美容室開業の全手順ガイド│費用・資格・失敗しないための「準備の教科書」

美容室開業の全手順ガイド│費用・資格・失敗しないための「準備の教科書」 業種別

「いつかは自分だけのサロンを持ちたい」「お客様にもっと寄り添ったサービスを提供したい」

美容師として経験を積んでこられたあなたなら、一度はそんな夢を描いたことがあるのではないでしょうか。

自分の城を持つことは素晴らしいことです。

しかし同時に、「本当に経営していけるだろうか?」「莫大な借金を抱えて失敗したらどうしよう…」という不安も尽きないはずです。

実際、美容室の廃業率は決して低くはありません。技術が一流でも、経営の準備が不足していれば生き残れないのが現実です。

この記事では、数多くのサロン開業を支援してきた視点から、物件探し、資金調達、役所への届出、そして集客まで、美容室開業に必要な「全て」を網羅しました。

あなたが迷わず、最短ルートで理想のサロンをオープンできるよう、足元を照らすガイドブックとして活用してください。

目次

美容室開業のリアルと「成功するオーナー」のマインドセット

美容室開業のリアルと「成功するオーナー」のマインドセット

開業準備を始める前に、まずは美容業界の現状と、経営者として持つべき心構えについてお話しさせてください。

ここを理解しているかどうかが、5年後、10年後に笑っていられるかの分かれ道になります。

「技術者」から「経営者」へ。思考の切り替えができていますか?

「技術者」から「経営者」へ。思考の切り替えができていますか?

今まであなたは、お客様の髪を美しくすることに全力を注ぐ「プレイヤー」でした。

しかし、独立した瞬間から、あなたは「経営者」になります。

経営者の仕事は、カットすることではありません。「利益を出し続ける仕組みを作ること」です。

「良い技術を提供していれば、お客様は自然と集まるはず」。

これは美しい理想ですが、残念ながら現実のビジネスでは通用しません。

どんなに腕が良くても、知られなければ存在しないのと同じです。

また、家賃や材料費、税金の知識がなければ、売上はあっても手元にお金が残らない「黒字倒産」に陥ることもあります。

これからの準備期間は、ハサミを置いている時間を使って、数字やマーケティングと向き合う覚悟が必要です。

少し厳しいことを言いましたが、この「視点の切り替え」こそが、成功への第一歩なのです。

あなたはどれを選ぶ?「3つの開業スタイル」メリット・デメリット比較

一昔前までは、「テナントを借りてスタッフを雇う」のが一般的でしたが、現在はライフスタイルに合わせて多様な開業形態が選べます。

それぞれの特徴を理解し、自分に合うスタイルを選びましょう。

1. テナント開業(スタッフ雇用型)

一般的な美容室のスタイルです。

メリット集客力が高い、スタッフを雇用して売上の天井を上げられる、ブランドを作りやすい。
デメリット初期費用が高い(1000万円〜)、固定費(家賃・人件費)のリスクが高い、マネジメント能力が必要。

2. 1人美容室(プライベートサロン・テナント)

小さな物件を借りて、オーナー1人で運営するスタイルです。

メリット自分のペースで働ける、人間関係の悩みがない、高単価メニューを提供しやすい、お客様と濃い関係が築ける。
デメリット自分が倒れたら売上がゼロになる、予約枠に限界がある(売上の天井がある)。

3. 自宅サロン開業

自宅の一室や、離れを改装して開業するスタイルです。

メリット家賃がかからない(圧倒的な低リスク)、通勤時間ゼロ、家事・育児と両立しやすい。
デメリット生活感が出やすい、立地が悪いと集客が困難、保健所の構造基準(居住スペースとの分離など)をクリアするハードルが高い、住所を公開するリスクがある。

「とにかく低リスクで始めたい」なら自宅サロン、「独立した空間で世界観を作りたい」なら1人テナント、「組織を作って大きくしたい」なら雇用型。

周りの常識に流されず、まずは「自分にとっての幸せな働き方はどれか?」を言語化することから始めましょう。

開業までのロードマップ(標準的には6ヶ月〜1年)

