個人サロンオーナー様も、複数スタッフを抱える店舗のマネージャー様も、「施術中に鳴り止まない予約電話」「複雑な紙カルテの管理と検索の手間」「リピートに繋がらないお客様のフォロー漏れ」といった日々の業務に追われ、本来最も時間を割きたい「お客様への施術とカウンセリング」に集中しきれないジレンマを抱えていらっしゃるのではないでしょうか。
さらに、大手集客サイト(ホットペッパービューティーなど)に高額な掲載料を支払い続けても、手数料で利益が圧迫され、クーポン目当ての新規顧客ばかりで安定したリピーターが育たないという構造的な課題もあります。
これらの課題を解決し、サロン経営を次のステージへ進める鍵こそが、「自社予約システム」の戦略的な導入です。
しかし、「エステ向け」と謳うシステムは多すぎて、「どのシステムが自店に本当に合っているのか分からない」「高機能すぎても使いこなせない」と選定段階で足踏みしてしまうことも少なくありません。
この記事では、「リピート率」と「顧客単価」を本気で向上させるために、エステサロンが本当に必要とする機能(高機能カルテ、回数券管理、自動リピート施策)を網羅したシステムを厳選し、その選び方を徹底的に解き明かします。
この記事を読み終える頃には、あなたのサロンの強みを最大化し、お客様に愛され続ける仕組みを作るための、最適なパートナーシステムが見つかるはずです。
目次
なぜ今、エステサロンに「予約システム」が必須なのか?

多くのエステサロンが、今こぞって高機能な予約システムを導入しています。
それは、単に「予約電話を自動化したい」という単純な理由からではありません。
背景には、エステ業界特有の深刻な経営課題と、それを解決するシステム導入の明確なメリットが存在します。
施術中断のストレスと機会損失からの解放
エステサロンの施術は、お客様がリラックスしている空間で行われる、非常にデリケートな時間です。
その最中に予約電話が鳴り響き、施術の手を止めて対応することは、お客様の満足度を著しく低下させるだけでなく、施術者にとっても大きなストレスとなります。
電話対応中に、目の前のお客様への集中が途切れてしまうことは避けられません。
さらに、営業時間外や休日にかかってきた電話は、すべて「取りこぼした予約(機会損失)」となります。
予約システムを導入し、24時間365日、WebやLINEから自動で予約を受け付ける体制を整えることは、これらのストレスと機会損失を一掃し、スタッフが目の前のお客様に100%集中できる環境を作るための絶対条件です。
「紙カルテ」の限界と顧客情報の資産化
エステサロンの経営において、顧客カルテは最も重要な「資産」です。
しかし、その資産が「紙」のままであることに、多くのサロンが限界を感じています。
紙カルテは、保管スペースを圧迫するだけでなく、情報の検索性が絶望的に低いという致命的な欠陥を抱えています。
「あのお客様、前回どのコースだったか」「アレルギー情報はなかったか」「前回どんな会話をしたか」を、大量のファイルから探し出す作業は非効率的です。
また、紙カルテの情報は、リピート施策に活用することができません。
予約システム、特に「電子カルテ」機能と一体化したシステムを導入することは、この資産を「活用できるデータ」に変えることを意味します。
お客様の基本情報、来店履歴、施術内容、ビフォーアフターの写真、アレルギー情報、会話のメモまでをデジタルで一元管理。
これにより、次回来店時に瞬時に情報を呼び出し、質の高いカウンセリングを提供できます。
エステサロンで効果的なカウンセリングを行うためには?コツを徹底解説
集客サイト依存からの脱却と利益率の向上
多くのサロンが新規集客のために利用している大手集客サイト(HPBなど)は、高額な掲載料や成果報酬型の手数料が経営を圧迫するという大きな問題を抱えています。
売上が上がっても、その多くが手数料として消えていくのでは、利益は残りません。
自社専用の予約システムを導入し、公式サイトやSNS、LINE公式アカウントからの「直接予約(自社予約)」を増やすことは、この手数料依存の経営から脱却し、サロンの利益率を根本的に改善するために不可欠です。
システム導入は、お客様を「集客サイトの顧客」から「自店の顧客」へと転換させるための、最も重要な第一歩なのです。
サロン予約システム15選を徹底比較!業態別&失敗しない選び方もご紹介。
エステサロン特有の予約システム選び「6つの最重要軸」

