個人サロンを経営する上で、売上目標の設定は非常に重要です。目標を明確にすることで、経営の方向性を定め、日々の営業活動に励むことができます。また、目標達成に向けた具体的な施策を立てることで、売上アップを実現できるでしょう。
しかし、個人サロンの売上目標は、業種によって大きく異なります。美容室、ネイルサロン、エステサロンなど、サービス内容や価格帯、顧客層が異なるため、一律の目標設定ではうまくいきません。
そこで今回は、個人サロンの売上目標を業種別に解説します。また、売上アップのポイントも合わせてご紹介します。
【業種別】個人サロンの売上目標は?

個人サロンの売上目標は、まず、業界ごとの平均売上を目指していきましょう。この時、1日あたりの目標まで落とし込んでいくことが大切です。1日の売上目標を考える場合、「1ヶ月の目標額÷1ヶ月のお客様数×客単価」で考えていきましょう。
それでは具体的に次の業種ごとに売上目標についてご紹介していきます。
- エステサロン
- ネイルサロン
- マツエクサロン
- ヘアサロン
エステサロン
エステサロンの売上目標は月150万円です。
エステサロンの売上は施術料金と取り扱う商品の物販で主に構成されています。
ベッドが1台のサロンの場合、1人あたりの施術を2時間とし、営業時間を9時間とすると客単価は次のようになります。
売上目標:150万円、1ヶ月のお客様数:60〜80名(営業日数を20日と仮定)、客単価:1.9〜2.5万円
1回の施術を2万円程度に設定すると、少々強気の価格設定となります。そのため、物販を取り入れることでお客様にも納得いただきながら単価を上げる工夫が必要でしょう。
適切な価格設定と物販の導入により、売上目標達成に近づくことができます。また、リピート率向上のための施策も重要です。
ネイルサロン
ネイルサロンの売上目標は月40万円前後です。
ネイルサロンの売上は、基本的に施術のみとなります。ネイルデザインやり放題コースや、デザインを数種類の中から選ぶ定額コースなど、料金の設定方法は様々です。
ネイリストが1人の場合、お客様1人あたりの施術時間を2時間とし、営業時間を9時間とすると、客単価は次のようになります。
売上目標:40万円、1ヶ月のお客様数:60〜80名(営業日数を20日と仮定)、客単価:5,000〜6,500円
5,000〜6,000円という客単価は、一見安価に感じるかもしれません。しかし、この計算式は営業日に毎日3〜4名のお客様を想定しているため、高い集客力が求められます。
集客力が十分でない場合は、客単価を高めに設定するのが賢明でしょう。集客状況を見極めながら、キャンペーンや料金の見直しを行うことで、安定した収益を得ることができます。
マツエクサロン
マツエクサロンの売上目標は月80万円です。
マツエクサロンの売上は、エステサロンと同様、施術料金と物販で構成されます。物販にはまつ毛ケア用品などの取り扱いが想定できます。
アイリストが1人の場合、お客様1人あたりの施術時間を1時間とし、営業時間を9時間とすると、客単価は次の通りです。
売上目標:80万円、1ヶ月のお客様数:120〜160名(営業日数を20日と仮定)、客単価:5,500〜7,000円
マツエクの1回あたりの平均利用金額は5,000〜8,000円程度とされているので、料金設定の際は参考になるでしょう。
高品質のエクステ素材や付け心地の良い素材を使用している場合は、仕入れ価格に応じて料金を設定することで、お客様のニーズに合わせた単価アップが可能です。
ヘアサロン
美容室の個人サロンの売上目標は月70万円です。
ヘアサロンでは、ヘアケアアイテムを多数取り扱うことができるため、物販も効果的に取り入れることが重要です。
物販では、シャンプーやヘアオイルだけでなく、スタイリング剤も仕入れておくと、お客様のニーズに合わせたおすすめができます。
美容師が1人の場合、お客様1人あたりの施術時間を1.5時間とし、営業時間を9時間とすると、客単価は次の通りです。
売上目標:70万円、1ヶ月当たりのお客様数:60〜100名(営業日数を20日と仮定)、客単価:7,000円〜1.2万円
美容室のカットの平均価格は東京都の場合、4,000円程度ですが、これには格安カットなどの料金も含まれています。そのため、おおよそ5,000〜6,000円程度と想定するのが適切でしょう。
カットのみの施術では目標達成が難しいため、パーマやトリートメント、カラーなどの他の施術とセット料金を設定し、お得感を演出しつつ、客単価を上げていく工夫が必要です。
個人サロンで思うように売上目標が達成できない理由
個人サロンで思うように売上目標が達成できない場合、次のような理由が考えられます。
- コンセプトとターゲットがずれている
- 価格設定が適切ではない
- 宣伝ができていない
以下でご説明します。
コンセプトとターゲットがずれている
個人サロンで思うように売上目標が達成できない理由の1つは、コンセプトとターゲットがずれていることが考えられます。
例えば、高級感と非日常感をコンセプトとしているサロンが、経済的に余裕がないと考えられる大学生向けにSNSを使って集客しようとしているケースです。この場合、「将来、自分で稼げるようになったら、いつか行ってみたい」と思ってもらえる潜在的な顧客を開拓することはできるかもしれません。しかし、このようなコンセプトのサロンが狙うべきターゲットは、収入が安定し、自分への投資に余裕がある30代以降の女性だと考えられます。
このようにコンセプトとターゲットが合致していないと、理想的な顧客の獲得が難しくなり、売上が伸び悩んでしまう可能性が高いでしょう。サロンのコンセプトに合ったターゲット層を見極め、的確にアプローチすることが、売上目標達成の鍵となります。
価格設定が適切ではない
個人サロンで思うように売上目標が達成できない理由として、価格設定が適切ではないことが挙げられます。
