LINE公式アカウントを活用した予約システムは、集客や業務の効率化を目指す店舗にとって有力な選択肢となりつつあります。LINEを通じたスムーズな予約受付やリマインド機能による無断キャンセルの防止など、利便性の高さが注目されています。
一方で、システム選定や運用にあたっては、業種に合った機能や料金体系、サポート体制なども慎重に見極めなければなりません。とくにLINEに不慣れな層をターゲットとする業種では、導入に工夫が求められる場面もあるでしょう。
本記事では、LINE予約システムの概要やメリット、導入時の注意点に加え、用途別におすすめのサービスを紹介します。
こちらの動画でも、LINE公式アカウントとの連携におすすめな予約システムについてご紹介しています。ぜひご覧ください！
目次
LINE公式アカウントとは？
まず、LINE公式アカウントとはどういったものなのか簡単に説明します。
LINEスタンプをダウンロードした際や、店頭でお得なクーポンを入手するために、店舗や企業のアカウントを友だち登録したことがある方も多いでしょう。
アカウントの名前の横に、緑色の盾に星が描かれたあるマークがついているのがLINE公式アカウントです。アプリストアから簡単に誰でもインストール可能です。（普段使っているLINEとは別アプリです。）
LINE公式アカウントでできること
LINE公式アカウントは、飲食店・美容院・サロン・小売業をはじめとするさまざまな業種で活用できます。
登録されている友だちに対して、販売促進やカスタマーサポートなどを行うことが可能です。
まずは顧客に友達登録をしてもらいましょう。
LINE公式アカウントにはさまざまな機能が備わっています。以下で、代表的な機能をいくつかご紹介します。
<メッセージ配信>
キャンペーン情報などを、友だちに対してメールマガジンのように一斉配信できます。性別や住所などの属性ごとに配信することも可能です。
<ショップカード>
スマホで利用できるポイントカード機能が使えます。曜日によるポイント特別付与の設定もできます。
<クーポン>
店頭で使えるものや、ECサイトで使えるデジタルクーポンも発行できます。クーポンを利用した人のデータも確認できるので、クーポン配信の効果測定も可能です。
<リッチメニュー>
LINE公式アカウントのトーク画面の下部に、いくつかのメニューを固定表示できます。
<チャット>
友だちと1対1のチャット形式でやりとりができます。応答メッセージ機能もあり、友だちからメッセージが送られた際に自動で返信してくれます。
<リサーチ>
LINEで友だちに対してアンケートを実施することで、運営における改善点の把握が可能です。
LINE予約システムを導入するメリット
ここでは、LINE予約システムの導入で期待される代表的なメリットについて、3つの観点から詳しく解説します。
業務効率の向上と人的負担の軽減
LINE予約システムを導入すれば、店舗側が予約受付に関わる必要がなくなります。利用者自らLINEで予約を完結できるため、電話やメール対応の手間が省けます。
また、座席数を超える予約の誤登録や、コース内容の聞き間違いといった人為的ミスも回避できるでしょう。変更やキャンセルの処理も自動化されるため、スタッフも本来の業務に集中しやすくなります。
さらに、予約データや顧客情報を活用することで、傾向分析や販促戦略の立案も可能です。結果として、店舗全体の運営効率が飛躍的に向上するでしょう。
無断キャンセルや予約忘れを減らせる
リマインド機能や事前決済機能を備えたLINE予約システムでは、無断キャンセルの発生を最小限に抑えられます。たとえば、来店前日に自動送信される通知によって、利用者は予約を思い出しやすくなります。
さらに、先払いによって利用者側のキャンセルに対する意識も高まるため、結果的に当日キャンセルのリスクも減るでしょう。
とくに飲食店などでは、原材料や人件費などのロスが抑制され、収益性が改善されるケースもあります。そのため、損失防止と売上安定を両立する手段として、LINE予約システムの導入は非常に有効な施策といえます。
顧客満足度と予約率を高められる
LINEと連携した予約受付は時間や場所に制限されずに操作できるため、利用者にとって利便性が高いといえます。深夜帯や外出先でも即時予約が完了するため、思い立ったタイミングを逃さず対応できます。
