従業員を雇わずオーナーのみで運営する「1人美容室」は自由度が高く、お客様と親密な関係を築くチャンスが豊富ですが、安定した収入を得るためには効果的な集客と経費管理が不可欠です。
この記事では、1人美容室の収入の仕組みや経費の詳細、SNSを活用した集客方法やリピート率を向上させるコツなど、実践的なアドバイスを紹介します。
1人美容室の収入はどれくらい?
一般的に、美容室の収入は「売上-経費」で算出します。
売上は客単価や客数、サービス料金などにより決まります。経費は光熱費や備品代、人件費などの合計です。1人美容室の場合は人件費がかからないので、その分を抜いて経費を算出することになります。
一般的な美容室では売上の80%を経費が占めており、そのうちの35%が人件費とされているため、1人美容室は売り上げの55%が収入と考えられます。
平日は1日5人、休日は7人のお客様が来店されると仮定すると、
- 平日の場合
- 1日の売り上げ:6,000×5=30,000円
- 1ヶ月の売り上げ:30,000×4日×4週=480,000円
- 1年の売り上げ=480,000×12=5,760,000円
- 休日の場合
- 1日の売り上げ:6,000×7=42,000円
- 1ヶ月の売り上げ:42,000×1日×4週=168,000円
- 1年の売り上げ=168,000×12=2,016,000円
となり、合計は以下になります。
- 合計5,760,000+2,016,000=7,776,000円
売り上げの55%が収入と考えた場合、年間収入は約4,276,800円となります。
そもそも美容師の平均年収は?
令和5年賃金構造基本統計調査によると、全国の美容師の平均年収は379.7万円と言われています。
国税庁が実施した令和4年の民間給与実態統計調査によると全職種における正社員の平均給与が458万円なので、それと比較すると美容師の平均年収は低めな傾向にあると言えるでしょう。
また、美容師はキャリアをお客様のシャンプーやカラーリング剤の作成などを行うアシスタントとしてスタートすることが多く、その場合この平均年収よりも低い賃金の傾向にあります。
1人美容室の運営にかかる費用は?
1人美容室を運営するには、以下のような経費がかかります。
家賃
かかる家賃は店舗の規模や立地により異なります。また、自宅か賃貸マンションかテナントかなど、契約条件でも変わってきます。
自宅の場合はもちろん家賃はかかりませんが、賃貸マンションの場合は、8〜20万円ほどの家賃に加え、敷金礼金を支払う必要があります。よって合計30〜60万円くらいの初期費用がかかってきます。
テナントの場合月々約10〜50万円の家賃に加え、入居時に賃料の6〜12ヶ月分の保証料を支払う場合が多いです。以上より50〜100万円はかかると考えておきましょう。
光熱費
光熱費には、水道代、ガス代、電気代などが含まれます。
光熱費は店内を明るく清潔感のある空間に保つために必須の費用なので、一定金額は毎月必ずかかってしまいますが、目安として売り上げの10〜15%ほどに抑えられると良いでしょう。
使わない部屋の電気は消す、水を出しっぱなしにしないなどの対策で出費をなるべく抑えることが大切です。
美容材料費
美容材料費には施術に使うシャンプーやトリートメント、カラーリング剤、パーマ液などが含まれます。
いい製品を使うほど効果も高まり、お客様の満足度向上が期待できますが、経費をかけすぎると経営を圧迫する原因になります。
そこで一つの目安として、美容材料費には売り上げの5〜10%ほどをかけると良いと言われています。
広告宣伝費
お客様を集めるには広告にもお金をかける必要があります。SNSなど無料で運用できるものもありますが、ホットペッパービューティーなどのクーポンサイトへの掲載やインターネット広告、チラシ制作には費用がかかります。
有料の広告費については他の経費とのバランスを見ながら運用することをおすすめします。
費用をかける目安としては売り上げの10%ほどが望ましいでしょう。
衛生用品費
衛生用品費には、手袋やマスク、シーツや清掃用具などお客様に施術する際にスタッフが使う備品やサロンを綺麗に保つための備品が含まれます。
お客様に対し清潔で快適な施術を行うためには0にすることができない費用のため、あまり切り詰めようとしすぎる必要はありませんが、仕入れには1人美容室の場合売り上げの5%ほどを目安にすると良いでしょう。
保険や税金、借金の返済など
美容室を開業する際に、日本政策金融金庫などから融資を受けている場合もあるでしょう。
その場合は月々決まった額を返済する必要があります。
また、いざという時の保険や所得税、事業税などの税金も年間数十万円発生します。
1人美容室の収入を上げるには?