美容室やネイルサロンと比較しても、エステサロンの運営は特殊です。
「回数券」の管理、詳細な「施術履歴(カルテ)」、そして「高額メニュー」の取り扱いなど、エステ特有の業務フローに対応できるシステムでなければ、導入しても使い物になりません。
ここでは、エステサロンがシステムを選ぶ上で絶対に外してはならない、6つの重要な選定軸を解説します。
1. 「電子カルテ」の機能は十分か(写真・同意書)
エステサロンにとって、予約機能と電子カルテ機能は「一体」であるべきです。
単なるメモ欄ではなく、施術前後のビフォーアフター写真を何枚も保存できる機能、お客様の肌質やアレルギー情報を詳細に記録できるカスタム項目、そして「施術同意書」をデジタルで取得・管理できる機能があるかを確認してください。
特に痩身やフェイシャルでは、写真での経過記録がお客様のモチベーション維持と次回来店に直結します。
予約情報とカルテ情報がシームレスに連携していれば、予約が入った瞬間にお客様の全履歴を把握でき、カウンセリングの質が飛躍的に向上します。
2. 複雑な「コース・回数券」の管理機能
エステサロンの売上の核となるのが、高額なコースメニューや回数券です。
「5回コースの残り3回」「有効期限はあと2ヶ月」といった情報を、システムが自動で管理・消化できる機能は必須です。
この機能がないと、結局は紙の別台帳で管理することになり、二度手間が発生します。
お客様自身も、予約サイトのマイページから「自分の回数券が残り何回か」を確認できるシステムであれば、透明性が高まり、継続利用の促進にも繋がります。
3. 「リピート施策」の自動化(LINE連携・ステップ配信)
エステはリピートビジネスです。
お客様との関係性を維持し、「失客」を防ぐ仕組みが何よりも重要です。
その鍵を握るのがLINE連携と自動DM機能です。確認すべきは、単なるリマインド通知(予約忘れ防止)だけではありません。
「来店後のサンクスDM」「誕生月のクーポン配信」、そして最も重要な「最終来店日から○日経過したお客様への自動フォローDM(ステップ配信)」が可能かどうかです。
「最近ご無汰ですが、お肌の調子はいかがですか?」といったメッセージをシステムが自動で送ってくれることで、忘れかけていたお客様を呼び戻す強力な武器となります。
LINEで無料の予約システムを!設定方法と連携できるおすすめツール6選を徹底比較
4. 「事前決済」と「キャンセルポリシー」機能
高単価なメニューが多いエステサロンにとって、無断キャンセル(ドタキャン)は深刻な損害となります。
これを防ぐ最も効果的な手段が「事前クレジットカード決済」です。
予約時に全額または一部(デポジット)を決済していただくことで、お客様の予約へのコミットメントが高まり、無断キャンセルを劇的に減らすことができます。
また、システム上で明確な「キャンセルポリシー(例:前日以降は50%)」を設定し、予約時に同意を得られる機能も、トラブル防止のために不可欠です。
キャンセルポリシー例文集|そのまま使える業種別テンプレートで無断キャンセルを防止!作り方の注意点もプロが解説
5. 複数スタッフの「指名・シフト」管理(中規模サロン)
1人サロン(プライベートサロン)であれば不要ですが、複数のエステティシャンが在籍する場合は、スタッフごとの「指名予約」機能や、個別の「出勤シフト」管理機能が必要です。
さらに、エステティシャンの技術レベルや役職に応じて「指名料」を個別に設定できるか、対応可能な「メニュー」を制限できるかも確認ポイントです。
これらの管理が自動化されることで、予約の割り当てミスがなくなり、店舗運営がスムーズになります。
エステサロンのメニュー名の決め方とは?NG例や成功のポイントを解説
6. 高機能「POSレジ」との連携
予約、カルテ、そして最後の「会計」までがシームレスに連携していると、業務効率は頂点に達します。
高機能なPOSレジと連携できるシステムであれば、予約情報(どのコースか)や回数券の消化情報が自動で会計に反映され、会計ミスが起こりません。
さらに、コース契約時の「売上計上」と「役務消化」を分けて管理できる、エステ特有の会計処理に対応したPOSレジと連携できれば、経営数値の管理も正確になります。
なお、予約システムを比較検討する際は、高機能な有料ツールだけでなく、完全無料の予約システムの機能も視野に入れて選択肢を広げましょう。
【2025年最新】エステサロンにおすすめの予約システム徹底比較12選