加えて、リマインド機能によるフォローや、定期的な情報配信によって顧客との接点が自然と増えることも魅力です。限定クーポンやお知らせを通じて関係性を維持できれば、再来店の促進にもつながります。
継続的なアプローチを仕組み化することで、予約率の向上が期待できるでしょう。
参考：美容室の集客方法11選！広告費ゼロから始めるWeb戦略で予約が埋まる仕組み作り
LINE連携予約システムを選ぶ際のチェックポイント
LINE連携予約システムを導入する際は、以下をチェックするようにしましょう。
- 業種に合った機能が備わっているかを確認する
- 予約件数・顧客数の制限と料金体系を比較する
- スタッフや設備の管理がしやすいかをチェックする
- 外部サービスとの連携性も考慮する
- 導入支援やサポート体制も比較検討する
業種に合った機能が備わっているかを確認する
業種によって、予約システムに求められる機能は大きく異なります。たとえば美容サロンなら、施術内容の詳細選択や担当スタッフの指名機能が必要不可欠です。物販を行う店舗の場合は、商品管理機能が搭載されていると販促に役立つでしょう。
また、予約のブッキングミスを防ぐ機能も重要です。さらに、カルテ機能や施術写真の保存が可能であれば、顧客対応の質を維持しやすくなります。
運営スタイルに適した機能が揃っているかを事前に確認しなければ、十分に活用できません。予約システム導入時は、店舗の特性に応じた柔軟な機能選定が求められます。
機能の制限と料金体系を比較する
たとえ料金が安価でも、機能が限定的であれば運用に支障が出ます。一方で、機能が豊富でも利用頻度に見合わなければコスト面で不利になるでしょう。
LINE連携型の予約システムは、月額制に加えて従量課金が発生する形式も多く見られます。配信数や登録スタッフ数、予約件数に応じて費用が増える仕組みもあるため、導入前のシミュレーションが不可欠です。
理想的なのは、機能とコストのバランスがとれたプランを選ぶことです。将来の利用拡大も想定し、長期的に使い続けられるかを見極めましょう。
スタッフや設備の管理がしやすいかをチェックする
予約システムの選定では、顧客の使いやすさと同様にスタッフの運用負担も考慮すべきです。たとえば、予約情報の閲覧や変更が直感的に行える仕様であれば、業務効率が大幅に向上します。
また、LINE公式アカウントを初めて扱う場合は、初期設定や運用サポートが提供されているかも確認しましょう。
複雑な操作を要するシステムでは、かえって現場の混乱を招きかねません。誰でもスムーズに扱えるかどうかを軸に、操作性の高さやサポート体制の有無を見比べることが重要です。
外部サービスとの連携性も考慮する
予約システム単体の性能だけでなく、他ツールとの連携性もチェックしておくと運用面で差が出ます。
たとえばGoogleカレンダーと連携すれば、スケジュール管理が容易になります。POSレジや顧客管理システムとつながる機能があれば、会計やCRM業務も一元化可能です。
さらに、事前決済機能があれば会計処理を簡略化しつつ、キャンセル抑止効果も期待できます。日常業務の煩雑さを減らし、店舗全体の生産性を向上させるには、連携機能についてもチェックしておきましょう。
導入支援やサポート体制も比較検討する
とくに初めてLINE公式アカウントを活用する場合は、導入時の不安を軽減するために支援体制が整ったサービスを選びましょう。アカウントの初期設定や運用中のトラブル対応をサポートしてもらえる環境があると、現場にかかる負荷が抑えられます。
加えて、情報セキュリティの面も無視できません。顧客データを扱ううえでは、ISO27001などの外部認証を取得しているかも重要な判断材料です。機能や価格だけでなく、運用サポートとセキュリティ体制の両面から比較検討する姿勢が求められます。
LINE公式アカウントの開設方法と費用は？
LINE公式アカウントの開設は、非常に簡単です。
以前は、パソコンでしか開設・運用できませんでしたが、最近ではスマホで使えるアプリが登場しました。
料金はプランが分かれており、無料プランもあります。
LINE公式アカウントの開設方法や費用については別記事「LINE公式アカウントとは？開設方法や使い方、料金について紹介」をあわせてご確認ください。
LINE予約システム導入時に注意すべき点とは
