LINE公式アカウント(旧LINE@)は、今やサロン、飲食店、スクールなど、業種を問わずお客様とのコミュニケーションに必須のツールです。
クーポン配信やチャット対応に活用する中で、「このままLINEで予約管理までできたら、どれほど効率的だろうか」「DMでの予約日程の往復作業を自動化したい」と考えるオーナー様は非常に多いのではないでしょうか。
しかし、多くの方が直面する問題は、LINE公式アカウント単体には「予約機能」が標準搭載されていないという事実です。
予約を受け付けるには、結局手動でチャット対応するしかなく、かえって時間も手間もかかり、ダブルブッキングのリスクに怯えることになります。
かといって、高機能な外部の連携システムは初期費用や月額費用が高額で、個人事業主やスモールビジネスには導入ハードルが高いのが現実でした。
ご安心ください。
この記事では、まさにその悩みを解決します。
「無料」または「低コスト」でLINEと連携できる予約システムだけを厳選しました。
この記事を読み終える頃には、LINE公式アカウントのチャット対応地獄から解放され、24時間自動で予約を獲得し、お客様との関係構築に集中するための、最も賢く効率的な方法が明確になっているはずです。
目次
なぜLINE公式アカウント単体では予約管理が難しいのか?

LINE公式アカウントは、ビジネスにおいて非常に強力なツールです。
しかし、その機能は主に「情報発信」と「1対1のコミュニケーション」に特化しています。
まずは、LINE公式アカウント単体で「できること」と「できないこと」を明確に理解することが重要です。
LINE公式アカウントでできること(主な機能)
LINE公式アカウントは、友だち登録してくれたお客様に対し、多彩なアプローチが可能です。
| メッセージ配信 | キャンペーン情報や新メニューのお知らせを、メルマガのように一斉配信できます。 |
| チャット | お客様と1対1で、個別の問い合わせや相談にチャット形式で対応できます。 |
| リッチメニュー | トーク画面下部に、予約ページへのリンクや電話番号、営業時間などを固定表示できる「タイル状のメニュー」を設置できます。これが予約システムへの「入り口」として最も重要になります。 |
| ショップカード・クーポン | デジタルポイントカードの発行や、リピート促進のためのクーポンを簡単に作成・配布できます。 |
予約管理における「致命的な弱点」
上記のように多機能ですが、「予約管理」においては致命的な弱点があります。
それは、リアルタイムの「空き枠管理」ができないことです。
お客様から「○日の○時は空いてますか?」とチャットが来ても、あなたは手元のカレンダーや予約台帳を「手動で」確認し、「空いてますよ」と返信し、お客様からの「じゃあ、お願いします」という返信を見て、再度「手動で」台帳に書き込む必要があります。
このアナログな作業は、ダブルブッキングの温床であり、オーナー様の貴重な時間を奪い続けます。
LINEで予約管理を実現する「3つの方法」

LINE公式アカウントの弱点を補い、予約管理を実現するには、大きく分けて3つの方法があります。
1. チャット機能で「手動管理」する
最も原始的ですが、費用が一切かからない方法です。
お客様からの「予約したい」というDMに対し、すべて手動のチャットで日程調整を行います。
- メリット: 完全無料。
- デメリット: 業務効率が最悪。営業時間外は対応できず、ダブルブッキングのリスクが常につきまといます。お客様が増えるほどに破綻します。
2. 外部の「予約システム」と連携する(推奨)
この記事の結論となる、最も現実的で効果的な方法です。
LINE公式アカウントと、freee予約やSTORES 予約のような外部の「予約システム」を連携させます。
お客様はリッチメニューの「予約」ボタンから予約システム(予約ページ)に移動し、そこでリアルタイムの空き状況を見て予約を完結させます。
- メリット: 予約受付とカレンダー管理が24時間自動化される。決済や顧客管理も可能になる。
- デメリット: システムの利用料(無料プランもあり)がかかる。
3. 高機能MAツール(Lステップなど)を導入する
LINE公式アカウントをさらに高機能化するマーケティングオートメーション(MA)ツールを導入する方法です。
予約機能も含まれますが、主目的はステップ配信や顧客分析など高度なマーケティングです。
- メリット: 顧客管理とマーケティングにおいて最強の機能を持つ。
- デメリット: 高額(月額数万円〜)であり、「無料で予約管理したい」というニーズからは外れます。
LINE連携予約システムを選ぶ際の「5つのチェックポイント」