例えば、月の売上目標が70万円のサロンが、60名のお客様の来店を見込んでいるにもかかわらず、5,000円前後の価格設定にしてしまった場合を考えてみましょう。単純計算で、このサロンの売上は30万円にとどまります。この場合、集客人数は目標に到達していても、目標売上には届かないことになります。
売上目標を達成するためには、目標客単価を計算し、最も売れ筋の商品やサービスの価格をその金額に設定することが重要です。その価格を軸として、他のメニューやセット施術の料金表を作成していくことで、バランスの取れた価格設定が可能になります。
適切な価格設定は、売上目標達成に直結する重要な要素です。市場調査や競合分析を行い、自店の強みを活かした価格戦略を練ることが求められます。
宣伝ができていない
個人サロンで思うように売上目標が達成できない理由の3つ目は、宣伝不足です。
コンセプトとターゲットが合致しており、ターゲットに合わせた料金設定もできているにもかかわらず、売上が伸びない場合は、そもそもサロンの存在が知られていないことが考えられます。
個人サロンを開業してから1〜2年程度は、認知度を上げ、サロンの存在を広く知ってもらうことが重要です。その中からファンとなってくれるリピーター客が生まれ、安定した売上につながるのです。
宣伝方法はSNSやタクシー広告、雑誌広告など多岐にわたりますが、まずはサロンに合った方法を選ぶことが大切です。ターゲット層が多く目にする広告媒体は何か、予算は売上目標に対して適切かを軸に考えることで、選定がしやすくなります。
一般的に、宣伝費の目安は売上目標の10%程度とされています。効果的な宣伝活動により、サロンの認知度を高め、売上目標達成に近づけましょう。
個人サロンで売上アップさせるポイント
それでは最後に個人サロンで売上をアップさせるポイントを3つご紹介します。
- 情報収集を徹底し、競合と差別化をする
- サロンのコンセプト作りを徹底する
- ターゲットを具体的に絞る
以下でご説明します。
情報収集を行い、競合と差別化をする
個人サロンで売上を向上させるポイントの1つ目は、情報収集を徹底し、競合と差別化することです。
エステやネイルの業界には、すでに多くのサロンが存在しています。お客様から選ばれるためには、競合との差別化が欠かせません。
具体的にどのように差別化すればよいのか分からない方は、以下の点について考えてみましょう。
- ターゲットとする客層
- 価格設定
- 提供する商品やサービス
- サロンのコンセプト
差別化せずにサロンをオープンすると、新規のお客様の集客やリピーターの獲得に苦戦する可能性があります。
想定以上に宣伝費用がかさんだり、リピーターが定着しなかったりと、売上だけでなく、収益も減少してしまうのです。
ターゲットを具体的に絞る
個人サロンで売上を向上させるポイントの3つ目は、ターゲットを具体的に絞ることです。
ターゲットを明確にすることは、サロン経営の軸となり、以下のような事項が自ずと見えてきます。
- サロンの立地
- メニュー構成
- 価格設定
- 宣伝・集客方法
ターゲットを絞るためには、どのような人々に向けたサロンを作りたいのかを、年齢、性別、収入、家族構成、趣味嗜好のレベルまで想定することが重要です。
例えば、上記の項目を埋めていくと、次のようなターゲット像が浮かび上がります。
- 年齢:40〜45歳
- 性別:女性
- 収入:年収600万円
- 家族構成:夫1人、子1人(小学校高学年〜中学生)
- 趣味嗜好:海外旅行
これらの想定から、ある程度子供が自立し、土日もたまに自分の時間を持てる兼業主婦がターゲットとなります。
さらに、年収600万円であることから、平日はフルタイムで働き、自分に使えるお金もある女性であることがわかります。
ターゲットの設定が難しい場合は、身近にいる友人や家族を分析し、ターゲット像を具体化していきましょう。
サロンのコンセプト作りを徹底する
個人サロンで売上を向上させるポイント、3つ目はサロンのコンセプト作りを徹底することです。個人サロンは大規模なサロンと比べて自分の考えや好みを反映させやすいことが強みになります。
一定規模のサロンでは効率もみていかなければならないため、コンセプトより優先しなければならないことも。しかし、個人サロンはコンセプトに合った雰囲気作りを徹底的に行えます。
例えば、先ほど、想定したターゲットに向けたコンセプトを作るのであれば、次のようなものになるでしょう。
- 価格帯:客単価が¥15,000〜¥20,000
- 頻度:1.5〜2ヶ月に1度の訪問
- 集客:インスタで新規顧客、リピーターを増やしたい
- 来店者:お客様1人(お子様連れは想定していない)
- 内装:高級感や非日常感、特別感を演出
- サービス:サロンでしかできない特別なサービスを提供
- BGM:クラシック音楽
サロンのコンセプト作りを徹底することで、大規模なサロンにはない良さを持ったサロンが出来上がるでしょう。
また、コンセプトがしっかりしたサロンは、SNSなどで宣伝する時もみた人に共感してもらいやすくなり、集客に繋がります。このような流れで集まったお客様はファンになりやすく、リピーターの獲得もしやすくなるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、個人サロンの売上目標について、上がらない理由やポイントを踏まえてご紹介しました。
まずは無理のない売上目標を立て、着々と達成していきましょう。そうすることで健全な経営ができるだけでなく、モチベーションも上がり好循環が生まれます。もし売上が上がらないときには、ターゲットやコンセプトをもう1度見直してみましょう。
この記事が個人サロンを開業する方や経営している方の参考になりますと嬉しいです。
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