トリミングサロンを自宅で開業する時に必要なことは?メリット・デメリットから注意点まで徹底解説

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ペット業界の市場規模が拡大する中、トリミングサロンの需要も高まっています。自宅でトリミングサロンを開業すれば、初期費用を抑えつつ、自分のペースで仕事ができるというメリットがあります。一方で、自宅開業ならではの課題や注意点も存在します。

そこで今回は、トリミングサロンを自宅で開業する時に必要なことや、メリット・デメリットなどについて解説します。

トリミングサロンを自宅で開業するために必要なこととは?

トリミングサロンのイメージ画像

トリミングサロンを自宅で開業したいと考えた時にまず知っておきたいのは、必要な資格や申請に関することです。法律や申請に漏れがあると、開業してもトリミングサロンを閉めなければならない可能性があります。自宅でトリミングサロンを開業するときに必要な資格や申請は次の通りです。

  • 動物取扱責任者の登録申請
  • 第一種動物取扱業の登録申請
  • 建築基準法の用途地域の確認
  • 開業届の提出

以下で詳しくご説明します。

動物取扱責任者の登録申請

トリミングサロンを自宅で開業するために必要なこと、1つ目は動物取扱責任者の登録申請です。

これは動物愛護法で定められている施設やサービスを管理するための責任者を指します。

この動物取扱責任者になるためには、次の条件のいずれかに当てはまらないといけません。

  • 獣医師の資格を持っている
  • 愛玩動物看護師免許を持っている
  • 指定教育機関を卒業している+6ヶ月以上の実務経験
  • 動物に関する指定の資格を持っている+6ヶ月以上の実務経験

トリミングサロンを開く場合は、実務経験=トリマーとしての実務経験となります。

第一種動物取扱業の登録申請

トリミングサロンを自宅で開業するために必要なこと、2つ目は第一種動物取扱業の登録申請です。

動物取扱業者とは動物の繁殖〜飼育、保管、貸出、展示、販売、競りの斡旋、譲受飼養、訓練の7種類を行う人のことを指します。トリミングサロンの場合は、この中の保管にあたるのです。また、動物取扱業は第一種と第二種があり、トリミングサロンのように営利目的で行うものは第一種の登録が必要となります。

トリミングサロンを開業する前にサロンがある都道府県、または政令指定都市の長に申請を行いましょう。申請には申請書や動物取扱責任者研修の修了証の写しなどの書類に加えて手数料(大体の場合1万5,000円)が必要となります。

申請の窓口は動物愛護センターや保健所になりますが、自治体によって異なるので事前に電話で確認する必要があるでしょう。

申請が完了すると、施設で立入検査が行われ、通過すると登録証が発行されます。登録が完了した後も、5年に1度、登録更新申請が必要なので、覚えておきましょう。

建築基準法の用途地域の確認

トリミングサロンを自宅で開業するために必要なこと、3つ目は建築基準法の用途地域の確認です。

建築基準法第48条によってその地域で建築できる建物の種類や使われ方が決められています。これを用途地域といいます。この用途地域は大まかに分けると「住居」「商業」「工業」の3つに分けることができます。この中でも以下の地域では、自宅トリミングサロンを開業することができないとされていますので、注意が必要です。

  • 第一種低層住居専用地域
  • 第二種低層住居専用地域
  • 第一種中高層住居専用地域
  • 田園住居地域

自宅の場所がどの区分に分類されているかはインターネットで「住所+用途地域」で検索をかけるか自治体に問い合わせてみることでわかります。

開業届の提出

トリミングサロンを自宅で開業するために必要なこと、4つ目は開業届の提出です。

トリミングサロン以外の他の事業をする時にも必要な開業届を税務署に提出する必要があります。開業届は営業を開始した日から1ヶ月以内に提出しなければならないので、忘れないようにしましょう。

この時必要なものは申請に関する書類のみで手数料などは不要です。

トリミングサロンを自宅で開業するメリット3つ

トリミングサロンを自宅で開業するメリットには次のようなものがあります。

  • 店舗の賃料がかからないので固定費を抑えられる
  • 仕事とプライベートを両立しやすい
  • 自分のペースで営業時間、定休日を決められる

以下で詳しくご説明します。

初期費用・固定費が抑えられる

トリミングサロンを自宅で開業するメリットの1つ目は、初期費用や毎月の固定費を抑えられることです。

自宅以外で場所を借りてトリミングサロンを開業しようとすると、毎月賃料が発生します。また、初期費用として、敷金や礼金、改装費も発生するでしょう。しかし、自宅の場合は、敷金や礼金、さらには毎月の賃料の発生はないため、初期費用だけでなく、毎月の固定費を安くすることが可能です。

開業してから安定した集客ができるまでは、大きな収入も見込めないことがほとんどのため、毎月かかる費用が抑えられるのは大きなメリットと言えるでしょう。

仕事とプライベートを両立しやすい

トリミングサロンを自宅で開業するメリットの2つ目は、仕事とプライベートを両立しやすいことです。

自宅で開業すると、自宅=店舗となるため、通勤時間などもなくプライベートの時間を効率的に確保することが可能になります。

結婚や出産をしても、トリマーとして働き続けたいと考える人には特に大きなメリットになるでしょう。例えば、子供が急に熱を出して病院に連れて行かなければならないという時も、自宅であれば、すぐに病院へ駆けつけることができます。

もちろん予約次第ではありますが、このような融通が利くのも自宅開業ならではです。

自分のペースで営業時間や定休日を決められる

トリミングサロンを自宅で開業するメリットの3つ目は、自分のペースで営業時間や定休日を決められることです。

ビルやテナントで開業した場合、ビル全体の使用可能な時間や曜日が決められていることがあります。その場合、そのルールに従わなければいけないため、自分のペースで営業時間だけでなく定休日を決めることもできない可能性があります。

