特定な資格は必要がないため昨今人気なエステサロンの開業。人気の開業場所の一つとして、マンションでの開業が挙げられます。マンションで開業することで、開業費用が抑えられたり、プライベートな空間でサービスを提供できたりとメリットがある一方、マンションならではの開業の際の注意点もあります。
そこで今回は、エステサロンのマンションでの開業について詳しく開設します。
マンションでエステサロンは開業できる?
エステサロンを開業する際、テナントに加えてマンションも選択肢の一つになります。
自宅のマンションを一部改装して開業する方法や、賃貸マンションの一室を借りて開業する方法があります。マンションでは、リビング程度の広さや一室のような比較的小さなスペースで施術を行うため、プライベート感のある個室でのサービス提供がメリットとなります。
商業施設やビルの一角、幹線道路沿いのテナント物件とは、規模や雰囲気が異なります。自身のサロンのコンセプトや目指すサービスに合った場所を選ぶことが重要です。
マンションでエステサロンを開業するメリット
マンションでエステサロンを開業するのは、どのようなメリットがあるのでしょうか。主な4つの項目について解説します。
開業資金が安く抑えられる
まず、マンションでのエステサロンは開業資金が比較的安く抑えられるメリットがあります。
例えば、テナントで開業の場合、物件を借りる際の保証金として家賃の3〜10ヵ月分ほど必要なケースが多いですが、賃貸物件を借りる場合は、敷金と礼金がそれぞれ家賃の1〜2ヵ月分必要となることが多いです。そのため、物件を借りる際の費用を安く済ませることができます。
また、内装工事についても小規模で済みます。テナントを借りる場合は物件の広さや状態にもよりますが、電気や配水の工事が必要になることが多く、相応の費用を用意しなければなりません。しかし、マンションは水回りの設備が一通り整っているので、エステサロンのために配水工事を新たにするということも少ないでしょう。そのため、改装や内装の費用も抑えることができます。
綺麗で静かな空間を提供できる
マンションのエステサロンは静かできれいな空間でサービスを提供できるのもメリットです。
商業施設やビルのテナントだと、周囲の音や匂いが気になるケースもありますが、管理が行き届いたマンションであればそういった心配もありません。
物件の築年数が経っているマンションでも、内装のリフォームをしっかりすれば、新築同様のきれいな空間を作ることができます。また、大型のマンションでは鉄筋コンクリートなどの造りで防音効果が高いものもあります。
そのような物件を選べば、エステティシャンもお客様も静かな空間でエステの施術に集中することができます。
プライベートな空間で施術できる
マンションの一室を使ったエステサロンでは、個室のプライベートな空間でサービスを提供できるのもメリットです。
マンションは主にワンルームタイプとファミリータイプに分けられますが、どちらの場合もエステサロンで利用する場合は個室で施術をすることになります。
お客様によっては、お店で他のお客様となるべく顔を合わせたくない方もいます。マンションのエステサロンでは、予約時間はお客様ひとりというような完全プライベートの形態をとることもできます。
エステティシャンの人数も少ないので、周りの人を気にすることなく、お客様が施術に集中できます。
柔軟な営業形態が可能
マンションのエステサロンでは、柔軟な営業形態が可能です。
お客様の要望に合わせて1対1の完全プライベートのエステにすることもできますし、深夜しかお客様の時間が取れない場合もそれに合わせることができます。
また、個人や少人数で営業する場合は予約が入っていない時間は店を閉めて、プライベートの時間にあてることもできます。マンションのドアの鍵をかければ良いのでセキュリティ面の管理も容易にできます。
マンションでエステサロンを開業する際の注意点
マンションでエステサロンを開業する際、メリットがある反面、いくつか注意点があるので説明します。
商業利用可能な物件が少ない
マンションは基本的には住居用のため、商業利用できる物件が少ないです。
マンションの契約が住居専用になっている場合は、エステサロンを開業することができません。自宅の一部を使いたいと思った場合も、当初の契約が住居専用だと開業は難しいので管理会社に確認が必要です。
マンションの中にはSOHO(Small Office Home Office)、ソーホーというように事業利用可能であることを明記して借主を募集している物件もあるので、賃貸契約をする場合はそうした条件を不動産屋に伝えて探すのがおすすめです。
近隣トラブル
マンションでエステサロンを開く場合、近隣とのトラブルには気をつけなければいけません。
ドアの開閉や足音など、人が出す音でクレームがくるケースがあります。また、エステサロンではBGMを利用することもありますが、音量が大きすぎると近隣とのトラブルの原因になりかねません。
お客様とはいえ、エステサロンには不特定多数の方が出入りすることになるので、音や匂い、ゴミのような部分での近隣トラブルは起きないよう注意しましょう。
集客が難しい
マンションでのエステサロンは集客で苦労する可能性もあります。
例えば、店の場所がわかりにくいという場合があります。そういった時にもテナントと異なりマンションの入り口に看板を出すことが難しいです。周辺の貸し看板に広告を出すか、SNSの活用など違った方法でアピールしなければなりません。
マンションでの開業は個室のプライベート空間が売りですが、1日に対応できるお客様の数も限られます。そのため、受け入れられるお客様の人数を加味しながら集客を行うことが大切です。
メニューが高額になりがち
マンションでエステサロンを開業する場合、プライベート感のある個室での施術が魅力ですが、一方で1日に対応できるお客様の数に限りがあるため、メニューの価格が高めに設定されがちです。
