リラクゼーションサロンの開業は、開業に特別な資格が必要なく、開業資金も比較的安く抑えられることから、美容業界では人気の開業形態です。ですが、そんなリラクゼーションサロンの開業を考えているけれど、経験がないから不安だという方も多いのではないでしょうか。未経験でもリラクゼーションサロンを開業できるのか、疑問に思う方もいらっしゃると思います。
そこで今回は、未経験でもリラクゼーションサロンの開業ができるのかについて徹底解説します。また、実際の開業のステップも詳しくご紹介します。
未経験でもリラクゼーションサロンは開業できる?
「未経験だとリラクゼーションサロンは開業できないのかな」と不安に思う人もいるかもしれません。実際、未経験でもリラクゼーションサロンは開業できます。
以下では、なぜ未経験者でもリラクゼーションサロンを開業できるのかについて理由を詳しくご紹介します。
資格がなくても開業できる
リラクゼーションサロン開業には、特別な国家資格や民間資格は必要ありません。そのため、経営ノウハウや施術に必要な場所、物品などを準備さえすればすぐにでも開業可能です。
もちろん、お客様に満足してもらえるマッサージやエステなどをするためには技術やスキルは必要です。しかし、リラクゼーションサロンの開業をするハードルは、他の業種よりもかなり低く、未経験でも自分のお店を持つ夢を叶えられますよ。
少ない資金から始められる
未経験でもリラクゼーションサロンを開業できる理由として、少ない資金から始めることができる点があげられます。
例えば、自宅を使った隠れ家的なサロンは、家賃・空調設備などにお金を使うことなく、物品さえ揃えればすぐにお客様に施術ができる環境を作れます。ベッドやタオル、椅子などの購入するべき物品は約30万円程度と、とても低いコストで開業が可能です。
自己資金だけでなく、補助金や助成金などで開業資金を集めて、夢が詰まったサロンをオープンさせましょう。
未経験者がリラクゼーションサロンを開業するためのステップ
開業を初めて行う人は、何から手をつけていいかわからずに困っているのではないでしょうか。
以下では、未経験者がリラクゼーションサロンを開業するための12ステップを詳しくご紹介します。開業を志す人は、以下のステップを参考に進めてみてはいかがでしょうか。
リラクゼーション・エステの技術を身につける
リラクゼーションサロンのオーナー兼セラピストとして開業する場合、リラクゼーション・エステの技術を身につけることは必須です。
リラクゼーションのスキルを身につける3つの方法の、特徴やメリットをご紹介します。
独学
リラクゼーションのスキルを本やYouTube動画などを使って独学で身につけることも可能です。
独学での学習は、自分のペースで学習でき、専門学校に通うことと比べて費用が安く済むのがメリットです。
ですが一方で、疑問点や不明点を即座に解決することが難しかったり、体系的に学びにくく、知識や技術に偏りが出る可能性がある場合があります。そのため、お客様に満足してもらえる施術ができるようになるためには、家族や友人にリラクゼーションを行い評価してもらうことをおすすめします。
また、知識がしっかりと身についたことを確認するために、資格の取得もおすすめです。以下の記事では、リラクゼーションサロンの開業に役立つ資格も紹介しているので、チェックしてみてください。
専門学校
より実践的にリラクゼーションを学びたい人は、専門学校をおすすめします。専門学校では、2年間かけてリラクゼーションの基礎から応用を学べます。学費だけではなく、長い時間がかかってしまいますが、包括的にリラクゼーションを学びたい人におすすめです。
また、あまり時間をかけたくはないがプロに教えてもらいたいという人は、短期講座がおすすめです。1日〜数日にかけてみっちりとリラクゼーションのことを学べます。
通信教育
忙しい主婦(主夫)や社会人は、通学時間があり学費の問題もある専門学校には通いづらいですよね。そんな人は時間にとらわれずに勉強できる通信教育がおすすめです。
通信教育ではリラクゼーションのプロが監修した最新の技術を学ぶことができます。また、1日の学習時間は15分程度から。仕事や家事で疲れた後でも、隙間時間で夢を叶える勉強ができますよ。
参考:資格のキャリカレ「リラクゼーション整体ボディケアセラピスト講座」
傾聴スキルを身につける
お客様の話を聞く際は、ただ話を聞くのではなく「傾聴」することが大切です。傾聴とは、お客様の心に寄り添って、目・耳・心を傾けて話を聞くことをいいます。
傾聴スキルに関する本はたくさんあるため、本を読んで話を聞くことの意識を変えましょう。
リラクゼーションサロンでは、お客様と一対一で向き合う時間も多いもの。リラクゼーションを通じて、お客様が体や心に感じている不安や悩みと真摯に向き合い、傾聴することで信頼されるセラピストになれるでしょう。
美容や健康に関する正確な知識を取り入れる