LINE予約システムは利便性が高い反面、導入・運用に一定のコストが伴います。たとえば、無料プランには機能制限が設けられている場合が多く、店舗規模や予算に応じて有料プランの検討が求められます。
さらに、初期設定や定期メンテナンスなど、導入後にも手間がかかる点を見過ごしてはいけません。また、LINEの障害やアカウントの停止といった事態が発生すると、予約受付が停止するリスクもあります。
緊急時に備えて、電話やメールでも予約を受けられるようなバックアップ体制を構築しておく必要があります。
LINE予約システムが向かないケース
予約手段としてLINEを採用することで利便性が高まりますが、すべての業種に適しているとは限りません。
とくに高齢層の来店が多く、スマートフォンの利用率が低い店舗ではLINE予約の導入が機能しにくい傾向にあります。
たとえば電話予約が主流となっているクリニックや、ITリテラシーに不安を抱える顧客層を対象とした店舗では、利用者側に不便を強いる可能性も否定できません。
デジタル化の推進は重要ですが、来店者の属性に合わせた適切な導入判断を行うことが求められます。
LINE特化ツールに向かない場合は、全業種に対応した予約管理システムの決定版や、予算が限られているなら、おすすめの無料予約システムで探すのが賢明です。
【無料あり】LINE公式アカウントで予約できるサービスを紹介！
ここでは、ライン公式アカウントから予約ができるおすすめサービスを4つ紹介します。
1.Repitte(リピッテ)
美容室やネイルサロン、エステなどで使いやすいLINE連携予約システムです。
低価格プランも用意されており、フリーランスの方や個人事業主の方も使いやすいでしょう。
【機能】
- リマインドメッセージ送信機能
- PC管理画面
- アンケート作成機能
- 顧客名簿機能
- スタッフ指名機能
最終来店から3ヶ月たった顧客にメッセージを送信する機能や、シフトカレンダー設定によるスタッフ管理の機能も充実しています。
別料金ではありますが、予約システムつきホームページやEC機能ホームページの制作もあります。
【利用料金】
- 店舗利用(スタッフが2名以上いる店舗)：¥8,000/月
- 個人利用：¥2,000/月
- それぞれのプランに初期費用¥9,800が必要
個人利用なら月額¥2,000という低価格で利用ができ、個人事業主やフリーランスの方に非常におすすめのサービスです。
【こんな方におすすめ】
- 個人事業主やフリーランスでサロン系の職業をしている
- 低価格で使いたい
参考：美容室の予約システムで店舗運営を効率化！経営課題を解決する選び方と導入のコツ
参考：【無料あり】ネイルサロンに最適な予約システムはこれ！スマホで簡単に導入できるサービスもあります
2.freee予約
freee予約は、個人事業主向けのスマホやタブレットで使える予約システムアプリです。
無料で誰でも、すぐにスマホ1台で予約用webページが作成が可能です。
他の予約システムでは有料で提供されている顧客台帳機能や予約リマインドメール機能なども、無料で利用可能です。さらに、予約件数の制限なしでお使いいただけます。
費用やWeb技術、時間などのさまざまな理由で、これまで予約システムの導入が困難だった店舗や、電話やSNS・メール等で予約を受けていた店舗も、無料で誰でも、すぐネット予約をはじめることが可能です。
またアプリのため、スマホ・タブレットからシンプルな操作で、予約システムを運用することが可能です。
そのため「パソコンがない」「外出が多い」「操作が難しい」など、さまざまな理由でネット予約が困難だった方にもおすすめの予約システムです。
【無料で使える機能】
- 予約管理機能
- 予約のリマインドメール自動送信機能
- 予約受付時の応答メール自動送信機能
- 顧客台帳機能
- 事前決済機能
- 予約が届いた際のプッシュ通知、メール通知
無料で予約管理ができ、予約件数の制限もありません。
予約のリマインドメール機能や、予約した顧客の顧客情報を自動で蓄積する機能、予約が入ったらスマホ端末にプッシュ通知をしてくれる機能も無料で利用できます。
【有料で使える機能】
- 追加質問機能
- グループ予約機能
- オプションメニュー機能
- 予約ブロック機能
- オリジナルメール機能
