昨今人気なフェイシャルエステ。そんなフェイシャルエステサロンを開業したいけれど、必要な資格がないと始められないのでは?と不安に思う方は多いのではないでしょうか。フェイシャルエステは、お客様の大切な肌を扱う仕事です。専門的な知識と技術があってこそ、お客様に安心して施術を受けてもらえるでしょう。
そこで今回は、フェイシャルエステサロン開業に資格は必要なのか?や、取得におすすめの資格などもご紹介します。
フェイシャルエステサロン開業に資格は必要?
結論から申し上げますと、フェイシャルエステの業界で働くためには、必ずしも専門の資格や免許が必要というわけではありません。
個人でサロンを開業したいという場合でも、資格なしである程度の実務の経験や技術があれば、フェイシャルエステサロンを始めることができます。
未経験でも、挑戦することができるので、とても人気のある職業となっています。実際に経済産業省のデータを見ると、エステティックの中でも、全体の利用件数の40%以上がフェイシャルエステとなっており、フェイシャルエステがどれくらい需要がある人気のケアなのかがわかります。
資格なしでフェイシャルエステサロンを開業する際の注意点
フェイシャルエステサロンを資格なしで開業する際には、注意すべき点があります。
それは、資格や免許の有無によって、できる施術に違いがあるという点です。
2024年の最新の法律では、以下の施術が無資格でもできる範囲となっております。
- ハンドトリートメント
- パック(美容液不使用のもの)
- 毛穴クレンジング
- イオン導入
- EMS
一方で、以下の施術は、資格がなけれはできないものとなっています。
- 刃物を使ったシェービング(理容師免許)
- 美容液や化粧品を使用した施術や美容脱毛(美容師免許)
- 体を押したり、揉んだりするマッサージ行為(あん摩マッサージ指圧師免許か医師免許)
施術内容にこれらの免許が必要な行為を含むことももちろんダメですが、サービスで行うのも犯罪になってしまうので注意しましょう。
また、特に気をつけるべきなのが、施術できる範囲と、施術で使用できる薬品についてです。
資格なしで施術できる範囲は?
フェイシャルエステサロンを資格なしで開業する際、施術できる範囲に注意が必要です。
美容師法では、首から上の部分を美しくする行為が美容師の施術範囲とされています。そのため、フェイシャルエステの施術範囲を顔だけに限定してしまうと、美容師法に抵触する可能性があるのです。
この問題を避けるためには、施術範囲を顔からデコルテまで広げることが大切です。デコルテまでケアすることで、美容師法の定める首から上までの範囲を超えることができ、美容師の施術とは異なるものとして扱うことができるのです。
フェイシャルエステを行う際は、顔だけでなくデコルテまでケアするよう、施術範囲に気をつけることが重要だと言えます。
資格なしで使用できる薬品は?
資格なしでフェイシャルエステサロンを開業する際、使用できる薬品にも注意が必要です。
美容師法では、化粧品や医薬部外品の使用についても定められています。サロンで容姿を整えるために、これらの製品を使用する場合、一定の知識が求められるのです。
具体的には、化粧品や医薬部外品を扱うには、理容師か美容師の免許が必要とされています。これは、公衆衛生上の観点から定められた規定だと言えます。
したがって、資格なしでフェイシャルエステサロンを開業する場合、化粧品や医薬部外品を使った施術は行えません。これらの製品を使用せずに、お客様の肌をケアする方法を探る必要があるでしょう。
フェイシャルエステ開業の際に資格を持つメリットとは?
フェイシャルサロンを開業する際には、特定の資格は必要ありませんが、資格を取得することで、さまざまなメリットがあります。
お客様がサロンを選ぶきっかけになる
お客様がフェイシャルエステサロンを選ぶ際、資格の有無が重要な基準になることがあります。多くのサロンがある中で、お客様が施術を受けるサロンを選ぶ際、エステティシャンの資格の有無が選択の決め手になるのです。
一般的に、資格を持つエステティシャンがいるサロンは、技術や知識が一定の水準を満たしていると考えられがちです。そのため、お客様はクオリティの高い施術が受けられそうだと感じ、安心して予約できるのです。
つまり、資格の有無はサロンの信頼性に直結しており、売上にも大きな影響を与える可能性があります。
フェイシャルエステサロンを開業する際、他のサロンとの差別化を図るためにも、資格を取得しておくことは非常に有利だと言えるでしょう。
技術力の向上が見込める
フェイシャルエステサロンを開業する際、資格を持つことで技術力の向上が期待できます。
資格取得の過程では、日々の業務だけでは学べない知識や技術を身につけることができます。それにより、提供できる施術の幅が広がったり、フェイシャルエステについての理解を深められたりします。
また、資格試験の内容は年々更新されるため、最新の技術について学ぶことができます。常に新しい知識や技術を取り入れることで、お客様により高い満足度を提供できるでしょう。
フェイシャルエステ開業に役立つ資格
そしてここでは、フェイシャルエステサロン開業に役立つ民間資格をご紹介します。
AJESTHE認定フェイシャルエステティシャン
AJESTHE認定フェイシャルエステティシャンは、一般社団法人 日本エステティック協会(AJESTHE)が認定している資格です。
衛生面、安全面を配慮でき、エステティックの基礎知識とフェイシャルケア・ボディケアサービスが適切に提供できるエステティシャンに与えられる資格です。