思い立ってすぐにオープンできるわけではありません。

一般的には、以下のようなスケジュールで進みます。

  • 構想・計画(12ヶ月前〜): コンセプト決定、自己資金の貯蓄
  • 事業計画・物件探し(6ヶ月前〜): 物件契約、事業計画書作成、融資申し込み
  • 内装・設備(3ヶ月前〜): 内装工事、機材発注
  • 届出・集客準備(1ヶ月前〜): 保健所検査、HP作成、予約システム導入

オープン

特に「物件探し」と「融資」は、相手があることなので思い通りに進まないことが多いです。

焦って妥協した物件で契約してしまうと、その後の挽回は困難です。

余裕を持ったスケジュールを組むことが、失敗を防ぐ最大の防御策です。

誰に、どんな価値を届ける?「コンセプト」の作り方

誰に、どんな価値を届ける?「コンセプト」の作り方

「おしゃれな内装で、リラックスできるサロンにしたい」。

これはコンセプトではありません。ただの「願望」です。

コンセプトとは、「誰の、どんな悩みを、どうやって解決するサロンなのか」を定義することです。

これがブレていると、物件も決まらず、融資も通らず、集客もできません。

「ターゲット」を絞り込む勇気を持つ

「20代から60代まで、男女問わず来てほしい」。

そう思う気持ちは分かりますが、全ての人に好かれようとするサロンは、誰にも刺さりません。

  • 「30代後半、仕事と育児で忙しいが、髪質改善で艶を取り戻したい女性」
  • 「40代男性、薄毛が気になり始めたが、美容室は恥ずかしいと感じている経営者」

ここまで具体的に絞り込むことで初めて、「どんな内装が必要か(個室か、オープンスペースか)」「どんなメニューが必要か(時短か、高単価ケアか)」「どこに出店すべきか(住宅街か、オフィス街か)」が決まってきます。

ターゲットを絞ることは、客数を減らすことではありません。

「あなたのお店じゃなきゃダメだ」という熱狂的なファンを作るための戦略なのです。

「ウリ(USP)」を明確にする

競合店がひしめくエリアで、なぜお客様はあなたのサロンを選ぶのでしょうか?

「カットが上手い」は当たり前です。

それ以外の独自の強み(USP:Unique Selling Proposition)が必要です。

特化型「ショートカット専門」「白髪ぼかしハイライト専門」など、特定の技術に特化する。
空間・体験「完全個室で映画が見られる」「深夜24時まで営業している」。
悩み解決「くせ毛の悩みをカットだけで解決する」「頭皮ケアに特化している」。

この「ウリ」が、後に行う集客活動での強力な武器になります。

「何でもできます」ではなく、「〇〇なら任せてください」と言い切れる強みを見つけてください。

店名(サロン名)とロゴに魂を込める

店名は、サロンの顔であり、一生付き合っていくものです。

「覚えやすさ」「読みやすさ」「検索しやすさ」はもちろんですが、コンセプトが伝わる名前かどうかが重要です。

フランス語やイタリア語のおしゃれな名前も素敵ですが、読めなければ覚えてもらえませんし、ネット検索もしてもらえません。

また、ロゴは看板や名刺、Webサイトで繰り返し使われます。

プロのデザイナーに依頼して、コンセプトを視覚的に伝えるロゴを作成することをおすすめします。

これは初期投資として決して無駄にはなりません。

一番大事な「お金」の話。開業資金の相場と調達方法

一番大事な「お金」の話。開業資金の相場と調達方法

夢を現実にするためには、避けて通れないのがお金の話です。

「いくら必要なのか?」「どうやって集めるのか?」を具体的に見ていきましょう。

美容室開業にかかる費用の相場(1,000万〜1,500万円?)

一般的に、テナントを借りて15坪〜20坪(セット面3〜4席)の美容室を開業する場合、1,000万円〜1,500万円程度が必要と言われています。

その内訳は大きく分けて3つです。

物件取得費(150万〜300万)

敷金、礼金、保証金、仲介手数料など。家賃の10ヶ月分程度が目安です。

内装工事費・設備費(500万〜800万)

床、壁、水回り、シャンプー台、促進機など。

ここが最もお金がかかります。

坪単価30万〜50万円が目安ですが、こだわりすぎると青天井になります。

運転資金・広告費(200万〜400万)