しかし、価格があまりに高額だと、お客様が離れてしまう可能性があります。適切な価格設定のために、周辺の競合店の価格帯を調査することが重要です。
自店の強みや特徴を活かしつつ、お客様に受け入れられる価格帯を見極めましょう。高すぎず、安すぎない、バランスの取れた価格設定が求められます。
また、高額メニューと並行して、手頃な価格のメニューを用意するなど、幅広い層のお客様に対応できる工夫も必要でしょう。
マンションでエステサロン開業を成功させるためには
マンションでのエステサロン経営を成功させるために、事前に気をつけたい点をいくつか説明します。
開業時は管理会社に確認する
開業時には必ず管理会社にエステサロンとして開業することを相談しましょう。
契約内容を確認すると共に、管理会社に聞けば開業に必要なことを知ることができます。また、開業前にしっかりと確認することで、後々管理会社や近隣住民とのトラブルを避けることができます。
特に確認すべき事項として、物件が商業可能であるかや、内装などの変更についてです。以下で詳しく開設します。
商業可能な物件か
マンションでエステサロンを開業するためには事業利用可能であることが前提です。
勝手に開業してしまうと契約違反となる可能性があるので注意してください。住居専用のマンションでは他の部屋も基本的には住居専用の契約であることが多いので、その中でエステサロンを開くとトラブルの原因にもなります。
事業利用するためには消火や防火設備など消防法も関わってきます。住居用のマンションとは異なる部分があるので、エステサロンを開業するためには設備や法律の基準をクリアしているか確認しましょう。
内装を勝手に変更しない
マンションをエステサロンの開業のために改装する際も、勝手に内装を変えないようにしましょう。事前に管理会社に確認をした方が良いです。
契約で内装の変更が禁止されているケースもあります。無断で変更すると賃貸借契約違反となり、原状回復のために退去時に相応の費用が敷金から引かれます。
壁紙を変えるといった外見が変わるような改装は、工事前にしっかりと管理会社に確認しましょう。分譲マンションで部屋を購入している場合も、念の為確認するのがおすすめです。
住居用で開業してしまった場合
マンションでエステサロンを開業する場合、契約が住居専用だとサロンの営業に使うことができません。
住居用で契約しているのに無断で開業、営業すると用法違反や目的外使用で賃貸借契約違反となってしまいます。契約違反があると貸主からの契約解除を申し立てられる可能性があります。
契約違反の結果、退去しなければならなくなる可能性もあるので注意してください。
近隣住民への配慮を忘れない
マンションでエステサロンを開業する際は、近隣住民への配慮を十分にしましょう。
隣の部屋が事業ではなく、住居として使用しているケースも多いです。音や匂いはトラブルの原因になりがちなので、お互いに気をつかいたい部分です。
また、無断駐車もトラブルの原因となります。例として、お客様がマンションの住民の駐車場に車をとめてしまうケースがあります。そのようなことがないように、お店で契約した駐車場所をしっかり伝えることや、近くのコインパークをわかりやすく案内するなど、対策をしっかりと行いましょう。
集客方法を工夫する
マンションでのエステサロンを成功させるためには、集客方法の工夫が欠かせません。お客様を効果的に集めるために大切なことを説明します。
コンセプトを明確に
マンションのエステサロンを開業する際は、コンセプトを明確にしましょう。
マンションでは比較的小さなスペースで施術をするので、個室のプライベート感や隠れ家感を売りにするなど、お客様にアピールしやすい要素もあります。
エステの技術についても、自身の店の何が強みなのかが、はっきりわかるようにしましょう。
マンションのエステサロンは内装など店内の雰囲気にもこだわれる部分が多いので、リゾート感や自分の好きな国など、コンセプトに合わせてイメージできる作りにすることもできます。
ターゲットにあった集客方法を
エステサロンをマンションで開業する際には、ターゲットに合った集客方法を考えましょう。
チラシやウェブ広告、SNSなど様々な手法がありますが、ターゲットによって効果的な広告も変わってきます。
例えば、サロンの近くのお客様にアピールしたい場合はチラシやポスティングが集客におすすめです。一方で、ウェブ広告はエリアを絞らず広く店のことを広めたい時に選択肢となります。
若い年齢層をターゲットとする場合は、インスタグラムなどのSNSを利用した集客は必須と言えます。
予約システムを整える
マンションでエステサロンを開業する場合、予約システムを整えることも成功させるためには大切です。
予約システムを導入することで、24時間予約を受け付けられるようになり、お客様が予約したいと思ったらすぐに予約ができます。さらに、サロン側で予約や顧客情報を管理する手間を省くことができます。
お客様の利便性などを加味して、店のホームページやSNSと連携できるものや、スマートフォンで予約できるものなどがおすすめです。
サロンにおすすめな予約システムは以下の記事でも紹介しています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
マンションでエステサロンを開業する際のメリットや注意点を説明しました。静かでプライベートな空間で、お客様もエステティシャンも施術に集中できるのはマンションのサロンのメリットです。
一方でマンションでエステサロンの営業ができるか、契約内容には気をつけてください。
この記事がマンションでエステサロンを開業される方の一助になれば幸いです。
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