前述した「6つの軸」に基づき、エステサロンの規模と目的に合わせた最適な予約システムを厳選して比較紹介します。
ご自身のサロンが「個人・プライベートサロン」なのか、「中規模・多機能重視」なのかを明確にしてご覧ください。
【個人・プライベートサロン向け】低コスト・高機能システム5選
まずはコストを抑えたい、スマホで手軽に管理したい、という1人オーナー様や個人サロン向けのシステムです。
低コストながら、カルテや決済などエステに必要な基本機能をしっかり押さえたサービスを厳選しました。
| サービス名 | freee予約(旧tol) | STORES予約 | Square予約 | RESERVA | LiME |
| イメージ | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
| 月額費用 | 0円~ | 0円~ | 0円~ | 0円~ | 0円~ |
| 無料プラン | あり | あり | あり | あり | あり |
| 特徴 | 個人/スマホアプリ完結 / プライベートサロン対応 | 回数券管理に強み(有料) / LINE連携可 | 決済・キャンセル料徴収に強み / 無料で高機能 | 機能網羅型 / 回数券管理(上位プラン) | 美容師開発 / 電子カルテ機能が超高機能 |
1. freee予約(旧tol)
freee予約(旧tol)は、スマホやタブレットの専用アプリだけで、予約サイトの作成から予約・顧客管理までが完結する、個人・スモールビジネスに特化したシステムです。
ITが苦手なオーナー様でも直感的に操作できるシンプルさが最大の魅力。
無料プランでも予約管理や顧客台帳(メモ機能付き)、事前決済が利用可能です。
住所非公開設定も可能なため、自宅サロンやプライベートサロンに最適です。
ただし、詳細な電子カルテや回数券管理機能は搭載されていないため、シンプルな予約管理と決済を重視する、フェイシャルやリラクゼーション中心の個人サロンに向いています。
2. STORES予約

STORES予約は、無料プランからでも利用でき、機能の拡張性が高いのが特徴です。
エステサロンにとって魅力的なのは、有料プラン(スタンダードプラン以上)で「回数券・コース」の管理機能が使える点です。
お客様はオンラインで回数券を購入し、予約時に自動で消化させることができます。
LINE連携も可能で、予約通知などを自動化できます。
顧客管理機能も充実しており、個人サロンが低コストで回数券管理を始めたい場合に最適な選択肢です。
引用:STORES予約
3. Square予約

Square 予約は、世界的な決済サービス「Square」が提供する予約システムです。
最大の強みは、同社の決済端末とシームレスに連携し、予約から事前決済、当日の会計までが一気通貫で完了すること。
驚くべきは、無料プランでも「予約管理」「顧客管理」「自動リマインダー」「キャンセル料徴収設定」といったエステに必要な機能の多くが利用できる点です。
高単価メニューの無断キャンセルを防ぎたい個人サロンにとって、最強のコストパフォーマンスを誇るシステムです。
引用:Square予約
4. RESERVA(レゼルバ)

