「技術には自信があるのに、なぜか2回目に繋がらない…」 サロンオーナー様にとって、リピート率の低迷は深刻な悩みですよね。
実は、お客様が来なくなる理由の第1位は「不満」ではなく、「なんとなくお店のことを忘れていたから」だと言われています。
だからこそ、記憶が鮮明なうちに「来店後のお礼メール」を送り、お客様の心にお店を「記憶」させることが重要なのです。
本記事では、美容室・エステ・整体・教室など、業種別に「そのまま使える例文テンプレート」と、忙しいあなたの代わりにメールを自動送信する「仕組み化」のコツを徹底解説。
たった1通のメールが、お客様を「一見さん」から「一生のファン」に変えます。
さあ、リピート率を上げる感謝の伝え方をマスターしましょう。
目次
なぜ「来店後のお礼メール」を送るだけでリピート率が変わるのか?

「メールを送るだけで、本当にまた来てくれるの?」と疑問に思うかもしれません。
しかし、お礼メールには、単なるマナー以上の「強力な心理的効果」が働いています。
まずはそのメカニズムを理解しましょう。
「単純接触効果」でお客様の記憶に残る
心理学には「ザイアンスの法則(単純接触効果)」というものがあります。
人は、接触回数が増えれば増えるほど、その相手に好意を持つという法則です。
「来店」で1回、「お礼メール」で2回、「翌月のキャンペーンメール」で3回。
このように接触頻度を意図的に増やすことで、お客様の中であなたのサロンは「知らない店」から「馴染みの店」へと変化します。
来店翌日というタイミングでメールを送ることは、記憶の定着を助け、「また行こうかな」という選択肢の中に残り続けるための最初の一歩なのです。
また来店直後のお礼メールと並んで、お客様との絆を深める重要なタイミングが「誕生日」です。
年に1度の最強の集客チャンスである「誕生日メッセージ」の書き方や自動化については、以下の記事で特集しています。
- あわせて読みたい: 誕生日メッセージ例文集!サロン・接客業でリピート率を上げるコツ
不満を吸収し、悪い口コミを防ぐ「防波堤」になる
お客様は、少し気になることがあっても、面と向かっては「良かったです」と言って帰るものです。
しかし、帰宅後に「やっぱりあの髪型、ちょっと変かも…」「揉み返しが痛いな」と不満が募ることがあります。
そんな時にお礼メールが届けば、お客様は「実はちょっと…」と返信で相談しやすくなります。
ここで誠実に対応できれば、不満は解消され、逆に信頼が高まります。
お礼メールは、Googleマップなどに悪い口コミを書かれるのを未然に防ぐ、大切なコミュニケーションの窓口でもあるのです。
「プロとしてのアフターケア」が信頼を生む
「売ったら終わり」ではありません。
「昨日の施術後、お肌の調子はいかがですか?」「水分を多めに摂ってくださいね」といった気遣いの言葉は、お客様に「私のことを大切にしてくれている」という安心感を与えます。
技術力だけでなく、「人柄」や「ホスピタリティ」で選ばれるお店になるために、アフターフォローのメールは欠かせません。
お礼メールは強力なツールですが、リピート率を上げる方法はそれだけではありません。
接客やメニュー作りでファンを増やす、具体的なリピート率アップの施策については、以下の記事で詳しく解説しています。
読まれる!感動される!お礼メールの書き方「5つのポイント」