受験資格は「エステティックについて学び、またはエステティック関連業に従事する者」と、誰でも受験を受けることができます。ですが、資格を取得するには、筆記試験に合格した上で、日本ステティック協会の認定校または登録教室で所定のコースを修了しているか、800時間の実務経験を積んでいることが条件です。
受験方法は、パソコンを使ったオンライン制となっています。ご自分のパソコンを使用して受験するか、国にある連携しているテストセンターでコンピュータを利用して受験できる「CBT方式」から選ぶことができます。そのため、自分のパソコンを持っていない人でも挑戦できます。
AEA認定エステティシャン
AEA認定エステティシャンは、一般社団法人 日本エステティック業協会(AEA)が認定している資格です。
基礎知識と技術を持ち、禁忌や注意事項を理解し安全な技術提供ができるエステティシャンに与えられる資格です。
資格を取得するための条件として、以下のいずれかの項目を満たす必要があります。
- エステティックに関する実務経験(フェイシャルまたはボディ)が1年以上
- 認定校で300時間相当の履修
出願条件を満たし、エステティシャンセンターにて四肢択一の筆記試験を合格すると、合格証を発行することができます。
Beauty Therapy Diploma
Beauty Therapy Diplomaは、CIDESCO-NIPPON(シデスコニッポン)が認定している資格です。
この資格は、世界に通用するエステティックの知識と技術とサービス力を持っているエステティシャンに与えられる資格です。
資格を取得するための条件は、学生受験か一般受験かで条件が異なります。
- 学生受験
- CIDESCO国際認定校で1200時間以上のカリキュラムを受講
- 一般受験
- エステティックの基礎教育を600時間以上受けていること
- エステティックに関連して実務経験が2年以上
- 受験申込書類の審査に通過すること
一般受験の基礎教育に関しては、時間数は合算が可能です。理論についてはオンラインや通信教育も認められていますが、実技は対面での指導を受けた時間の数のみが有効とされています。また、企業の社内教育での時間は含まれませんので、注意が必要です。
この資格では試験を受ける前に、条件を満たしているかどうかの書類審査があります。審査が通り次第、筆記や実技のテストを受験することができます。
フェイシャルエステの資格について、詳しくは以下でも解説しています。
試験に合格するための方法は?
資格を取得するためには、試験に合格する必要があります。試験に合格するためには、さまざまな勉強法がありますので、ご自身に最適な勉強法を選択しましょう。
独学で頑張る
フェイシャルエステの資格試験に合格するには、独学での準備も一つの方法です。
多くの資格では、一定の業務経験があれば、独学での受験が認められています。独学のメリットは、時間の制約がないことです。仕事やその他の学業と並行して、自分のペースで学習を進めることができます。
しかし、独学での資格試験対策にはデメリットもあります。特に実技試験では、自分の施術の良し悪しを客観的に判断することが難しいです。試験結果は合否のみが通知されることが多く、不合格の場合、どこを改善すべきかがわかりにくいでしょう。
このデメリットを克服するには、自身の施術を撮影したり、知人に協力してもらってフィードバックをもらったりするのがおすすめです。客観的な評価をもらうことで、自分の課題を明確にすることができます。
専門学校に通う
フェイシャルエステの資格試験に合格するには、専門学校に通うのも一つの方法です。
専門学校は国から認可された教育機関であり、業界で活躍するために必要な知識や技術を学べるカリキュラムが用意されています。専門学校のメリットは、体系的な学習ができることです。プロの講師陣から直接指導を受けられるため、効率的に知識と技術を身につけられるでしょう。
一方で、専門学校にはデメリットもあります。授業の時間割が固定されているため、社会人にとっては通学のハードルが高いかもしれません。また、学費の負担も考慮する必要があるでしょう。
専門学校への通学は、メリットとデメリットをよく考慮した上で決めることが大切です。自分のライフスタイルや将来の目標に合っているかどうかを見極めましょう。
スクールに通う
フェイシャルエステの資格試験に合格するには、スクールに通うのも一つの方法です。
スクールのメリットは、自分のペースで学べることです。授業やレッスンが柔軟に設定されているため、仕事や家庭との両立がしやすいでしょう。また、社会人経験者が多く通っているのも特徴です。様々なバックグラウンドを持つ人たちと交流することで、視野を広げられる可能性があります。
ただし、スクールにはデメリットもあります。カリキュラムが体系的でない場合があるため、自主的に学習計画を立てる必要があるでしょう。また、スクールの質にはばらつきがあるため、慎重に選ぶ必要があります。
資格なしでもフェイシャルエステティシャンになれる
いかがでしたか?
需要がどんどん増えているフェイシャルエステティシャンは、資格や免許がなくてもなれる職種ですが、どのような施術をするかによっては免許や資格が必要になってきてしまうので、注意しましょう。
流行や技術はどんどんと変化していくので、良いエステティシャンであり続けるには学び続ける必要があります。
よりお客様に満足していただけるように、資格を取得して素敵なエステティシャンになってください。
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