エステサロンにおいて、カウンセリングとはお客様の現状や要望などを聞き取り、お客様にとって最適な施術を行うために欠かせないものです。カウンセリングによって、お客様のサロンへの満足度が左右されるといっても過言ではありません。
そこで今回はエステサロンで効果的なカウンセリングを行うために大切なことを詳しく解説します。
なぜエステサロンでカウンセリングが大切なのか
エステサロンでのカウンセリングは、お客様への施術の第一歩と言えます。
エステのサービスを効果的なものにするためや、お客様の満足度を高めるためにも、まずカウンセリングでお客様の悩みを聞き、施術の方向性を決める必要があります。
カウンセリングを重視しているサロンは人気もあります。カウンセリングでお客様の悩みを理解することで信頼関係を築き、その後もリピーターになってくれる確率が高くなるからです。
また、カウンセリングシートなどにお客様の情報をまとめると、スタッフ間での情報の共有もしやすくなります。
エステサロンでカウンセリングを行う目的
エステサロンでカウンセリングを行う目的は、お客様がなぜ来店したのかを聞き、どのような部分に悩みを持っていて、どう変えていきたいのかを聞き出すことで、質の高いエステのサービスを提供することにあります。
カウンセリングの目的をまとめると以下のようなポイントがあります。
- お客様の悩みを聞く
- エステサロンが施術の提案をする
- 施術を安全に行う
- お客様との信頼関係を築く
- お客様の満足度を高める
良いカウンセリングは良いエステのサービスにもつながり、お客様に継続的にサロンに通うリピーターになってもらうためにも大切です。
エステサロンのカウンセリングで聞くことは?
カウンセリングで聞くことは、お客様の個人情報やエステの経験などです。いくつか聞いておいた方が良い項目を説明します。
個人情報
氏名や連絡先、年齢といった個人情報を確認しましょう。
予約システムを導入していると、お客様が予約時にすでに入力している部分もあると思うので、その場合は省略して他のカウンセリングに時間を使うことができます。
来店理由、お客様の悩み
お客様がどうして来店したのかというのは、聞くべき最も重要な点と言えます。
何かしらの悩みを持って、それを改善するためにエステに来ていることがほとんどだと思いますので、時間をかけて聞きましょう。
それによってエステサロン側が提案する施術内容やコースというような、お客様に最適な施術を提供することができます。
エステの経験
カウンセリングの際には過去に受けた施術の経験についても確認しましょう。
他の店に通っていたのに、それをやめて来店したのであれば、前の店に何か不満だった部分もあると思います。それを聞ければ、自身のサロンで提案できるサービスにもつなげられます。
時にはエステに来店するのも初めてというお客様もいると思います。お客様が初めてのケースではわからないことも多く、緊張もあるので、リラックスしてカウンセリングを受けられるようにすることや、丁寧な説明を意識すると良いでしょう。
健康状態
お客様の健康状態については、必ず確認しなければなりません。
例えば、妊娠している方やヘルニアがある方など、お客様の体の状態によって提供できない施術があるからです。
本来は行ってはいけない施術をしてしまうと、体調不良や肌のトラブルにつながってしまいかねません。安全に施術を受けてもらうためにも必要な部分です。
また、アレルギーの有無についても聞きましょう。
施術で化粧品を使うこともあると思いますが、お客様の体質に合う、合わないも含め、過去に肌トラブルが出てしまったような化粧品があれば、確認が必要です。
ライフスタイル
お客様の普段の生活についても可能な範囲で聞きましょう。
仕事をしているのか、主婦なのか、デスクワークが主体なのか、立ち仕事など体を動かすことが多いのかなど、お客様のライフスタイルによって体の悩みも変わってきます。
痩身エステやボディエステの場合は、食生活や運動の習慣についても確認すると、効果的な施術につなげることができます。
お客様の要望
お客様の中には施術中の会話はなるべくしたくない方や、化粧品などの物販を希望しない方もいると思います。
そうした方がストレスを感じないためにも、事前に望まないサービスについてはお客様の要望を確認しておいた方が良いでしょう。
エステサロンでのカウンセリングのコツ
お客様の悩みを聞き出すために、カウンセリングにはいくつかのコツがあるので紹介します。
お客様に親身になって話す
お客様との信頼関係を築くためには、まず親身になって話すことが大切です。
悩みを持ったお客様からすると、エステティシャンが親身になって共感してくれれば、気になっている部分を話しやすくなります。
明るく笑顔で目を見て話す
目を見て話すのはコミュニケーションの基本でもあります。
また、明るく笑顔な人に対しては親近感を抱く人が多いと思います。そのため、お客様に対しても明るく笑顔で、目を見て話すことを心がけましょう。
ただ、お客様がとても緊張していて目を合わせないこともあるかもしれません。そのような時は、無理に目を合わせず、時間をかけて緊張をほぐし、慣れてきたらお互いが目を合わせるということも必要です。
あくまで聞き役に徹する
エステティシャンが矢継ぎ早に質問したり、長く説明を続けたりするのではなく、聞き役に徹することが大切です。
お客様が話している間は、さえぎって次の質問や話題を向けることはせず、相槌を打って耳を傾けましょう。エステティシャンも焦らず、落ち着いてお客様の声を聞くことが大事です。
