エステサロンを経営されている方や、これから始めようと思っている方にとっては「初回荒らし」と呼ばれるお客様は避けては通れない問題です。割引価格の初回だけで再来店がないお客様のことですが、安くサービスを提供したのにそれ以上の売り上げが見込めないのはお店の経営にも関わります。ただ、一度でもお店に来てくれたお客様はリピーターになってくれる可能性もあるので、お店のチャンスでもあります。
この記事では、エステサロンの初回荒らしについて、具体的な対策やリピーターを増やすための効果的な方法を紹介します。
初回荒らしとはどのようなお客様？
初回荒らしとは、初回のクーポンなど割引が適用されるものを利用して通常料金よりも安くエステサロンで施術を受け、二度目の来店をしないお客様のことをいいます。
お客様からすれば出来るだけ安く利用したいという本音もあるでしょうし、エステサロンにとっては割引料金のお客様が次も来てくれないとなると利益が小さく悩ましいところです。
初回荒らしを減らすにはどうすればいい？
それでは、初回荒らしを減らすにはどうすれば良いのでしょうか。
安さだけを求めるお客様は一定数いるので初回荒らしを完全になくすのは難しいですが、お店側ができる対策を紹介したいと思います。
他店との差別化で売りをアピール
まず、お店がやるべきことは高いクオリティの施術を提供することです。エステの効果はお客様が最も期待して来店している部分だと思いますので、効果をしっかり感じられる施術は人気があるエステサロンに欠かせない要素です。
初回だけで大きな効果を実感できることはないと思うので、初めて来店したお客様にとっては、通えば効果が期待できると思ってもらえることが重要になります。
そのうえで、自身のお店が売りにしたいポイントをしっかりお客様にアピールすることが大切になります。他の店と比べて何が優れているのかをわかりやすくすることで、お客様は選びやすくなります。
数ある店の中に埋もれてしまわないように、他店との差別化をしっかりして、選ばれるお店を目指しましょう。
安さ重視の客層をターゲットから外す
初回だけで来なくなってしまうお客様が多い場合、初回の割引クーポンが安すぎる可能性があります。
新規のお客様に来店してもらいたいという気持ちからクーポンを利用しやすい安めの金額に設定した結果、安さ重視のお客様を多く集客してしまっている場合があります。
初回荒らしと呼ばれるお客様は、価格の安さが店を選ぶ決め手となります。初回荒らしを減らしたい場合は、初回割引の価格を見直すことも選択肢の一つです。
安さ重視の客層をターゲットとせずに、年齢や職業、ライフスタイルなどを考えてターゲットをしっかりと絞ったサロン作りが重要です。
初回の割引と通常料金の価格差を小さくする
初回割引の価格を見直すという点で、通常料金との差を小さくすることも対応策の一つです。
初回利用されるお客様の中で、継続利用も検討している方にとっては初回をお得に利用できるのは良いのですが、価格差が大きすぎると通常料金で契約しようとした時に迷ってしまうこともあると思います。
初回荒らしと呼ばれるお客様に関しては、通常料金との価格差が大きければ、より初回のお得感が増して一度だけの来店にしようという要因になってしまいます。
リピーターになる可能性があるお客様は、価格以外の部分も重視されるので初回の割引を大きくしすぎないことは初回荒らしを減らすのに効果があると思われます。
継続利用のメリットをしっかり説明する
もう一つ、初回荒らしを減らすための対策として、継続利用のメリットをしっかりと説明するということが挙げられます。
エステはもちろん一度だけの施術では大幅な効果は見られません。何度も通い、継続的な施術を受けることで体にも変化が見られるようになります。
来店したお客様が初回荒らしかどうかを見分けるのは難しいと思われますので、この継続利用の効果をしっかりと説明することが重要です。
初回荒らしには安く利用できる一方で、デメリットも多いです。初回荒らしを繰り返すと、毎回サロンに行くたびにカウンセリングを受ける時間がかかってしまい、時間の使い方の効率が良いとは言えません。また、脱毛サロンなど機械を使った施術をするサロンでは初回に肌に合うかどうかを確認するため、出力の強さを抑えるところもあり、効果を実感しにくいということもあります。
直接的にこういった説明をすることはできないですが、短期で施術をやめてしまうデメリットと継続利用で得られる効果を丁寧に伝えることで、初回だけにしようかなと思っていたお客様の気持ちを変えることができます。