お客様の悩みを聞き「それは大変でしたね」と相槌を打つだけではなく、美容や健康に関する適切なアドバイスをすることで、信頼されるセラピストになることが可能です。
お客様の相談に適当に答えるのではなく、生理・解剖学などの科学的知識を持った回答をできるようになるとGOOD。美容や健康に関する論文や信頼できる本を読んで、お客様の悩みを根本的に解決できるようになりましょう。
経営ノウハウを勉強する
リラクゼーションサロンのオーナーはセラピストであると同時に、経営者でもあります。経営についての知識がなければ、集客できないお店になってしまう可能性があります。
経営に関する本を読む・セミナーを受講する・コンサルに相談するなどの方法で、経営について学んでいきましょう。以下では、経営を学ぶ3つの方法について詳しくご紹介します。
経営に関する本を読む
経営について全く知識がない人は、成功した経営者の本を読んで、経営とはどういうことなのかを理解することから始めましょう。
例えば、京セラの名誉会長である稲盛和夫さんの『経営12カ条 経営者として貫くべきこと』では、経営者としての長い人生で得た経験を12個の要点に絞って紹介しています。また、「サロン開業・経営の教科書」では、小規模サロンを開業する際の経営ノウハウについて学ぶことができます。
このような経営に関する本を読み、自分のサロンをどのように運用するかを考えるヒントにしましょう。
セミナーを受講する
小規模のリラクゼーションサロンに特化した経営者の話を聞いてみたい人は、セミナーを受講することをおすすめします。たった数時間で相手の人生経験が詰まった話を聞けることがセミナーを受講するメリットです。
セミナーと聞くとハードルが高そうに感じますが、無料で受けられるセミナーも多数あります。勉強できるだけではなく人脈作りにもなり一石二鳥なので、気になるセミナーを探してみることをおすすめします。
コンサルに相談する
自分だけでは経営をうまくやれる自信がないという人は、経営コンサルタントに相談をしましょう。
経営コンサルタントとは、リラクゼーションサロンの経営状況を客観的に判断し経営に関するアドバイスをしてくれる、経営に関するプロです。経営についての知識が豊富なので、困っていることを解決してくれたり、新しい政策を考えてくれたりします。
一口にコンサルタントといえども、人によってその能力やスキルは異なります。コンサルの話を鵜呑みにせず、自分の力で考えるためにも本やセミナーでの勉強は必須ですよ。
ターゲットを明確にする
リラクゼーションサロンの開業や運用する知識を身につけたら、具体的にどのようなサロンを作るのか考えていきましょう。サロン物件を選ぶ・サロンのコンセプトを決めるなどを行う前に、ターゲットを明確にすることが大切です。
ターゲットとは、マーケティング用語で、お客様の属性や性別、趣味嗜好、金銭感覚などを分析し、お店に来ることが想定できる客層のことをいいます。
例えば
- 20代前半の女性
- 韓国アイドルが好き
- 美容に月2万程度かける
- 肌に悩みがある
などと、具体的にイメージし、書き出しましょう。
ターゲットを明確にすることで、その相手に合わせたコンセプトやサロン物件を決めることができますよ。
リラクサロンの物件を選ぶ
ターゲットを決めたら、リラクゼーションサロンの物件選びを開始しましょう。
リラクゼーションサロンの物件は、自宅物件・居抜き物件・テナント物件などがあります。物件を決めるときは、賃料だけではなくターゲットが来てくれる場所や雰囲気であるかなどを総合的に考えて決めることをおすすめします。
また、マンションなどの賃貸物件を検討している方は、物件が事業用として対応しているかの確認を忘れないようにしましょう。
リラクサロンの物件を選びに困っている人は以下の記事も参考にしてみてください。
開業資金を集める
リラクゼーションサロンの物件を決めたら、開業まで後少しです。リラクゼーションサロン開業に必要な資金を計算し、開業資金を集めましょう。
リラクゼーションサロン開業にかかる費用は以下のものがあります。
- 賃貸料
- 不動産の仲介料
- 改装費
- 備品代
- 広告費用
物件などによって、賃貸料・不動産の仲介料などが異なるため、見積もりをもらって開業に必要になる資金を計算しましょう。
開業資金を集める方法は、貯金だけではなく「補助金」を使える点がポイント。助成金や補助金を使って、効率的に開業資金を貯めることをおすすめします。
どのような補助金や助成金が使えるかを知りたい人は以下の記事もチェックしてみてください。
物品を揃える
リラクゼーションサロンの物件が決まったら、物品を揃えましょう。
リラクゼーションサロンに必要になる物品は、どのようなサービスを提供するかによって異なります。
一般的には
- 施術用のベッド
- タオル
- 椅子
- スチーマー
- アロマオイル
- 加湿器
- アメニティ