RESERVAは、350以上の業種に対応する国内最大級の予約システムです。
その圧倒的な機能の網羅性が特徴で、エステサロン運営に必要な機能も上位プランでカバーしています。
有料プランでは、詳細な顧客管理(カスタム項目設定)、回数券管理、事前決済などが利用可能になります。
機能が非常に多岐にわたるため、自店に必要な機能を無料プランや低価格プランから試し、徐々にアップグレードしていきたいという堅実なサロン運営に適しています。
引用:RESERVA
5. LiME(ライム)

LiMEは、もともと美容師向けに開発された電子カルテアプリですが、その高機能な顧客管理がエステサロンにも絶大な支持を得ています。
予約機能も搭載していますが、その真価は「お客様のすべてを記録する」電子カルテにあります。
施術写真の無制限保存、手書きメモ、同意書管理など、エステの現場で求められる情報管理能力が突出しています。
お客様との深い関係性を築き、詳細な施術記録を残すことを最重要視するオーナー様には、最強のツールとなるでしょう。
引用:LiME
【中規模・多機能重視】本格CRM・POS連携システム4選
複数のエステティシャンが在籍し、スタッフ管理、POSレジ連携、高度なリピート施策(CRM)までをシステムで一元管理したい、中規模以上のサロン向けの本格的なシステムです。
| サービス名 | Bionly | ワンモアハンド | KaruteKun | Reservia |
| イメージ | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
| 月額費用 | 要問合せ | 9,800円~ | 要問合せ | 要問合せ |
| 無料プラン | なし | なし (体験あり) | なし | なし |
| 特徴 | エステ特化 / POSレジ一体型 / 高機能電子カルテ | エステ特化 / 失客防止の分析機能 / ステップメール | エステ特化 / LINEリピート特化 / 回数券 | HPB連携(サイトコントローラー) / LINE連携 |
6. Bionly(ビオンリー)

Bionlyは、エステサロンを含む美容サロン運営のすべてを詰め込んだ、オールインワンの経営管理システムです。
予約管理はもちろん、iPadで完結する高機能な電子カルテ(写真・手書きメモ・同意書対応)、スタッフ指名・シフト管理、高度なPOSレジ機能(コース・回数券管理、売上分析)までを網羅しています。
予約、カルテ、会計、在庫、経営分析がすべて一つのシステムで連携するため、情報の分断が一切ありません。
サロンの経営状況をリアルタイムで可視化し、戦略的な店舗運営を行いたいオーナー様に最適です。
引用:Bionly
7. ワンモアハンド

ワンモアハンドは、サロンの「リピート率向上」と「失客防止」に徹底的にフォーカスした予約システムです。
予約機能、電子カルテ、POSレジ連携、回数券管理といったエステに必要な基本機能を網羅しつつ、最大の強みは「顧客分析」と「自動フォロー」にあります。
最終来店日から経過した日数や来店頻度に応じてお客様を自動でセグメントし、「そろそろお手入れ時期です」といったステップメール(自動DM)を配信できます。
データを活用して、科学的にリピーターを育てたいと考えるサロンに最適なシステムです。
引用:ワンモアハンド
8. KaruteKun

KaruteKunは、LINE公式アカウントを活用したリピート施策に特化した顧客管理・予約システムです。
お客様はLINEから簡単に予約でき、サロン側はLINEを通じて高度なマーケティング(ステップ配信、セグメント配信、口コミ依頼)を自動化できます。
エステサロンに必須の「回数券」管理機能もLINE上で完結し、お客様は自分の残回数をLINEでいつでも確認可能です。
LINEをお客様とのメインの接点とし、予約からアフターフォロー、再来店促進までをシームレスに行いたいサロンに強く推奨されます。
引用:KaruteKun
9. Reservia(リザービア)