材料費、広告宣伝費、オープン後の家賃・人件費(半年分程度)。

オープン初月から黒字になることは稀です。

売上がなくても半年は生き残れる現金を残しておく必要があります。

もちろん、1人サロンや居抜き物件を活用すれば、500万円以下で開業することも可能です。

自分の身の丈に合った、無理のない資金計画を立てることが重要です。

自己資金はいくら必要? 融資を受けるための条件

1,000万円をすべて自分の貯金で賄える人は稀でしょう。

多くの場合、日本政策金融公庫などの金融機関から融資を受けることになります。

融資を受けるために必要な自己資金の目安は、「総事業費の1/10〜1/3」です。

1,000万円で開業したいなら、最低でも100万〜300万円の貯金が必要です。

ここで重要なのは、「親から借りたお金」や「タンス預金」は自己資金として認められにくい(見せ金と疑われる)という点です。

「通帳に毎月コツコツと貯金してきた履歴」が、あなたの信用力(計画性・本気度)の証明になります。

開業を目指すなら、今すぐ毎月の積立貯金を始めましょう。

事業計画書(創業計画書)が融資の合否を決める

銀行は、「あなたの夢」にはお金を貸してくれません。

「このビジネスなら確実に返済できる」という「根拠」に対してお金を貸します。

その根拠を示す書類が「事業計画書」です。

  • 売上予測: 客単価 × 客数 × 営業日数。根拠のない希望的観測ではなく、「近隣の人口」「通行量」「競合店の状況」などに基づいた現実的な数字が必要です。
  • 経費予測: 家賃、材料費(売上の10%程度)、水道光熱費、広告費、そして自分の生活費。
  • 返済計画: 毎月の利益から、借入金を無理なく返済できるか。

この事業計画書を作る過程こそが、経営者としての最初の仕事です。

書き方が分からない場合は、商工会議所や税理士、開業支援を行っているディーラーに相談するのも一つの手です。

物件選びの鉄則。テナントと「自宅開業」の厳しい現実

物件選びの鉄則。テナントと「自宅開業」の厳しい現実

「良い物件との出会いは運」とよく言われますが、運を引き寄せるのは「準備」と「判断基準」です。

ここでは、テナント選びのポイントに加え、「自宅で開業する場合」に絶対にクリアしなければならないハードルについても解説します。

ターゲット顧客に合った「立地」を選ぶ

先ほどご紹介した「コンセプト」と「ターゲット」を思い出してください。

  1. OL・ビジネスマン向け: 駅近、オフィス街、平日夜の人通りが多い場所。
  2. 主婦・ファミリー層向け: 住宅街、スーパーの近く、駐輪場や駐車場がある場所。
  3. 隠れ家サロン: あえて駅から離れた静かな場所(ただし、Web集客力が必須)。