収入を上げるコツを押さえることで、より効率的に経営の改善が図れます。以下で解説します。
経費を抑える
経費を抑えることで、余分なコストが省かれ、結果的に収入の増加につながります。
経費の抑え方の例としては光熱費の節約や美容材料費の削減、広告宣伝費の調整などがあります。
光熱費の節約には省エネ型の電気器具を使用する、使わない部屋の電気をこまめに切る、といった方法が効果的です。
美容材料費の削減には、仕入れ先の見直しや大量購入による割引を受ける、と言った方法が考えられます。
広告宣伝費を調整するにはインターネット広告などの有料広告の量を減らし、その分SNSによる宣伝など無料でできるものに力を入れる、と言った方法が考えられるでしょう。
リピート率を向上させる
リピート率の向上は、経営の安定に不可欠な要素です。
リピート率を上げるには、毎回の施術での丁寧な接客やアフターサービスの充実などが効果的です。
アフターサービスは、定期的な電話やメールで術後の様子を伺ったり、次回の来店で使えるクーポンの配布などを行ったりすると良いでしょう。
客単価を上げる
お客様一人一人に多くのサービスを利用していただき、客単価を上げることも利益増加に効果的です。
客単価を上げるには、
- セットメニューの提案
- 追加メニューの充実
- 高単価なメニューを取り入れる
などの手段があります。
新規顧客の獲得
新規顧客の獲得は、収入の増加に直結します。
新しいお客様に来店していただくには、オンライン・オフラインの方法を用いた宣伝が効果的です。
オンラインでは、SNSを活用して店の雰囲気や魅力を伝えたり、ホームページの作成やインターネット広告の強化などを行います。また、オフラインでの宣伝はチラシを近隣に配ったり、地域コミュニティに参加して美容室の存在を認知してもらう、と言った方法があります。
集客方法については、以下の「1人美容室におすすめの集客方法」で詳しく解説するのでぜひご覧ください。
1人美容室におすすめの集客方法
1人美容室を安定して経営するためには効果的な集客が鍵になってきます。以下でぜひ活用していただきたいおすすめの集客方法を紹介します。
SNSの活用
Instagramやfacebook、X(旧Twitter)を活用することで不特定多数に店の雰囲気やサービスを知ってもらうことができます。
特にInstagramやXは視覚的に情報を伝えられるので、施術前後のヘアスタイル写真などを投稿し技術力のアピールができるでしょう。
さらにフォロワー限定のキャンペーンなどさまざまな企画により集客効果を高められます。
ホームページの作成
ホームページを持つことで、信頼感とブランドイメージを向上させることができます。
さらに、SNSよりも詳細に店の雰囲気や強みをアピールできるので、SNSと組み合わせて使うと集客効果がより高まるでしょう。
内容としては、
- サービス内容
- 料金設定
- スタッフ紹介
- アクセス・周辺地図
などは最低限入れると良いでしょう。
ホームページを作るには業者に依頼する方法と自作する方法があります。
業者に依頼するとよりクオリティの高いものが作れますが、費用をあまりかけたくない場合は自作が良いでしょう。最近は比較的低価格でテンプレートから簡単にサイトを自作できるものもあるので、ぜひ使ってみてください。詳しいホームページ作成ツールに関しては以下の記事で詳しく解説しています。
チラシの配布
チラシはアナログな集客方法として有効です。チラシを配布する際には、分かりやすいデザインにすることが非常に大切です。サービスを知ってもらえるよう、多くの情報を入れてしまいがちですが、そうすると見づらいチラシになり魅力が上手く伝わりません。
そのため、情報は重要なものをピックアップして載せるようにしましょう。
また、チラシには割引クーポンやキャンペーンのお知らせなどを載せるとより効果的です。
おすすめのチラシ作成アプリは以下の記事で解説しています。
紹介カードの導入
既存のお客様の紹介を通じて新規顧客を獲得する方法です。来店されたお客様に紹介カードを渡し、友人や家族に紹介してもらうことで紹介する側も、紹介された側も割引などの特典が受けられます。
新規のお客様でも知人から紹介されているので安心して利用できますし、紹介したことでリピート利用にもつなげられるので、とても有益な集客方法と言えるでしょう。
また、紹介特典の割引率については店の売上をみながら赤字にならないような調整が必要です。
まとめ
いかがでしたか?
ここまで、1人美容室の収入や経費、具体的な集客方法などについて解説しました。
1人美容室の収入は、客単価や客数、経費の管理に大きく影響されます。SNSの活用やリピート率の向上、経費の削減といった具体的な手法を取り入れることで、効率的な経営が可能です。この記事で解説したポイントを押さえ、1人美容室の成功を目指しましょう。
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