Reserviaは、美容室やエステサロンに強い予約システムで、特に「集客」に強みを持ちます。
最大の武器は、HPBなどの大手集客サイトとの連携機能(サイトコントローラー)で、ダブルブッキングを自動で防ぎます。
さらに、LINE連携による予約やクーポン配信、Googleビジネスプロフィール連携など、自社集客を強化する機能も豊富です。
HPBを活用しつつ、自社予約も強化したい、集客と管理の両方を効率化したい中規模サロンに最適です。
引用:Reservia
【特定ニーズ特化型】おすすめシステム3選
最後に、特定の機能や連携に強みを持つ、ユニークなシステムをご紹介します。
また、総合的なエステサロンではなく、特定のメニューに特化した運営を検討されている場合は、「機械(マシン)の在庫管理」や「同意書のデジタル化」など、より専門的な機能が必要になります。
特にニーズの高い「脱毛」と「ホワイトニング」については、それぞれの業態に特化したシステム選びを以下の記事で詳しく解説しています。
- 脱毛サロン向け: 「脱毛サロン予約システム比較8選|機械管理と役務管理」
- ホワイトニング向け: 「ホワイトニングサロン予約システム比較|無人運営・回数券」
| サービス名 | Repitte | eRESERVE | RE:RE |
| イメージ | ![]() | ![]() | ![]() |
| 月額費用 | 2,980円~ | 要問合せ | 9,800円(税込) |
| 無料プラン | なし (体験あり) | なし | なし |
| 特徴 | LINE特化 / 低コスト / 個人サロンに最適 | 中規模サロン向け / 機能バランス◎ / LINE予約導線 | 個人サロン向けLINE完結 / ワンプラン |
10. Repitte(リピッテ)

Repitteは、LINE公式アカウントに特化した予約システムで、低コストながら高機能な点が魅力です。
お客様はLINEのトーク画面(リッチメニュー)から、会話形式で24時間いつでも予約を完結できます。
リマインド通知やサンクスDMもLINEに自動送信されます。
月額2,980円からという手軽さでLINE予約を自動化できるため、個人・小規模サロンがLINE活用を始める第一歩として非常に人気が高いシステムです。
引用:Repitte
11. eRESERVE

eRESERVEは、LINE連携に強みを持ちつつ、エステサロンに必要なスタッフ指名、複数メニューの組み合わせ、POS連携といった複雑な要件にも柔軟に対応できる、バランス型のシステムです。
お客様がLINEから予約する際の導線が非常にスムーズで、離脱率が低いように設計されています。
高機能なCRMと、お客様にとっての使いやすさを両立させたい、中規模サロンに適しています。
引用:eRESERVE
12. RE:RE(リリ)

RE:RE(リリ)も、LINE連携に特化したサロン向けシステムです。
スマホ一つで予約、決済、電子カルテ、集客までを管理できます。
特徴的なのは、月額9,800円(税込)の「ワンプラン」であること。
機能ごとにプランが分かれていないため、悩む必要がありません。
個人サロンや小規模サロンが、手軽にLINEを活用したオールインワンの予約管理を実現したい場合に最適な選択肢の一つです。
引用:RE:RE
失敗しない導入ステップと「紙カルテ」移行の注意点
最適なシステムを選んだとしても、導入と移行プロセスでつまずいては意味がありません。
特にエステサロンは「紙カルテ」という膨大なアナログ資産を抱えているため、この移行プロセスが導入の成否を分けます。
ステップ1:自店の「最重要課題」を明確にする
まず、「なぜシステムを導入するのか」という目的を明確にします。
課題はサロンによって異なります。
「電話対応が多すぎて施術に集中できない(業務効率化)」「無断キャンセルに悩んでいる(リスク管理)」「リピーターが育たない(CRM強化)」など、最も解決したい課題を一つ決めましょう。
この軸が定まることで、選ぶべきシステム(例:効率化ならシンプルな予約機能、CRM強化ならLINE連携や電子カルテ特化型)が自ずと決まってきます。
ステップ2:「紙カルテ」からのデータ移行計画を立てる
エステサロン最大の難関が、過去の紙カルテの移行です。
何百、何千枚とある紙カルテをどうデジタル化するか、システム会社に確認が必要です。
主な方法は
- 「①スタッフが空き時間に手入力する」
- 「②システム会社が提供する移行サポート(有料)を利用する」
- 「③CSVデータでの一括取り込み(既存の顧客リストがある場合)」
の3つです。すべてを手入力するのは現実的ではありません。
最低でも、既存のお客様が次に来店された際に、その場でスタッフが過去の重要事項(アレルギー、前回施術日)を電子カルテに入力し直す、といった運用ルールを決めておく必要があります。
ステップ3:お客様への告知と「自社予約」への誘導計画
システムを導入しても、お客様が使ってくれなければ電話予約は減りません。
導入と同時に、お客様への徹底した告知活動が必要です。
店内のPOP、会計時の口頭での案内、公式サイトやSNSでの告知はもちろん、既存のお客様にはLINEやメールで「ネット予約(特にLINE予約)が便利になりました!」と一斉に通知します。
そして、大手集客サイト(HPB)経由で来店された新規のお客様に対して、「次回からはこちらのLINE(自社予約)からご予約いただくと、限定の特典があります」と伝え、確実に自社予約へ誘導する「導線」を作ることが、利益率改善のための最も重要なステップとなります。
予約システム活用で実現する「リピート率」と「顧客単価」向上術