- 電卓
などが必要になります。自分のサロンに必要なものは何かを考え、購入してくださいね。
おすすめのマッサージベッドについては、以下の記事でご紹介しています。
決済方法の準備をする
キャッシュレス化が推進される現代、現金を持たないお客様も多くなっています。個人経営のお店では手数料が痛手ですが、カード決済やキャッシュレス決済などを導入するのも一つの手です。
カードやキャッシュレス決済は審査期間があるので、物件が決まったらなるべく早く申請を行いましょう。
現金決済のみで経営するサロンの場合、ホームページやSNSなどで「決済方法は現金のみ」と伝える必要があります。手持ちがなくてお金が払えないというトラブルを回避するためにも、サロン情報を伝えることは大切です。
便利なiPadで使えるPOSレジアプリについては、以下の記事でご紹介しています。
ネット予約システムを導入する
お客様がスムーズに予約できるように、ネット予約システムを導入することをおすすめします。
ネット予約システムtol(トル)は、無料で使用できる予約管理アプリ。iPhoneやAndroid、タブレットなどでアプリをダウンロードすることで使用できます。
tol(トル)は無料で使用できる上に、予約ができる上限や機能の制限がなく、未経験でリラクゼーションサロンを開業したい人におすすめのアプリです。SNSやホームページに追加するだけで、ネット予約機能が使えるようになりますよ。
SNSなどでお店を宣伝する
リラクゼーションサロンは、開業のハードルが低いため、たくさんのリラクゼーションサロンが日々開業しています。特に近くのリラクゼーションサロンはお客様を取り合うライバルになってしまう可能性が高いです。
同業他社と比べて優れている点がなければお客様は自分のサロンを選んでくれません。SNSなどでサロンのメリットや優れている点などをアピールし、お店を宣伝しましょう。
SNSの中でも、Instagram(インスタグラム)やFacebook(フェイスブック)は、集客に向いているツールの一つです。それらをつかった集客方法について、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
人とのつながりを大切にする
最後に、リラクゼーションサロンに来てくれるお客様とのつながりを大切にしましょう。
新しいお客様を紹介してくれたり、何度も来店してくれる常連客になってくれたりと、リラクゼーションサロンの運営において助けになってくれます。
また、経営者同志の集まりやセミナーなどに顔を出すことで、新しい考え方や知識を身につけられます。オンラインサロンやSNSの同業者などとつながり、人脈を広げてみるのもおすすめです。
未経験でリラクゼーションサロンを開業する際の注意点
未経験でリラクゼーションサロンを開業することは簡単なことではありません。以下では、開業する前に知っておきたい、未経験でリラクゼーションサロンを開業する際の注意点についてご紹介します。
治療目的の施術は資格が必要
治療目的のマッサージや、鍼灸(はり、きゅう)などを使った施術は、国家資格が必要です。
例えば「脱臼を治すマッサージ」を資格を持っていない人が施術すると、法律違反になるため、注意しておきましょう。
治療目的のマッサージや小顔矯正などをしたい人は、柔道整復師・按摩鍼灸師などの国家資格を取ることをおすすめします。
リラクゼーションサロン開業は儲かるとは限らない
リラクゼーションサロンは未経験でも比較的簡単に開業できますが、必ず儲かるとも限りません。
リラクゼーションサロンだけで生計を立てるためには、経営戦略や知識、SNSを使用した宣伝などに力をいれる必要があります。簡単に開業できても、簡単に儲けられる業種ではないことを覚えておきましょう。
隠れ家サロンは失敗しやすい
一般的に、プライベートサロンや自宅サロンなどの隠れ家サロンは失敗しやすいと言われています。
失敗しやすいと言われる理由は多々ありますが、「隠れ家サロン=怖い」というイメージが広まっていることが影響していると考えられます。
隠れ家サロンは失敗しやすいと言われていることを理解し、それに対して対策を行う必要があることを覚えておきましょう。
お客様からの恐怖心を払拭するコツについて、以下の記事で解説しています。
まとめ
いかがでしたか?
本記事は、未経験でもリラクゼーションサロンを開業できる理由や、開業までの12ステップについて詳しくご紹介しました。
リラクゼーションサロンの開業には、リラクゼーションのスキルや、傾聴スキル、経営ノウハウなど勉強するべきことはいっぱいあります。ですが、準備を徹底することで未経験でもリラクゼーションサロンは開業可能です。
この記事がリラクゼーションサロンを開業したい方の助けになれば嬉しいです。
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