初回荒らしを減らすためにやってはいけない対策
初回荒らしを減らしたいと思った時にやってはいけない対策、それは値下げです。
価格を下げて集客を増やして、その分リピーターになってもらいたいと考えるかもしれませんが、それでは根本的な解決にはなりません。逆に初回荒らしに近い、安さ重視の客層を取り込むことになってしまいます。
また、それまで通常料金で利用してくれていたリピーターのお客様にとっては、今までの価格との差からお店に対する不信感を生んでしまう可能性もあります。
価格を元に戻したいと思って値上げをすると、予想していなかった客離れが起こってしまうこともあります。商売では共通することですが、一度下げた価格を上げるのは難しいことです。
初回荒らしを減らすためには、値下げではなく、先ほど解説した対策を行いつつ、施術の技術やお店の雰囲気、接客、SNSでの集客の方法など、常に改善できる点はないか模索し続けることが大切です。
リピーターにつなげる効果的な方法
それでは、初回荒らしを減らしながら、リピーターを増やす方法はどのようなものがあるでしょうか。効果的な方法をいくつか紹介したいと思います。
カウンセリングは丁寧に
まず、お客様がお店を選ぶプロセスを考えます。
- 受けたい施術を決める。
- 行くお店のエリアを決める。
- 初回クーポンの中から安いお店を選ぶ。
初回荒らしと呼ばれるお客様が重視するのはクーポンです。そのため、初回荒らしを減らすためにはクーポン以外の要素を大事にしたいのですが、お店の場所は決まっているのでエリアは変えることができません。つまり、お客様が最初に決める可能性が高い施術の部分が結局は最も大事ということになります。
施術の技術や最新の機器を導入することも必要ですが、リピーターを増やすためにはカウンセリングが重要になります。
お客様は誰でも何かしらの悩みや変えたい部分をもってエステサロンに来ます。初めて来店したお店では緊張もあって、うまくその悩みを話せないお客様もいると思います。そういったお客様でも話しやすいようなカウンセリングはリピーターを増やすうえで欠かせません。
従業員のエステティシャンを雇用している場合は、どのエステティシャンも同じようなカウンセリング対応ができるよう、教育やトレーニングすることも大事になります。
施術、お店の雰囲気、エステティシャンのカウンセリングを含めた接客など、体感されたお客様がまた来たいと思うような店作りが大切です。
適切な価格設定を意識する
初回割引と通常料金の差を大きくしすぎないという点を先に述べましたが、適切な価格設定について説明したいと思います。
例えば通常料金が10000円のコースを、初回割引で5000円に設定したとします。
この価格で初回だけのお客様ばかりでリピーターがつかなければ、半額の5000円でサービスを提供し続けることになってしまいます。
人件費や消耗品など、決まってかかる経費は変わらないので、利益がほとんど出ない状態でお店を運営することになります。これではお店の経営も危うくなりかねません。
初回割引を通常料金よりも大幅に低く設定することは、初めてのお客様にとっては来店のきっかけにはなりますが、初回荒らしと呼ばれるお客様にも魅力となってしまうのです。
一方で、通常料金が10000円のコースを、初回割引で8000円に設定したとします。
この場合、お得感は減ってしまいますが、この価格で来店するお客様は価格よりも施術の内容や店の雰囲気に比重を置いて選んでいる可能性が高いです。その結果、リピーターになってくれる可能性も高まります。
お客様がリピーターになって通常料金の10000円で利用してくれれば、半額の初回クーポン5000円を出した場合のお客様2人分の売り上げになります。そして、かかる人件費や消耗品は1人分です。新規顧客の獲得も大事ですが、いかにリピーターになってもらうかが大切です。
このような見込みを立てると、リピーターになってくれる可能性が高いお客様を意識した価格設定の重要性がわかると思います。
まとめ
いかがでしたか？
初回荒らしと呼ばれるお客様は一定数いますが、必ずしも悪いというわけではなく、リピーターになる可能性があるお客様とも言えます。
お店側が施術の技術や雰囲気を見直すことで、お客様がまた通いたいと思うようなエステサロンを作ってください。
この記事がエステサロンを経営される方の手助けになれば幸いです。
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