自宅サロン開業にあこがれを持つ方も多いですよね。
自宅サロンなら少ない資金で独立開業ができ、自分の経営方針で営業ができて自由度も高いことが魅力的です。
しかし、自宅サロン開業にあたっていくつかのリスクや問題が発生するのはよくあることです。
今回は、自宅サロン開業に必要な準備と失敗しないための方法を紹介します。
また、自宅とは別にマンションやアパートを借りて営業する場合も自宅サロンと呼ばれることがありますが、今回は実際に居住する自宅の一部のスペースで開業する場合でのお話になります。
開業に必要な準備
自宅サロン開業で必要な準備は、だいたい以下のような手順になります。
- お客様のターゲットを決める
- 集客のストーリーを考える
- サロンの場所・建物を決める
- 予算を決め、資材を購入する
- メニューと料金を決める
- サロンのコンセプトや名前を決める
- 一人で経営できる体制を整える
- 法律の確認や社ßj会的なトラブル防止を行う
次に、これらの準備において失敗のリスクを減らす、確認すべきポイントの紹介をします。
開業準備でサロンの将来が決まる!?失敗しないために確認すべきポイント
お客様のターゲットを決める
開業においての準備で一番重要なのは、どんなお客様に来てもらいたいのか、この目的をはっきりさせることです。
ターゲットにしているお客様の属性に合わせて、開業する場所や集客の方法、サロンのコンセプトや名前を決めていく必要があります。
「すべての人がターゲット」は間違い
「老若男女、様々な方に気に入ってもらえるサロンにする!」という方もいらっしゃると思います。
全ての人に気に入ってもらえるようにするということが、そもそも不可能に近いのです。
サロンのチェーン店や大型店舗は、老若男女のそれぞれのターゲットに適したスタッフを多く配属し、立地が便利で営業時間が長いから実現できることなのです。
あなた一人でサービスを提供するとなると、できること、できないこと、苦手なこと、得意なこともあると思います。
その中で、あなたができることや得意とするサービスが、どんな方に魅力的に思ってもらえるのか考えることが大切です。
集客のストーリーを考える
自身のサロンのターゲット客を決めたら、今度はそういった方に来店してもらうにはどうしたら良いか考えます。
集客ストーリーを考えることで、開業する場所や、営業時間や経営方針、メニューや料金、コンセプトなどを決めやすくなります。
ターゲット客の属性や特徴を分析する
たとえば、オフィスで働く女性20代~30代をターゲットにネイルサロンを開業しようと考えたとします。
このターゲットに当てはまる友人や知り合いにインタビューをして、どんなネイルが好きなのか、どんなお店なら通いたいと思うのか、ネイルサロンを知るきっかけは何なのかなどを洗い出すのもかなり効果的です。
【集客の入り口は?】
- InstagramなどのSNS
- ホットペッパービューティなどのサイト
- 口コミや紹介
【通い続けてもらうには?】
- 他のサロンにはない、爪のケアを一番重視したサービスを行う
- ポイントカードやクーポンの配信
- 仕事が終わってからでも通いやすい立地や営業時間の設定
上記はあくまで例ですが、ターゲットの視点に立って、集客のストーリーを考えることで、使うべきツールやアプリ、サロンの立地条件、それに必要な資金や準備などがわかってきます。
サロンの場所・建物を決める
ターゲットに来てもらいやすい場所を選ぶのも大切です。
また、支払う賃金などがわかれば、メニュー料金の設定もしやすくなります。
店舗営業が許可された物件を探す
どんな賃貸でも店舗営業ができるわけではありません。
店舗営業が可能な物件を探す必要があります。
ほとんどの賃貸マンションやアパートでは、居住用として貸す契約しかできなくなっています。
居住用で契約したのに、そこで営業目的のサロン開業をしてしまうと、賃貸契約違反になり、そこでの居住や営業ができなくなり、最悪の場合違約金などが発生してしまう場合もあります。
バレなけれないいと思っていても、いざ発覚してしまうと場所を変えなければならず、通っていたお客様にも迷惑をかけてしまうし、信頼を損なう危険があります。
集客に向いた立地や見た目の建物を選ぶ
仕事帰りでも通いやすいサロンにしたいと考えた場合、駅からなるべく近いほうが良いです。
駅から遠いのであれば、駐車場があると通いやすくなります。
また、夜遅くまで営業したい場合、近隣に迷惑がかかりにくい、繁華街に近い場所を選びのも良いでしょう。
建物や部屋の見た目も、清潔感がある方が通いやすいので、築年数や建物・部屋の見た目もしっかり確認しましょう。
店舗の住所=自宅の住所になるリスクをどう回避するか考える
店舗の住所は自宅の住所になります。
そのため、店舗の住所をあまり公開しない方がプライバシーが保護されやすいです。
しかし、どこにあるのか全くわからない状態だと、お客様の来店のモチベーションにもあまり良い影響はないので、駅から徒歩何分くらいまでの情報はあった方が良いでしょう。
店舗の場所は、予約したお客様だけに教えるように工夫したり、女性が開業を考えているのであれば、お客様を女性限定に絞るのも良いです。
予算を決め、資材の購入をする
自宅サロンは、外見は普通の賃貸マンションです。
ドアを開けて部屋に入ったら、非日常空間を味わえる雰囲気作りも大切です。
雰囲気作りのための資材も考える必要があります。