「家賃が安いから」という理由だけで、ターゲットのいない場所に店を出すのはとても危険です。

候補地が見つかったら、平日と休日、昼と夜、雨の日など、時間を変えて何度も足を運び、「実際にターゲットとなる人が歩いているか?」を自分の目で確かめてください。

初期費用を抑えるなら「居抜き」、こだわり抜くなら「スケルトン」

テナント物件の状態には大きく2種類あります。

居抜き物件

前の美容室の内装や設備が残っている状態。

メリット内装工事費を大幅に(数百万円単位で)節約できる。
デメリットレイアウトの自由度が低い。設備が古い可能性がある。

スケルトン物件

コンクリート打ちっぱなしの状態。

メリットゼロから自由に設計できる。
デメリット工事費が高い。工期が長い。

初めての開業で資金に余裕がない場合は、状態の良い「居抜き物件」を探すのが賢明な戦略です。

【要注意】自宅サロン開業の「物件・構造」ハードル

「家賃がかからないから自宅でやろう」と安易に考えるのは危険です。

自宅で美容室を開業するには、保健所の厳しい基準をクリアする必要があります。

特に以下の3点は契約・改装前に必ず確認してください。

賃貸物件の場合、営業許可が出ないことが多い

マンションやアパートは「居住専用」の契約になっていることが多く、サロンとしての利用(不特定多数の出入り)が禁止されているケースがほとんどです。

大家さんや管理会社の許可が取れないまま開業すると、退去を命じられます。

「居住スペース」と「作業場」の完全分離

保健所の規定により、生活空間(リビングやキッチン)と、サロン空間は「壁や固定の扉」で完全に仕切られている必要があります。

「カーテンで仕切っただけ」や「リビングを通らないとトイレに行けない」といった構造では、営業許可が下りない可能性が高いです。

水回り・電気容量の問題

家庭用の給湯器では、シャンプー台のお湯の勢いや温度が安定しないことがあります。

また、ドライヤーや美容器具を使うための電気容量が足りず、工事が必要になるケースもあります。

契約前に必ず確認!「美容室として使えるか?」

テナントであれ自宅であれ、契約してから「工事できない」「営業許可が下りない」となっては手遅れです。

必ず内装業者やディーラーに同行してもらい、プロの目で現地調査を行ってから契約してください。

自宅開業を目指す場合は、内装工事を始める前に、必ず管轄の保健所に図面を持参して「事前相談」を行ってください。

「工事したのに許可が降りない」という最悪の事態を防ぐためです。

理想の空間を作る内装工事と業者選びのポイント

理想の空間を作る内装工事と業者選びのポイント

物件が決まったら、いよいよ内装工事です。

ここはオーナーのこだわりが爆発する楽しい時間ですが、予算オーバーになりやすい危険な工程でもあります。

「動線」を第一に考える。デザインはその後

おしゃれな内装も大切ですが、最も重要なのは「働きやすさ」と「お客様の居心地」です。

  • スタッフの動線: シャンプー台からセット面への移動はスムーズか? カラー剤を作るバックルームへのアクセスは? 無駄な動きが多いと、スタッフは疲弊し、サービスの質が落ちます。
  • お客様の動線: 入店から受付、ロッカー、施術、トイレ、会計までの流れにストレスがないか?

図面上で、実際に人が動くシミュレーションを何度も行ってください。

特に「コンセントの位置(数)」と「収納スペース」は、後から増やすのが大変なので、多めに確保しておくのが鉄則です。

相見積もりは必須!「美容室専門」の業者を選ぶ

内装業者には、それぞれ得意分野があります。

「飲食店が得意な業者」や「オフィスが得意な業者」に頼むと、シャンプー台の配管勾配や、ドライヤーの電気容量、保健所の基準といった「美容室特有の要件」を理解しておらず、トラブルになることがあります。

必ず「美容室の施工実績が豊富な業者」を3社ほど選び、相見積もりを取りましょう。

「一番安い業者」が良いとは限りません。

こちらの意図を汲み取り、プロとして提案してくれる業者をパートナーに選んでください。

予算オーバー時の「減額調整(VE)」のコツ

見積もりが出ると、たいてい予算をオーバーしています。

ここからが腕の見せ所です。

  • 素材を変える: 本物の木や石ではなく、見た目がそっくりな「塩ビタイル」や「クロス」に変える。
  • 既製品を使う: 受付カウンターや棚をオーダーメイド(造作)せず、IKEAやニトリなどの既製品をうまく活用する。
  • DIYする: 壁の塗装や、棚の取り付けなど、自分でできることは自分でやる。

「お客様が直接触れる部分(椅子、シャンプー台)」にはお金をかけ、「遠目で見る部分(壁、天井)」はコストを抑える。このメリハリが、低予算でも高見えするサロンを作るコツです。

忘れてはいけない「資格」と「届出」完全リスト

忘れてはいけない「資格」と「届出」完全リスト

お店ができても、許可がなければ営業できません。

美容室開業には、法律で定められた厳格なルールがあります。

必須資格1:美容師免許と「管理美容師」

当然ですが、施術を行うスタッフは美容師免許が必要です。

さらに、美容師が2名以上勤務するサロンの場合、そのうち1名は「管理美容師」の資格を持っていなければなりません。

管理美容師になるには、美容師免許取得後3年以上の実務経験と、講習会の受講が必要です。

もしあなたが1人サロンで始めるなら不要ですが、将来スタッフを雇う予定があるなら、早めに取得しておきましょう。

必須資格2:保健所への「開設届」と立ち入り検査

美容室をオープンするには、管轄の保健所に「開設届」を提出し、構造設備の検査(立ち入り検査)を受けて合格しなければなりません。

  • タイミング: オープンの1週間〜10日前までに検査を受ける必要があります。工事完了直後に検査ができるよう、事前相談(図面チェック)は工事着工前に行っておきましょう。
  • チェック項目: 床の素材(不浸透性材料か)、照明の明るさ、換気設備、消毒設備、作業室と待合室の区分けなど。