「方法2:外部システム連携」を選ぶと決めたら、次に「どのシステムを選ぶか」という問題に直面します。
特に「無料」や「LINE連携」を謳うシステムを選ぶ際は、以下の5つのポイントを必ず確認してください。
1. 業種に合った機能が備わっているか
予約システムは、業種によって必要な機能が全く異なります。
「LINE連携できる」という点だけで選ばず、自店の運営に必要な「核となる機能」が無料プラン、あるいは低コストな有料プランに含まれているかを確認しましょう。
2. 「無料プラン」の制限と料金体系
「無料」という言葉だけに飛びついてはいけません。
ほとんどの無料プランには、「予約件数 月50件まで」「顧客登録数 100人まで」「LINE連携は有料プランのみ」といった制限があります。
自店の予約数をシミュレーションし、その制限内で運用可能かを見極めましょう。
また、将来的に有料プランに移行する際の料金体系も確認し、長期的に使い続けられるか(コストと機能のバランスが取れているか)を判断することが重要です。
3. LINE連携の「レベル」はどの程度か
「LINE連携」と一口に言っても、そのレベルは様々です。
| レベル1:リンク設置のみ(手動) | LINEのリッチメニューに、予約ページのURLを貼るだけ。これが最も簡易的で、多くの無料システム(freee予約など)で実現可能です。 |
| レベル2:通知連携(自動) | お客様が予約システムで予約を完了すると、予約確認通知が「LINE」に届く。(STORES 予約など) |
| レベル3:完全連携(自動) | お客様がLINEのトーク画面から離脱せず、会話形式やリッチメニュー操作だけで予約が完結する。(Repitteなど、多くは有料) |
「無料」で実現したい場合、多くは「レベル1」になりますが、それだけでも手動チャットに比べれば劇的に業務効率は改善します。
4. 外部サービスとの連携性(Googleカレンダーなど)
予約システムを導入しても、結局オーナー様が普段見ているスケジュール帳が別(例:Googleカレンダー)では意味がありません。
予約システムに入った予約が、自動でGoogleカレンダーにも反映される「カレンダー連携機能」は必須です。
また、POSレジや顧客管理システム(CRM)と連携できると、会計やカルテ管理まで一元化できます。
Googleカレンダー「予約スケジュール」の無料設定方法|連携できる本格予約システム4選もご紹介!
5. 導入支援やサポート体制
特に初めてシステムを導入する場合、初期設定やトラブル対応でつまずくことがあります。
国内企業が運営しており、日本語でのチャットサポートやヘルプページが充実しているサービスを選ぶと安心です。
【無料あり】LINE公式アカウントと連携できるおすすめ予約システム6選
ここからは、前述のチェックポイントを踏まえ、「無料」または「低コスト」でLINE連携を実現できる、個人事業主やスモールビジネスに最適な予約システムを6つ厳選して紹介します。
厳選6ツールの比較サマリー
| サービス名 | freee予約(旧tol) | Square 予約 | STORES 予約 | Repitte | KaruteKun | RESERVA |
| イメージ | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
| 料金(月額) | 0円~ | 0円~ | 0円~ | 2,980円~ | 5,000円~ | 0円~ |
| 無料プラン | あり | あり | あり | なし | なし | あり |
| 特徴 | スマホ完結・予約/顧客数 無制限 | 無料で決済・キャンセル料徴収 | 無料でLINE通知・回数券対応(有料) | 低コストでLINE内予約が完結 | 電子カルテとLINE予約が連携 | 高機能・多業種対応・拡張性No.1 |
1. freee予約(旧tol)
freee予約は、個人事業主向けのスマホ・タブレットで使える予約システムアプリです。
無料プランでも予約件数・顧客登録数が無制限で、顧客台帳やリマインドメール、事前決済まで利用できる圧倒的なコストパフォーマンスを誇ります。
LINE連携は、最もシンプルな「レベル1:リンク設置」に対応しています。
無料プランで予約ページURLを発行し、それをLINE公式アカウントのリッチメニューに設定するだけで、LINEからの予約導線を「無料」で確立できます。
操作がシンプルで、まずはコストをかけずに予約の自動化を実現したい個人サロンや教室のオーナー様に最適です。
- 料金: Starterプラン(無料) / Businessプラン(月額3,980円~)
- こんな方におすすめ: コストゼロでLINE予約を実現したい個人事業主、スマホだけで管理を完結させたい方。
2. Square 予約(スクエア予約)

Square 予約は、決済サービスで有名なSquareが提供するシステムです。
無料プランが非常に強力で、予約・顧客管理が無制限なうえ、「事前決済」と「無断キャンセル料の自動徴収」まで設定可能です。
LINE連携は「レベル1(リンク設置)」に対応。無料プランで発行した予約ページのURLをリッチメニューに設定できます。
ドタキャン防止とLINE予約を「無料」で両立させたい個人サロンにとって、最強の選択肢の一つです。
- 料金: フリープラン(無料) / プラスプラン(月額3,000円~)
- こんな方におすすめ: 無料でLINE予約と無断キャンセル対策(決済)を両立させたい方。
引用:Square 予約
3. STORES 予約(ストアーズ予約)