- オリジナルロゴ機能
- SNS連携機能
有料のBusinessプランは、無料で使える機能のほかに、予約時に予約者様の同行者様の分まで予約が可能となる「グループ予約機能」や、予約時に予約者様が入力するお名前や連絡先などの基本事項に加えてショップ側で自由に質問を追加できる「追加質問機能」などがあります。
Businessプランは、月額3,180円からご利用が可能です。
【こんな方におすすめ！】
- スクール系ビジネスをしている
- 1人または少数人数でビジネスをしている
- パソコンを持っていない
- 無料で予約システムを使いたい
- 最近個人事業主になった
予約管理はもちろん、さまざまな機能も使えて無料・無制限なのが魅力的なスマホアプリです。予約システムを初めて導入したいと考えている方でも使いやすいです。
LINEと連携する方法については別記事「【完全無料】LINEで簡単に予約管理できるおすすめの最強サービスを紹介！」をあわせてご確認ください。
3.予約onライン
スタッフ側にとって便利な機能が豊富なのはもちろん、顧客からも親しまれやすい便利な機能を揃えています。
【機能】
- リマインドメッセージ機能
- クーポン機能
- ポイントカード機能
- 予約管理機能
予約onラインではシステムが自動で顧客の識別を行なっており、面倒な会員登録やログインが必要ありません。
また、予約管理機能によって、電話からの予約があった際も手動で予約追加することが可能です。スタッフ側だけでなく、顧客側にも便利な面が多いのが魅力です。
【利用料金】
- 月額費用：¥3,000
- 初期費用：¥20,000
【こんな方におすすめ】
- 普段からLINE公式アカウントを活用している
- スタッフが複数いる
- 電話からの予約も受け付けたい
料金プランが店舗の規模に依存しないため、スタッフが複数いる店舗にもおすすめです。
また、LINEアカウントの情報を引き継いで導入できるため、すでにLINEを活用している方にも使いやすいでしょう。
4.KaruteKun(カルテくん)
KaruteKunという電子カルテアプリのLINE連動オプションです。
紙のカルテから、電子カルテへの移行を考えている方にとてもおすすめです。
【機能】
- 再来店促進メッセージ送信
- 顧客管理
- 電子カルテアプリ「KaruteKun」との連携
- 画像送受信機能
LINEの画面からそのままカルテの機能を使えます。
また、画像の送受信もできるため、事前に顧客が希望する髪型の写真をもらったり、カット時の写真を顧客に送ることもできます。
【利用料金】
- シングルプラン(個人利用)：¥5,000/月
- スタンダードプラン(2名以上のスタッフがいる店舗)：¥10,000/月
- LINEオプション費用：シングルプランの場合：¥5,000/月、スタンダードプランの場合：¥10,000/月
【こんな方におすすめ】
- 電子カルテを使用したい
- 顧客と写真の送受信を行いたい
まとめ
LINE予約システムは、店舗運営における業務効率の向上や無断キャンセルの抑制、顧客との継続的な接点づくりに大きく貢献します。とくにスマートフォンの利用に慣れた層に向けては、LINEという馴染みのあるツールを活用できる点が大きな強みです。
一方で、業種や顧客層によっては導入が適さないケースもあるため、事前の検討が重要となります。コストやサポート体制、他システムとの連携性も含め、長期的に活用できるかどうかを見極めましょう。
導入の目的や運営スタイルに合ったサービスを選ぶことで、LINE予約システムは大きな成果をもたらしてくれるはずです。ぜひ、自店舗に最適な導入方法を検討してみてください。
よくある質問
LINE予約システムを導入すべき理由とは？
業務効率化や人的負担の軽減、無断キャンセルの防止といった視点からLINE予約システムがおすすめされます。また、顧客満足度や予約率向上にも役立つでしょう。
詳しくは記事内「LINE予約システムを導入するメリット」をご覧ください。
LINE予約システムはどのように選べばいい？
業種にマッチした機能の有無や、料金体系を比較のうえ選びましょう。また、管理・連携のしやすさやサポート体制も重視すべきです。
詳しくは記事内「LINE連携予約システムを選ぶ際のチェックポイント」をご覧ください。