絶対必要なものを購入する
先ほど、雰囲気作りのための資材が必要という話をしましたが、その前に絶対必要な資材を購入しなければなりません。
リラクサロンの場合はベッドやタオルが必要ですし、ネイルサロンならテーブルやUVライトなど、仕事で使うものが必要になります。
他にも、レジ端末や金庫なども必要です。
最低限これさえあればサービス提供ができるもの、それこそが絶対必要なものと言えます。
まずは絶対に必要になるものは何なのかを明確にし、優先的に決定します。
雰囲気づくりのために必要なものを購入する
予算を決め、間接証明やカーテン、置物やアロマディヒューザーなど、雰囲気作りに関係するものを購入します。
お客様にどんな非日常空間を楽しんでもらうのか、どんな雰囲気を提供したいかを考えます。
施術内容や接客と雰囲気はサービスのうちの一つとなります。
ただし、やたらとお金をかけすぎると赤字になるので、目指したい雰囲気を作るために必要なものに優先順位をつけたり、予算を決めてから行いましょう。
メニューと料金を決める
ターゲット客の属性や家賃などを考慮しながら、メニューと料金を決めます。
「安い」を売りにしてはいけない
自分と似たようなサロンと比べて料金相場を確認することも大切ですが、料金で競争することはおすすめできません。
安いサロンはお得感があって嬉しいですが、料金設定が高くてサービスに魅力のあるサロンにはかないません。
開業に自信がないと、ついつい料金設定をさげがちですが、はじめの価格からあとで値上げをするのはかなり勇気がいることです。
しかも、サービスに欠点があったとしても、安いから仕方ないと思われてしまうと、サービスの質が低いことへの保険をかけてしまう行為になります。
少し強めの価格設定でも良いので、その価格に見合うサービスをしようと心を決めて経営すれば、必ずと言っていいほどコアファンやリピーターの獲得がしやすくなります。
売上目標を決める
家賃や電気代、設備や消耗品にかかる費用など、毎月の出費を考慮して、理想とする収入、すなわち目標売上を決めます。
その目標を叶えるためには、来店客数と客単価の目標数を決める必要があります。
コース設定を行う
「ネイルオフ」「ワンカラー」など、行うサービス単体でメニューを決めるのも良いですが、コース設定をすると、サロンの強みが伝わりやすくなり、お客様にとってもメニューが選びやすくなります。
たとえば、ネイルケアを重視しているのであれば、ネイルケアとカラーを一緒にしたコースを設定すると良いです。
サロンのコンセプトや名前を決める
ターゲットの客層やメニューが決まってくると、サロンのコンセプトや名前を決めやすくなります。
ターゲット客が求める店舗のイメージや提供したいサービスの本質をもとに、コンセプトや店舗名を決めます。
「親しみやすい隠れ家サロン」「爪のケアをしながらネイルを楽しめる」など、ターゲットにささるコンセプトやキャッチコピーを決めます。
店舗名がどうしても決まらない、迷ってしまう場合は、ターゲットに当てはまる友人などに聞いてみて決めても良いかもしれません。
一人で経営できる体制を整える
自宅サロンの場合、様々な業務を一人で行わなければなりません。
初めのうちからスタッフを雇おうとすると、スタッフ探しや人件費、様々な手間や費用がかかってしまいます。
開業時は予測していないトラブルやアクシンデントが起きたり、落ち着かない状態が続く場合もあり、スタッフを雇っても、目的通りの業務を行うことが難しくなります。
予約業務や周知、会計など、一人で行えるように環境やサービス提供の流れを工夫したり、必要であれば業務の負担を軽減してくれるサービスの購入や利用を検討しましょう。
無料で使えるものやサポートが充実したサービスがたくさんあり、スタッフを雇うよりも手間や費用をかけずに済みます。
法律の確認や社会的なトラブル防止を行う
サロン経営において、業種やサービス内容によっては、法律として規制がかかるものや、注意しなくてはいけないものがあります。
特定商取引法を確認する
特商法と呼ばれる法律では、長期に渡ってお客様にサービスを提供する高額なコースやパックに規制やルールが設けられています。
詳しくは以下の記事や消費者庁のホームページなどを確認しましょう。
トラブル防止対策をする
また、トラブル防止のために施術同意書の作成をすることや、損害保険に加入することも大切です。
悪意がなくてもトラブルに巻き込まれることは十分にありえますので、他人事と思わずにしっかりと対策をしましょう。
必要な資格の取得や開業届けを行う
ヘアカットなどを行う美容院サロンやまつげエクステでは美容師免許や保健所への美容所登録が必要になります。
リラクやエステ、ネイルサロンでは特に資格は不要です。
また、サロンの種類に限らず、税務署に開業届をする必要があります。
開業届をして個人事業主としての確定申告を怠ったり、支払うべき税金の納税を行わなかった場合、無申告税という罰金を払うペナルティが発生したり、最悪な場合には刑事罰に当たる可能性があります。
まとめ
自宅サロン開業を検討している方向けに、開業に必要な方法や失敗しないために確認すべきポイントを紹介しました。
今回の記事で、少しでも自宅サロン開業の役に立てたら嬉しいです。
開業を目指している皆さまを応援しております。
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