STORES 予約は、機能の網羅性と拡張性に優れた予約システムです。
無料プランでも月100件までの予約が可能で、さらに「LINE連携(レベル2:通知連携)」も標準機能として含まれています(通知数制限あり)。
お客様が予約を完了すると、予約確認がメールだけでなくLINEにも届くため、予約の「うっかり忘れ」防止に高い効果を発揮します。
有料プランに移行すれば、回数券管理や月謝管理にも対応できるため、ヨガスタジオやスクール業にも強いシステムです。
- 料金: フリープラン(無料) / ライトプラン(月額8,778円~)
- こんな方におすすめ: 無料で「予約通知」までLINEで自動化したい方、将来的に回数券なども扱いたい方。
引用:STORES 予約
4. Repitte(リピッテ)

Repitteは、美容室やサロンなど「リピート業種」に特化した、LINE連携専用の予約システムです。
お客様はLINEのトーク画面から離脱せず、リッチメニューをタップしていくだけで予約が完結します(レベル3)。
予約確認やリマインドもすべてLINEに届くため、お客様の利便性は非常に高いです。
無料プランはありませんが、個人利用プランが月額2,980円(初期費用別)からと、LINE特化型システムの中では非常に安価です。
LINEを使った本格的なリピート施策(自動DMなど)も可能で、チャットの手間を完全になくし、リピート率も高めたいサロンオーナー様に最適です。
- 料金: 個人利用(月額2,980円)~
- こんな方におすすめ: 低コストで「本格的なLINE予約」を実現したいサロン、リピート施策も自動化したい方。
引用:Repitte
5. KaruteKun(カルテくん)

KaruteKunは、電子カルテアプリを基盤とした、サロン向けのLINE連動オプションです。
紙のカルテから電子カルテへの移行を考えているサロンに最適です。
お客様はLINEの画面からそのまま予約でき、サロン側はLINE上でカルテの確認や画像の送受信まで行えます。
「レベル3(LINE内完結)」の高度な連携を実現しつつ、顧客情報(カルテ)との紐付けを最重要視するエステサロンや美容室に向いています。
- 料金: 月額5,000円~(+LINEオプション費用)
- こんな方におすすめ: 電子カルテを導入したいサロン、顧客とLINEで施術写真などを送受信したい方。
引用:KaruteKun
6. RESERVA(レゼルバ)

RESERVAは、登録事業者数26万社以上を誇る国内最大級の予約システムです。
350以上の業種に対応できる機能の網羅性が強みです。
無料プラン(月100件まで)があり、まずは無料で試すことができます。
LINE連携は有料プラン(シルバープラン以上)から対応可能となりますが、Googleカレンダー連携やZoom連携、スタッフ指名、顧客管理(CRM)など、ビジネスの成長に合わせて必要な機能を後から追加していける「拡張性」が魅力です。
- 料金: フリープラン(無料) / シルバープラン(月額5,500円~)
- こんな方におすすめ: まずは無料で始め、将来的にビジネスが成長したらLINE連携や多機能化も検討したい方。
引用:RESERVA
LINE予約システムの「自作」は可能?それとも「無料ツール」か?
「LINE 予約システム 自作 無料」というキーワードで検索される方が多いように、プログラミング(GASやLiffなど)の知識があれば、LINEとGoogleカレンダーを連携させる仕組みを自作することも不可能ではありません。
しかし、1人経営やスモールビジネスのオーナー様にとって、自作は本当に賢明な選択でしょうか?
自作には専門知識に加え、LINEやGoogleの仕様変更に対応し続ける「継続的なメンテナンスコスト」や「システム障害のリスク」が常につきまといます。
結論から言うと、ビジネスとして安定運用を目指すなら、リスクがなく、すぐに始められる「無料ツール」を利用するのが最も賢明な選択です。
「自作の具体的な手順」や、「無料ツールとのコスト比較」については、以下の記事で徹底的に解説しています。
自作を検討中の方は、着手する前に必ずご確認ください。
freee予約を使って「無料」でLINE予約を設定する5ステップ
理論や比較だけでは分かりにくいので、ここで最も低コスト(完全無料)で実現できる「freee予約」を使ったLINE連携の具体的な設定方法を5ステップで解説します。
この作業は数分で完了します。
1. freee予約アプリで予約ページURLをコピーする
まず、freee予約のアプリ(無料)をインストールし、予約ページを作成します。
作成が完了したら、管理画面の「予約ページを確認」ボタンなどから、お客様に公開する「予約ページのURL」をコピーします。
2. LINE公式アカウントの管理画面を開く
次に、LINE公式アカウントの管理アプリまたはPCの管理画面(LINE Official Account Manager)にログインします。