一生懸命に話を聞いてくれる人には、お客様も悩みを話しやすいでしょう。
お客様の要望を的確に聞き出す
お客様が何に悩んでいて、どのように改善したいのかを的確に聞き出しましょう。
時には聞きづらい部分や、お客様のプライベート的な部分を聞かなければいけないこともあるでしょう。その場合は「差し支えなければ」、「よろしければ、詳しくお聞きしたいのですが」というように、ワンクッション置いて、お客様への気遣いを心がけましょう。
一言あるだけで、お客様が話しやすくなることがあります。
専門用語はわかりやすく
専門用語はわかりやすく伝えましょう。
お客様もエステに通い慣れた方や初めての方など様々だと思います。エステティシャン同士では使い慣れた用語であっても、お客様にとってわかりやすいかどうか、考え直して伝えることが大切です。
デメリットも話す
エステの施術内容によってはデメリットもしっかりお客様に伝えることが大事です。
例えば、痩身エステでは施術後に「揉み返し」という痛みを感じることもあること、効果を得るために継続的に通った場合の費用など、お客様の負担になることは丁寧に説明しましょう。
デメリットも伝えることで、お客様の信頼度を高めることもできます。
カウンセリング時の注意点
お客様の個人情報を聞き出すカウンセリングには、いくつか注意すべき点があります。
プライバシーをしっかりと守る
お客様の情報をしっかりと守ることは特に重要です。
プライバシーポリシーなどを定めて、お客様にも説明し、個人情報の漏洩が無いように気をつけなければなりません。
押し売りは行わない
無理な勧誘や押し売りはやめましょう。
お客様にとっては、必要以上のサービスや化粧品などの物販はストレスとなります。必要ないメニューや商品の説明は時間の無駄と感じる人もいると思いますし、それが理由で次回の来店をやめてしまうお客様もいるでしょう。
良いサービスや商品で勧めたい場合も、「もしよろしければ」のような軽い表現にするなど、強引な印象を与えないような注意が必要です。
カウンセリングを場面ごとに詳しく解説
エステサロンでのカウンセリングの基本的な流れを場面ごとに解説していきます。
施術前のカウンセリング(プレカウンセリング)
エステの施術前のカウンセリングは、プレカウンセリングと呼ばれています。初めて来店したお客様には必ず行うものです。
お客様に関する以下の情報を聞きながら、施術内容を決めるので特に大切になります。
- 個人情報の確認
- カウンセリングシートの記入
- エステの施術内容の説明
- 料金の説明
- 来店理由の確認
- 健康状態の確認
- ライフスタイルの確認
施術中のカウンセリング(イン・ミドルカウンセリング)
エステの施術を始める時や施術中に行うカウンセリングをインカウンセリング、ミドルカウンセリングと言います。
メイクを落とした状態の肌を見たり、実際に体に触れたりして、エステティシャンがお客様に感想を伝えるタイミングにもなります。
プレカウンセリングで聞いた悩みを共感したり、確認したりすることが重要になります。実際にお客様の肌や体の状態を見て声をかけるので、施術中の方がお客様から聞き出せる情報もあり、すぐにメモが取れない場合は気になったことは記憶しておくことが大切です。
ただ、中には話しかけられたくないお客様もいることや、言葉選びには注意が必要です。
施術後のカウンセリング(アフターカウンセリング)
施術後に肌や体の状態を確認し、お客様の要望を聞いたり、今後の改善策を提案したりするのがアフターカウンセリングです。
エステティシャンの目線でお客様に起きた変化を伝えることや、お客様が変化を実感できた部分を聞くことが主なポイントです。
効果が十分に感じられていれば継続的な施術の提案ができますし、もし変化が実感できない場合や時間がかかりそうな場合は次回以降の施術の提案ができると思います。
エステサロンがお客様との信頼関係を築くためにも、リピーターとして継続的に通ってもらうためにも重要な時間です。
さらに効果的なカウンセリングをするために
効果的なカウンセリングを行うために、工夫できるポイントを紹介します。
カウンセリングルームはリラックスできる環境に
カウンセリングを行う部屋は、できるだけお客様がリラックスできる空間作りを意識しましょう。
快適な温度や照明はもちろんのこと、アロマキャンドルやお香、音楽などもお客様がリラックスできる効果があるものなので取り入れたいです。
緑の植物や花も、カウンセリングルームの雰囲気にプラスになります。
座る位置に気を配る
お客様とエステティシャンが座る位置について、正テーブルの角を挟んでハの字のように2人が座るのが打ち合わせやカウンセリングに適していると言われています。
「90度法」と呼ばれ、常に目を合わせる必要がないため、初めての相手とでもコミュニケーションがとりやすくなるとされています。
向かい合って座るのも一般的ですが、エステティシャンがカウンセリングしやすい、お客様が話しやすいと感じる方法を選ぶと良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
エステサロンでのカウンセリングの重要性やポイントについて説明してきました。お客様により良いサービスを提供するためには、エステの施術と同じくらいカウンセリングも重要だと言えます。
お客様の悩みを的確に聞き出すカウンセリングを意識して、良いサロン作りにつなげてください。
この記事がエステサロンを経営、開業される方の一助になれば幸いです。
コメント