に合った方法を選びましょう。
紙に記入してもらう
紙のアンケートは最もシンプルで長く活用されている方法です。その場で記入してもらえるのでお客様の感想をダイレクトに得ることができます。
作るのも簡単ですし、パソコンが苦手という人は、手書きで丁寧に項目を書いてコピーすれば十分アンケート用紙として使えます。用紙は一枚にまとめるようにしましょう。
GoogleフォームなどのWebアンケート
Googleフォームなど、スマートフォンやパソコンを使って回答してもらうWebアンケートも一つの方法です。
メールやLINEを使って送信することができます。お客様が時間を選んで回答できるメリットがある一方、スルーされる人もいるので回収率は紙より低くなるケースがあります。
回答を集計したり、お客様の声を他の媒体に掲載したりする場合は引用が簡単にできる利点もあります。
顧客システムなどの電子ファイルに記入してもらう
タブレットを使って、顧客システムなどに導入されているアンケートフォームを使うのも手です。
タッチペンを使って紙と同じような回答が得られるのと、すぐに電子ファイル化ができるので管理も楽になります。ペーパーレス化を進めたい場合は選択肢となります。
回答後の特典を用意する
アンケートの回答率を上げるには、回答後の特典を用意することが効果的です。お客様にとってメリットのある特典を提供することで、アンケートへの協力意欲を高められます。
体験コースを用意する
アンケートに回答いただいたお客様に、次回来店時に利用できる体験コースを提供するのも効果的です。
通常のメニューとは異なる特別なコースを用意することで、お客様の興味を引き、再来店を促すことができます。体験コースを通じて、サロンの魅力を再認識してもらう機会にもなります。
例えば、新メニューの導入に合わせて、アンケート回答者限定の体験コースを設けるのも良いでしょう。お客様は新しいメニューを試す機会を得られ、サロンは新メニューの反響を直接確認できます。
割引やプレゼントを用意する
アンケートに答えていただいたお客様に、次回の施術料金の割引やプレゼントを用意するのも良いでしょう。
割引の場合は、期限を設定するのが効果的です。例えば、「アンケート回答から1ヶ月以内に来店すると、施術料金が20%オフ」などの条件を付けることで、お客様の早期再来店を促せます。
プレゼントの場合は、サロンのイメージに合ったオリジナルグッズがおすすめです。ロゴ入りのタオルやヘアアクセサリーなど、お客様が日常的に使えるアイテムが喜ばれるでしょう。
ただし、特典の内容はサロンの経営状況を考慮して決定することが重要です。割引率が高すぎたり、プレゼントが高価すぎたりすると、サロンの収益を圧迫しかねません。お客様への感謝の気持ちを示しつつ、サロンの運営にも無理のない特典を検討しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
エステサロンのアンケートは、サービス向上のために欠かせないものです。お客様の満足度を高めるためには、お客様の率直な声を聞くことが大事です。
そのためにはアンケート方法などの工夫も必要なので、自身のサロンに合った方法を選んでください。
この記事がエステサロンを経営、開業される方の一助になれば幸いです。
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