予約システムは、導入して終わりではありません。
そこからが「攻めの経営」のスタートです。蓄積された「電子カルテ」と「予約データ」を活用し、いかにリピート率と顧客単価を向上させるか、具体的な活用術を紹介します。
電子カルテ情報に基づく「クロスセル・アップセル」
お客様が来店された際、予約情報と連携した電子カルテを瞬時に確認します。
そこに「前回、痩身メニューに興味を持っていた」「最近、肌の乾燥を気にしていた」といったカウンセリングメモが残っていれば、それに基づいた「ついで買い(クロスセル)」の提案が可能です。
例えば、「本日のフェイシャルに加えて、オプションのヘッドマッサージ(+2,000円)はいかがですか?前回お疲れのようでしたので」といった、お客様の過去の状況に基づいた提案は、単なる押し売りではなく「私を覚えてくれている」という信頼感に繋がり、自然と顧客単価の向上に結びつきます。
ステップ配信(自動DM)による計画的な失客防止
エステサロンの失客は、お客様が「なんとなく忘れてしまう」ことから始まります。
これを防ぐのが、システムによる自動フォロー(ステップ配信)です。
例えば、「最終来店日から45日経過」したお客様に「お肌の調子はいかがですか?そろそろメンテナンスの時期ですよ」というDMを、「90日経過」したお客様には「お久しぶりです!今月限定のカムバッククーポンをお送りします」といったDMを、システムが自動で送信します。
オーナー様が忘れていても、システムが24時間働き続け、お客様との繋がりを維持し、失客を未然に防いでくれます。
回数券・コースのデジタル管理と継続促進
高額な回数券やコース契約は、エステサロンの売上の柱です。
しかし、お客様が「残り何回か分からない」「有効期限はいつまで?」と不安になると、継続率が低下します。
システムで回数券をデジタル管理し、お客様がマイページやLINEでいつでも残回数や有効期限を確認できるようにすることで、透明性が高まり安心して通い続けていただけます。
さらに、システム側で「コース終了1回前」のお客様を自動で抽出し、次回の継続コースの提案をスタッフにアラートする、といった仕組みを作れば、継続率の向上に大きく貢献します。
エステサロンの予約システムに関するQ&A
最後に、エステサロンのオーナー様からよく寄せられる、予約システム導入に関する疑問や不安について、Q&A形式でお答えします。
Q. 大手集客サイト(HPB)と併用は可能?
A. はい、可能です。むしろ、多くの中規模サロンは「併用」からスタートします。
その際に必須となるのが「サイトコントローラー(予約連携機能)」です。
この機能があるシステム(例:Reservia、Bionlyなど)を選べば、HPBからの予約も、自社サイトからの予約も、すべて一つの予約台帳に自動で反映され、ダブルブッキングを防ぐことができます。
戦略としては、HPBは「新規集客」と割り切り、一度来店されたお客様は徹底的に「自社予約(LINEや公式サイト)」へ誘導し、手数料(利益率)を改善していくのが王道です。
Q. 導入費用(初期費用・月額)の相場は?
A. 相場は、サロンの規模と求める機能によって大きく二極化します。
- 個人・1人サロン向け(シンプル機能): 初期費用0円、月額0円~5,000円程度(例:freee予約、Square 予約、STORES 予約、Repitteなど)。まずは無料プランから始め、必要に応じて有料プランに移行するのが賢明です。
- 中規模サロン向け(多機能・POS連携): 初期費用0円~数十万円、月額1万円~3万円程度(例:Bionly、ワンモアハンドなど)。電子カルテ、回数券管理、スタッフ管理、POS連携など、業務の根幹をすべて任せるため、相応の投資となりますが、それに見合う業務効率化と売上向上が期待できます。
Q. 医療(ハイフ・脱毛)とリラクゼーションで選ぶ基準は違う?
A. 基準は異なります。
- 医療・美容医療(ハイフ、医療脱毛など): より厳格な「電子カルテ」機能と「同意書」のデジタル管理機能が重要になります。法的な要件を満たす必要があるため、医療機関向けの機能が充実したシステム(Bionlyなど)が推奨されます。
- リラクゼーション(アロマ、マッサージなど): 医療行為ではないため、同意書管理よりも「お客様の手軽さ」や「リピート促進」が重要です。LINEで手軽に予約でき、リマインドが飛ぶシンプルなシステム(KaruteKun、Repitteなど)や、回数券管理ができるシステム(STORES 予約など)が好まれます。
こうした低コストシステムは、特にエステサロンの開業初期段階において強力な味方となります。
そもそも開業に必要な準備や資金計画について詳しく知りたい方は、当メディアの「エステサロン開業を叶える完全ガイド|未経験・資金ゼロからでも失敗しないポイントを解説!」も併せてご覧ください。
まとめ│最適な予約システムは「業務効率化」と「売上創造」を実現するパートナー