検査に合格すると「確認書」が発行され、これをもって晴れて営業開始となります。

必須届出3:税務署への「開業届」と「青色申告承認申請書」

個人事業主として独立する場合、税務署への手続きも忘れずに行いましょう。

  • 開業届: 「事業を始めました」という宣言。オープンから1ヶ月以内に提出。
  • 青色申告承認申請書: 確定申告で最大65万円の控除を受けるための申請。開業から2ヶ月以内に提出。

これを出さないと、初年度の赤字を繰り越せなかったり、税金が高くなったりと、金銭的に大きな損をします。

今は「freee開業」などの無料ツールを使えば、スマホで5分で作成・提出が可能です。

後回しにせず、オープン前後の隙間時間にサクッと済ませてしまいましょう。

オープン初日から予約で埋める!「集客」の鉄板戦略

「お店を開ければ、近所の人が来てくれるだろう」。

残念ながら、現代においてその考えは甘すぎます。

待っているだけでは誰も来ません。

オープン初日からロケットスタートを切るために、オンラインとオフラインの両面から攻める必要があります。

ホットペッパービューティーは「やるべき」か?

hotpepper

美容室集客において、避けて通れないのが「ホットペッパービューティー(HPB)」などの集客ポータルサイトです。

メリット圧倒的なユーザー数。掲載すれば即効性があり、新規客を呼び込みやすい。
デメリット掲載費が高い(月数万〜数十万円)。価格競争に巻き込まれやすい。
「クーポン目当て」の定着しない客層が多い。

【結論】

資金に余裕があるなら、オープン当初の数ヶ月〜半年だけ上位プランで掲載し、認知を一気に広めるのは有効な戦略です。

ただし、「HPBに頼り切り」になるのは危険です。

HPBで集めた新規客を、2回目以降はいかに「自社予約(LINEや公式サイト)」へ誘導し、掲載費をかけずにリピートさせるか。

この「脱・ポータル依存」の出口戦略を最初から描いておくことが重要です。

ポータルサイト依存から脱却するためには、サロンの魅力を十分に伝えられる「自社ホームページ」を持つことが重要です。

美容室のおしゃれなHPを、専門知識なしで作成できるサービスについては、以下の記事で紹介しています。

インスタグラム(SNS)は「世界観」を売るカタログ

インスタグラム(SNS)は「世界観」を売るカタログ

今の時代、お客様は美容室を「ハッシュタグ」で探します。

「#地域名美容室」「#ショートカット」「#髪質改善」などで検索し、写真を見て「自分の好きな雰囲気か」を判断します。

  1. 発信内容: ヘアスタイル写真だけでなく、あなたの「人柄」や「サロンの想い」、そして「お客様のビフォーアフター」を発信してください。
  2. 導線: プロフィール欄には必ず「予約リンク(LINEや予約システム)」を貼りましょう。「いいな」と思った瞬間に予約できる環境がないと、お客様は離脱します。

あわせて読みたい: LINEで無料の予約システムを!設定方法と連携できるおすすめツール6選を徹底比較

MEO対策(Googleマップ)で「近隣住民」を捕まえる

MEO対策(Googleマップ)で「近隣住民」を捕まえる

「近くの美容室」と検索した時、Googleマップにあなたのお店が表示されるようにする対策(MEO)は、無料でできて効果絶大です。

「Googleビジネスプロフィール」に登録し、営業時間や写真を充実させましょう。

オープン後は、お客様に「口コミ」を書いてもらうようお願いするのも大切です。

地域密着型のサロンにとって、地図検索からの流入は最強の集客経路です。

ここで紹介した以外にも、チラシ、ブログ、紹介カードなど、美容室が取り組むべき集客手法はたくさんあります。

「広告費ゼロ」から始められるWeb集客の仕組み作りについては、以下の記事を参考にしてください。

利益率を最大化する「予約システム」の選び方

電話予約や、ホットペッパーの予約管理画面だけに頼っていませんか?

実は、「自社専用の予約システム」を持つことこそが、利益率を高める鍵なのです。

なぜ「自社予約システム」が必要なのか?