ただ「ありがとうございました」と送るだけでは、その他大勢のメルマガと同じでスルーされてしまいます。
お客様が思わず笑顔になり、返信したくなるメールには、共通する5つのルールがあります。
ポイント1:タイミングが命。「当日」または「翌日」までに送る
お礼メールの効果は、時間が経てば経つほど薄れます。
ポイントは「鉄は熱いうちに打て」です。
お客様の興奮や感動が冷めない「来店当日(遅くとも翌日の午前中)」までに送るのがベストです。
1週間後に届いても、「今さら?」と思われてしまい、逆にマイナスの印象を与えかねません。スピード感こそが、誠意の証です。
ポイント2:件名は「店名+感謝」でシンプルに
メールボックスに並んだ時、一目で「どこの誰から」「何の用件か」が分かるようにしましょう。
- NG例: 「ありがとうございました」「こんにちは」
- (誰からか分からず、怪しまれて開かれない)
- OK例: 「【〇〇サロン】本日はご来店ありがとうございました!(担当:佐藤)」
- (店名と担当者名が入っており、安心感がある)
ポイント3:定型文はNG。「パーソナルな会話」を3割混ぜる
これが最も重要です。
ネットで拾ったテンプレートをそのまま送っていませんか?
お客様は「コピペされた文章」を敏感に見抜きます。
テンプレート(定型文)は全体の7割に留め、残りの3割には「そのお客様としか話さなかった内容」を盛り込んでください。
- 「施術中にお話しした、来週の旅行楽しんできてくださいね!」
- 「おすすめしたドラマ、私も見てみます!」
- 「ワンちゃんのお話、とても癒やされました」
この「私だけへのメッセージ」が入っているだけで、メールの価値は何倍にも跳ね上がります。
ポイント4:プロのアドバイス(アフターケア)を添える
単なる挨拶で終わらせず、プロとしてのアドバイスを添えましょう。
| 美容室 | 「明日の朝は、オイルを少し多めにつけるとまとまりやすいです」 |
| エステ | 「老廃物が流れやすくなっているので、お水を沢山飲んでくださいね」 |
| ネイル | 「乾燥しやすい季節なので、キューティクルオイルでの保湿がおすすめです」 |
こうしたアドバイスは、お客様にとって「有益な情報」となり、メールを開く理由になります。
ポイント5:強引な「次回の勧誘」はしない
初回のお礼メールでいきなり「次回予約はこちら!」「来週も来てください!」と強く押すと、お客様は引いてしまいます。
お礼メールの目的は、あくまで「感謝」と「信頼構築」です。
次回の案内は、「また〇〇様の笑顔にお会いできるのを楽しみにしています」といった、さりげない表現に留めるのがスマートです。
メール? LINE? DM? 最適なツールの選び方

「メールアドレスを聞くのが難しい…」というオーナー様も多いですよね。
現在はメール以外にも様々な連絡手段があります。
お店の客層に合わせて最適なツールを選びましょう。
LINE公式アカウント:開封率No.1の最強ツール
現在、店舗ビジネスで最も推奨されるのがLINEです。
- メリット: ほとんどの人が毎日見るため、開封率が圧倒的に高い。チャット感覚で返信をもらいやすい。
- デメリット: 「お友だち登録」のハードルがある。
- 対策: 会計時に「今日のアフターケア方法を送らせていただくので、登録お願いします」と案内するとスムーズです。
LINE公式アカウントは、メッセージ配信だけでなく、そのまま「予約」を受け付けるツールとしても優秀です。
リッチメニューの活用法や、予約システムとの連携方法については、以下の記事を参考にしてください。
- あわせて読みたい: LINE公式アカウントで予約を受け付ける方法|メリットと設定手順
Eメール(ショートメール):ビジネス層やPCユーザー向け
- メリット: 長文でも丁寧に想いを伝えられる。LINEを使っていない層にも届く。
- デメリット: 開封率が低い。迷惑メールに入りやすい。
- 活用: 予約システム経由で予約が入った場合、自動的にメールアドレスが取得できるため、「自動配信」と相性が良いです。
メールで送る場合、お客様のメールアドレスを安全に管理する必要があります。
紙のカルテからデジタル管理へ移行するメリットや、無料で使える顧客管理(カルテ)アプリについては、以下の記事で解説しています。
DM(手書きハガキ):アナログならではの温かみ
- メリット: 「手元に届く」特別感がある。高単価サロンや、デジタルが苦手な高齢者層に響く。
- デメリット: コストと手間がかかる。
- 活用: 初回のお客様や、誕生日などの特別なタイミングに絞って送る「プレミアムな手段」として活用しましょう。
【業種別】そのまま使える!来店後のお礼メール例文集
ここからは、業種ごとに最適なアプローチを盛り込んだテンプレートをご紹介します。
コピー&ペーストして、お店の雰囲気に合わせて調整してください。
1. 美容室・ヘアサロン編

美容室では、「自宅での再現性(スタイリング)」への気遣いと、「次回の来店目安(賞美期限)」を伝えることがポイントです。
【件名】
【{店名}】本日はご来店ありがとうございました!(担当:{担当者名})
【本文】
{お客様名}様
本日は数ある美容室の中から、{店名}にご来店いただき誠にありがとうございました。
担当させていただきました、{担当者名}です。
その後、ヘアスタイルの調子はいかがでしょうか?
今回は{施術内容(例:秋らしいアッシュカラー)}にさせていただきましたが、とてもお似合いでしたね!
★スタイリングのアドバイス
乾かす前に、毛先にオイルを少し馴染ませると、今日のようなツヤ感が長持ちします。ぜひ試してみてください。
【パーソナルな一言】
(例:おすすめしてくださったカフェ、帰り道に探してみますね!)
もし「もう少し切りたい」「セットしにくい」など気になる点がございましたら、1週間以内はお直し無料ですので、お気軽にご連絡ください。
また{お客様名}様にお会いできる日を楽しみにしております。
{店名}
{担当者名}
2. ネイル・まつげサロン編