エステサロンにとって、予約システムは単なる「コスト」や「業務効率化ツール」ではありません。
それは、サロンの大切な「資産」である顧客情報を守り、活用し、利益を生み出すための「戦略的な投資」であり、経営者の右腕となる「パートナー」です。
電話対応や紙カルテの検索に費やしていた時間を、お客様一人ひとりと向き合う「カウンセリングの時間」や「新しい技術の習得」に充てることができれば、お客様の満足度、ひいてはリピート率と顧客単価は必ず向上します。
重要なのは、いきなり多機能で高額なシステムを導入することではありません。
まずはこの記事で紹介した「6つの選定軸」に立ち返り、あなたのサロンの「規模(個人か、中規模か)」と「最大の課題(効率化か、リピートか)」を明確にすることです。
そして、freee予約(旧tol)やSquare 予約のような無料プランから第一歩を踏み出し、その便利さを体験してみてください。
最適な予約システムという武器を手に入れることで、エステティシャンとしてのあなたの価値は最大化され、お客様に愛され続ける、利益率の高い「理想のサロン」へと近づくことができるはずです。
エステサロンの予約システムには、freee予約がおすすめ!

最後に、freee予約のご案内をさせてください。freee予約は、アプリから簡単に誰でも使える予約システムです。
スマホやタブレット一つで簡単に予約サイトを作成でき、誰でもすぐにネット予約を導入することが可能です。
数万事業者の方にご利用いただいており、そのほとんどが個人事業主などのスモールビジネスです。継続率はなんと98%です。
以下のリンクからアプリをインストールして、無料でお試しください。















コメント