  • 手数料が「0円」になる: ポータルサイト経由の予約には送客手数料がかかる場合がありますが、自社システム経由なら無料です。
  • 24時間365日受付: 施術中や定休日でも、機会損失なく予約を受け付けられます。
  • 顧客リストが「資産」になる: ポータルサイトではお客様のメールアドレスなどが取得できない場合がありますが、自社システムならデータを完全に自社で管理できます。

美容室の規模(店舗型か、1人サロンか)によって、最適な予約システムは異なります。

「ホットペッパー連携」や「POSレジ機能」など、美容室に必要な機能を持ったシステムの選び方については、以下の記事で詳しく比較しています。

個人サロン・小規模サロンに最適なシステムの条件

freee予約(旧tol)

大規模店向けの複雑なPOSレジシステム(月額数万円)は、開業初期にはオーバースペックです。

  • 初期費用・月額費用が安い(または無料)
  • スマホだけで管理できる
  • LINEと連携できる
  • 事前決済(無断キャンセル防止)機能がある

これらの条件を満たすシステムを選びましょう。

特に「freee予約(旧tol)」のような、アプリ完結型で無料で始められるシステムは、固定費を抑えたい開業時の強い味方です。

いよいよオープン!直前1ヶ月の「やることリスト」

物件も内装も決まり、集客準備も整った。

あとはオープンを待つだけ……ではありません。

最後の仕上げが肝心です。

メニューと価格の最終決定

「安くしすぎない」ことが鉄則です。

自信のなさから安価な設定にしがちですが、一度下げた価格を後から上げるのは困難です。

「安さ」で来るお客様は、「安さ」で他店へ去っていきます。

あなたの技術と空間にふさわしい、「利益がしっかり出る適正価格」を設定し、その価値を伝える努力をしましょう。

プレオープン(模擬営業)を行う

いきなり本番を迎えるのは危険です。

オープン1週間前くらいに、友人や家族を招いて「プレオープン」を行いましょう。

  • 予約から来店、施術、会計までの流れはスムーズか?
  • シャワーの水圧や温度調節に問題はないか?
  • クレジットカード決済端末は正常に動くか?

トラブルを出し尽くし、オペレーションを修正してから本番に臨んでください。

近隣への挨拶回り

向こう三軒両隣には、必ず挨拶に行きましょう。

工事中の騒音などで迷惑をかけたお詫びと、感謝を伝えます。

近隣の方々は、将来のお客様になる可能性が高いだけでなく、地域の口コミを広げてくれるキーパーソンでもあります。

また、会計をスムーズに行うためには、予約システムと連動した「POSレジ」の導入がおすすめです。

iPadを使って場所を取らずに設置できる、美容室向けのPOSレジアプリについては、以下の記事をご覧ください。

まとめ│美容室開業はゴールではない。「愛されるサロン」へのスタートライン

まとめ│美容室開業はゴールではない。「愛されるサロン」へのスタートライン

ここまで、美容室開業に必要な準備を、資金、物件、手続き、集客という側面から解説してきました。

やることがあまりに多くて、圧倒されてしまったかもしれません。

しかし、焦る必要はありません。

成功しているオーナーも、最初はあなたと同じように不安を抱えながら、一つひとつのタスクをクリアしてきました。

面倒な事務作業や予約管理は、便利なデジタルツールに任せてください。

そして、あなたは「経営者」として、そして「美容師」として、目の前のお客様を笑顔にすることに全力を注いでください。

あなたのサロンが、地域の人々に愛され、あなた自身も幸せに働ける場所になることを、心から応援しています。

開業後の「予約管理」と「売上管理」は、freee予約で完結させませんか?

freee予約(旧tol)

最後に、開業したばかりのあなたを強力にサポートするアプリ、「freee予約」をご案内させてください。

開業届を出してビジネスがスタートすると、次に待っているのは「お客様を集め、予約を受け付ける」という実務です。

しかし、電話対応や日程調整に時間を取られていては、肝心のサービス提供に集中できません。

そこで役立つのが、スマホやタブレットひとつで、誰でも簡単に予約サイトを作成できる「freee予約」です。

難しいPC操作や知識は一切不要。アプリをダウンロードしたその日から、あなたのサロンに「24時間受付のネット予約」と「事前決済」を導入できます。

さらに、freee予約で受けた予約の売上データは、会計ソフト「freee会計」と自動で連携させることができます。

日々の予約管理をするだけで、面倒な売上台帳の作成や確定申告の準備までが終わってしまうのです。

開業初期の忙しい時期だからこそ、面倒な管理はシステムに任せてみませんか?

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