ネイルやまつげは「持ち(持続性)」が重要です。
長持ちさせるケア方法と、万が一取れてしまった場合の「保証期間」を案内すると安心感が高まります。
【件名】
{お客様名}様、本日はありがとうございました💅({店名})
【本文】
{お客様名}様
本日は{店名}にご来店いただき、ありがとうございました!
今回選んでいただいた{デザイン名(例:べっ甲ネイル)}、季節感があって本当におしゃれでしたね✨
手元を見るたびに、{お客様名}様の気分が上がれば嬉しいです。
★長持ちのコツ
乾燥するとジェルが浮きやすくなりますので、寝る前に「ネイルオイル」で保湿してあげてくださいね。
【パーソナルな一言】
(例:来月の旅行、ネイルと一緒に楽しんできてくださいね!)
万が一、数日でパーツが取れてしまった場合などは、無料でお直しさせていただきますのでご連絡ください。
次回のご来店も心よりお待ちしております。
{店名}
{担当者名}
3. エステ・リラクゼーションサロン編

施術後の身体の変化(好転反応)や、水分補給の重要性を伝えることで、「プロとしての信頼」を獲得できます。
【件名】
【{店名}】ご来店ありがとうございます。施術後の体調はいかがですか?🌿
【本文】
{お客様名}様
本日は{店名}にお越しいただき、誠にありがとうございました。
久しぶりのリラックスタイム、ゆっくり過ごしていただけましたでしょうか?
今日は特に{気になる部位(例:肩甲骨周り)}が凝っていらっしゃいましたので、重点的にほぐさせていただきました。
★施術後の過ごし方
老廃物が流れやすくなっています。だるさが出ないよう、今日は常温のお水をコップ1〜2杯多めに飲んで、ゆっくりお休みください。
【パーソナルな一言】
(例:お仕事大変そうですが、無理せず息抜きしてくださいね。)
またお疲れが溜まる前に、いつでも羽休めにいらしてください。
{お客様名}様のまたのご来店をお待ちしております。
{店名}
{担当者名}
4. 整体・治療院・整骨院編

「痛み」を扱う業種では、翌日の状態確認と、自宅でできる簡単なストレッチなどを提案すると親切です。
【件名】
{お客様名}様、本日はご来院ありがとうございました({院名})
【本文】
{お客様名}様
本日は{院名}にご来院いただき、ありがとうございました。
院長の{担当者名}です。
施術後、{患部(例:腰)}の痛みはいかがでしょうか?
今日は骨盤の歪みを調整しております。一時的に筋肉痛のようなだるさが出る場合がありますが、回復の過程ですのでご安心ください。
★おすすめセルフケア
お伝えした「お尻のストレッチ」、お風呂上がりに30秒だけで良いので続けてみてくださいね。
【パーソナルな一言】
(例:週末のゴルフ、ベストスコアが出るよう応援しています!)
痛みが出にくい身体作りを一緒に目指していきましょう。
次回のご予約日にお待ちしております。
{院名}
{担当者名}
5. 教室・スクール・習い事編