しかし、自宅の場合は、他にテナントもいないため、自分の都合で営業時間や定休日を決めることができます。決まった曜日に定休日を設定してもいいですし、決まった予定に合わせて不定休とするのもよいでしょう。このように、様々なパターンから営業時間や定休日を選ぶことができるのです。

トリミングサロンを自宅で開業するデメリット3つ

トリミングサロンを自宅で開業するにあたって、もちろんメリットだけではありません。考えられるデメリットには次のようなものがあります。

  • 近隣住民への配慮がより必要
  • プライバシーを保てないことがある
  • お店の場所を選ぶことができない

以下で詳しくご説明します。

近隣住民への配慮がより必要

トリミングサロンを自宅で開業するデメリットの1つ目は、近隣住民への配慮が特に必要であることです。

トリミングサロンを開業することで発生する騒音や臭いなどによって、周辺に住む人たちの生活に悪影響を与えてはいけません。防音対策や臭い対策はもちろん、周囲への配慮を欠かさないために近隣住民の方とのコミュニケーションは積極的に取りましょう。自分では気付けないことについても、会話の中で判明することがあるため、トラブルを事前に防ぐことに繋がります。

近隣住民への配慮を欠いてしまった場合、法律的には問題ない営業をしていても、民事のトラブルとなることもあります。そうなると、結果サロンを閉業しなければならないという事態になりかねないため注意が必要です。

プライバシーを保つのが大変

トリミングサロンを自宅で開業するデメリットの2つ目は、自身のプライバシーを保つのが大変であることです。

自宅の中でサロンと居住空間を分けていたとしても、思わぬハプニングなどでプライベートの空間が見えてしまうことがあります。さらに、公式ホームページや情報サイトに載せるサロンの住所が自宅の住所となってしまうため、情報の取り扱いには十分注意や配慮が必要です。

また、自宅が仕事場になるため、家事の合間やお休みの日でも簡単に仕事ができてしまいます。例えばサロンの備品の補充や掃除、ブログの更新などです。プライベートの時間を効率的に確保するために自宅サロンを選択したにも関わらず、オンとオフのメリハリが曖昧になってしまうことにならないように注意しましょう。

お店の場所を選ぶことができない

トリミングサロンを自宅で開業するデメリットの3つ目は、お店の場所を選べないことです。

当たり前ですが、住んでいる場所がサロンの場所となります。そのため、周りに競合がいない場所や集客に都合のいい場所といった戦略的に場所を選ぶことはできません。

そのため、近所の方やリピーターに向けた集客戦略を立てるなどといった自宅サロンならではの考えが必要となるでしょう。

トリミングサロンを自宅で開業して失敗しないためのポイント

では、トリミングサロンを自宅で開業して失敗しないためには、事前にどのようなことを抑えておけば良いでしょうか。開業する人によって様々ですが、代表的なポイントを3つご紹介します。

  • 必要な開業資金を準備する
  • 自宅周辺の環境調査を徹底する
  • 準備前にトリミングサロンのコンセプトを固める
  • トリミングサロンに必要な設備を準備できるか確認する

必要な開業資金を準備する

トリミングサロンを自宅で開業するためにおさえておきたいポイント、1つ目は必要な開業資金を準備することです。

当たり前のように思えますが、特に大切なポイントの一つです。自宅で開業する場合、改修費用・設備費用・宣伝費用・運営費用などがかかります。これらを含めてざっくり最低150万円〜の準備が必要です。

ただし、これはあくまで最低限の金額であり、内装をこだわったり、設備をこだわったりしたい場合は、この金額にプラスして必要になるでしょう。

自宅周辺の環境調査を徹底する

トリミングサロンを自宅で開業するためにおさえておきたいポイント、2つ目は自宅周辺の環境の調査です。

自宅でサロンを開く場合、場所を選ぶことができないため周辺環境の調査が必要になります。特に以下のようなポイントに注目してみましょう。

  • 自宅の周りにペットを飼っている人は多いか
  • 少なくても車などの手段で集客しやすい場所なのか
  • 近隣の住民に動物アレルギーの人はいないか

トリミングサロンのコンセプトを固める

トリミングサロンを自宅で開業するためにおさえておきたいポイント、3つ目はトリミングサロンのコンセプトを固めることです。

開業にあたって、最も重要と言っても過言ではないのがサロンのコンセプトです。今まで働いてきたサロンやSNSで見かけたサロンを参考にして、自分の理想とするコンセプトを考えましょう。

コンセプトをしっかり作ることでそのコンセプトに共感してくださるお客様を集めやすくなったり、内装を選ぶ時の軸になったりします。全ての基本となってくるコンセプト作りはサロン開業準備の1番最初に取り掛かると、その後がスムーズになるでしょう。

トリミングサロンに必要な設備を準備できるか確認する

トリミングサロンを自宅で開業するために抑えておきたいポイント、4つ目はサロンに必要な設備を自宅に準備、設置できるか確認することです。

特に次のようなところを確認しましょう。

  • 大型の什器や備品を設置する場所はあるのか
  • どんな犬種でも問題ない、出入口があるのか
  • 換気を行える設備はあるのか
  • シャワーの水を排水できる設備を設置できるのか
  • 防音対策のための設備を設置できるのか

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まとめ

いかがでしたか?

今回は自宅でトリミングサロンを開業する際に必要なことやメリットなどについて解説しました。

自宅で開くからこそ近隣トラブルや個人情報の取り扱いなどにはより一層注意したいところです。理想のトリミングサロンを開業するために、事前の準備やコンセプト作りを徹底して行いましょう。

この記事がトリミングサロンを開業する方の一助になれば幸いです。

この記事を書いた人
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