3. 「リッチメニュー」を作成する
ホーム画面から「リッチメニュー」を選択し、「作成」ボタンを押します。
ここで、お客様のトーク画面下部に表示されるメニューのデザイン(テンプレート)を選びます。(例:2分割や4分割など)

4. アクションに「リンク」を設定し、URLを貼り付ける
作成したリッチメニューの「予約」に当たるタイルを選択し、「アクション」を設定します。
タイプを「リンク」に設定し、先ほどステップ1でコピーしたfreee予約の「予約ページURL」をここに貼り付けます。

5. 保存して公開する
リッチメニューを保存し、公開設定(デフォルトのリッチメニューとして設定)します。
これで完了です。
お客様があなたのLINE公式アカウントを開き、リッチメニューの「予約」ボタンを押すと、自動的にfreee予約の予約ページに遷移し、24時間いつでも予約ができるようになりました。
LINE予約システム導入のメリットと、知っておくべき注意点
最後に、LINE予約システムを導入するメリットと、導入前に知っておくべき注意点(リスク)を再確認しましょう。
導入で得られる3大メリット
①業務効率の向上と人的負担の軽減
最大のメリットです。
予約受付、日程調整、カレンダー入力、リマインド連絡といった、これまで手動で行っていた作業がすべて自動化されます。
人為的ミス(ダブルブッキングや聞き間違い)も防げ、スタッフは本来の業務(施術や接客)に集中できます。
②無断キャンセルや予約忘れの防止
お客様が最も目にする「LINE」に、予約確認通知や前日のリマインド通知が自動で届くため(レベル2以上のシステム)、または予約のハードルが下がることで、「うっかり忘れ」による無断キャンセル(ドタキャン)を大幅に減らすことができます。
これはサロン経営の損失防止に直結します。
③顧客満足度と予約率の向上
お客様は、電話が繋がらない時間帯(深夜や早朝)でも、思い立った瞬間にスマホから予約を完結できます。
この利便性の高さは顧客満足度に直結し、「予約のハードルが低い」ことで再来店率(予約率)の向上も期待できます。
導入前に考慮すべき注意点(リスク)
①LINEを使っていない顧客層への対応
導入が適さないケースとして、顧客層が「高齢層」中心で、スマートフォンの利用率が低い店舗が挙げられます。
電話予約が主流のクリニックや、ITリテラシーに不安を抱える顧客層に対してLINE予約を強制すると、かえって顧客満足度を下げてしまいます。
必ず「電話予約」や「対面での次回予約」といった導線も残しておく必要があります。
②システムの障害リスク
LINE本体や、連携している予約システム側で障害が発生した場合、予約受付が一時的に停止するリスクがあります。
万が一に備え、電話番号やメールアドレスなど、別の連絡手段を周知しておくことが重要です。
まとめ│LINEの手動管理から卒業し、無料ツールで予約を自動化しよう

LINE公式アカウントは、今やビジネスに不可欠なツールですが、予約管理を「手動のチャット」で行っている限り、オーナー様の時間と労力は奪われ続けます。
お客様が増えるほどに忙しくなり、ミスが増えるという悪循環から抜け出せません。
また、流入キーワードに見られるように「自作」を検討する方もいますが、プログラミング知識と継続的なメンテナンスコストを考えると、個人事業主が本業の傍らで運用するのは現実的ではありません。
この記事で紹介したように、LINE公式アカウントの弱点は、外部の予約システムと連携させることで、いとも簡単に、しかも「無料」から解決できます。
まずはfreee予約やSquare 予約のような無料システムを導入し、あなたの予約ページのURLを取得し、それをLINEのリッチメニューに設定してみてください。
たったこれだけの作業で、あなたは24時間365日自動で働く「予約受付スタッフ」を手に入れることができます。
手動での日程調整やリマインド連絡にかけていた時間を、お客様へのサービス向上や、新しい集客施策を考える時間に充てる。その一歩が、あなたのビジネスを次のステージへと進めるはずです。
なお、本記事では業種を問わずLINE連携ツールを紹介しましたが、もしあなたが「1人経営の個人サロン」のオーナー様であれば、施術中の自動応答やリピート施策に特化した選び方が重要になります。
個人サロンに特化したLINE予約システムの選び方については、以下の記事で深掘りしています。
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