ヨガ、料理、英会話などの教室では、「今日の学びの振り返り」と「次回の楽しみ」を共有することで、継続意欲を高めます。
【件名】
{お客様名}様、本日のレッスンお疲れ様でした!🧘♀️({教室名})
【本文】
{お客様名}様
本日は{教室名}の体験レッスンにご参加いただき、ありがとうございました!
初めてとは思えないほど、{褒めるポイント(例:ポーズが綺麗でした!)}でしたね。
楽しんでいただけましたでしょうか?
★本日のポイント
呼吸を止めないことを意識するだけで、効果が全然違います。お家でも思い出してみてくださいね。
【パーソナルな一言】
(例:質問してくださったウェアのブランド、次回詳しくお教えしますね!)
継続することで、必ず身体は変わっていきます。
これから{お客様名}様と一緒にレッスンできることを楽しみにしております!
{教室名}
インストラクター {担当者名}
【シーン別】初回・常連・久しぶり…相手に合わせた書き分け術
同じ「お礼メール」でも、お客様との関係性によって書くべき内容は変わります。
ここでは3つのパターンで書き分けるコツを紹介します。
「ご新規様(初回)」へのメール
目的
不安の解消と、2回目の来店動機作り。
ポイント
感謝を丁寧に伝える。
「もし合わなかったらどうしよう」という不安を消すため、お直し保証や相談窓口を案内する。
お店のこだわり(コンセプト)を短く添える。
「常連様(リピーター)」へのメール
目的
エンゲージメント(親密度)の向上。
ポイント
堅苦しい挨拶は抜きにする(「いつもありがとうございます!」でOK)。
施術内容よりも、会話の内容(雑談)をメインにする。
「〇〇さんのおかげで私も楽しかったです」と、担当者自身の感情を伝える。
「お久しぶり(再来)」のお客様へのメール
目的
再定着(完全復帰)へのサポート。
ポイント
「思い出して来てくれたこと」への特別な感謝を伝える。
空いていた期間のことは深く触れず、「またいつでも来てください」と敷居を下げる。
「やっぱりここは落ち着くな」と思ってもらえるような、変わらない温かさを表現する。
「毎回手動で送るのは無理…」を解決する自動化テクニック
「お礼メールが大事なのはわかったけど、毎日営業が終わった後に全員分打つなんて、体力が持たない…」
そう思われた方も多いのではないでしょうか。
実際、手動送信は「送り忘れ」や「誤送信」のリスクも高く、継続するのが難しいのが現実です。
そこで活用したいのが、予約システムの「サンキューメール自動配信機能」です。
「来店翌日の正午」に自動セットするのが正解
多くの予約システムには、「来店日時から〇時間後に、予め設定したメールを自動で送る」という機能が付いています。
これを使えば、あなたは何もする必要はありません。
おすすめの設定は「来店翌日の お昼12:00頃」です。
- 当日夜: お客様も疲れていたり、家事で忙しかったりする可能性があります。
- 翌日昼: ランチタイムなどでスマホを見る余裕があり、昨日の余韻に浸ってもらいやすいタイミングです。
「自動配信メール」や「顧客管理(CRM)」に強いシステムをもっと比較検討したい方は、以下の決定版記事も参考にしてください。
テンプレート+「一言メモ」で効率化
完全自動化も便利ですが、さらに丁寧さを出すなら「一部手動」のテクニックもあります。
予約システムの「顧客カルテ」や「メモ欄」に、施術中の会話をメモしておき、自動配信メールの一部だけ書き換えて送る方法です。
これなら、イチから文章を考える手間を省きつつ、5つのポイントで解説した「パーソナルな一言」を盛り込むことができます。
面倒なメール送信を「全自動」に。スマホひとつで顧客管理ができる「freee予約」
個人サロンや教室運営において、顧客管理やメール送信は大きな負担です。
そこで、今回ご紹介した「来店後のお礼メール」を、誰でも簡単に自動化できるアプリ「freee予約」をご案内します。
freee予約なら、スマホアプリひとつで「予約管理」から「顧客情報の蓄積」、そして「サンキューメールの自動送信」まで完結します。
- 面倒な宛名書きやコピペ作業は一切不要
- 「来店から〇日後」にシステムが自動でお礼メールを送信
- 次回予約のリンクも自動で挿入され、リピート率アップ
「ITツールは難しそう…」と不安な方でも大丈夫。
直感的な操作で、驚くほど簡単に設定できます。
まずは以下のリンクからアプリをインストールして、その便利さを無料で体験してみてください。
あなたの事務作業を減らし、お客様と向き合う時間を増やしましょう。
まとめ│たった1通のメールが、お客様を「一生のファン」に変える

ここまで、来店後のお礼メールの書き方から自動化テクニックまでを解説してきました。
「たかがメール」と思うかもしれません。
しかし、数あるお店の中からあなたを選んで足を運んでくれたお客様に対し、「来てくれて嬉しかった」「また会いたい」という気持ちを言葉にして伝えることは、接客業における基本であり、最強の戦略です。
- 記憶に残るタイミングで送る(翌日まで)
- 定型文に「私だけのメッセージ」を添える
- 自動化ツールを使って、無理なく続ける
この3つを意識するだけで、あなたのサロンのリピート率は確実に変わります。
ぜひ、今日来店されたお客様に、感謝の気持ちを一言送ってみてください。
その小さな積み重ねが、将来のお店を支える「太いファン層」を作ってくれるはずです。



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