マツエクサロンの開業には保健所への届け出が必須?その他必要な資格・準備についても解説

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コロナ禍でマスク着用が一般的になり、目元の印象が重要視されるようになった昨今、注目を集めているのが、マツエクサロンです。そんなマツエクサロンを開業するには、様々な準備や手続きが必要ですが、中でも保健所への届出は絶対に欠かせません。保健所への届出を怠ると、営業停止などの処分を受ける可能性があるため、開業前に必ず済ませておく必要があります。

そこで今回は、マツエクサロン開業の際の保健所への届出について詳しく解説します。また、そのほかマツエクサロン開業に必要な資格や準備についてもご紹介します。

マツエクサロンを開く際に必要な保健所への届出

マツエクサロンを開業するためには、保健所に美容所登録という届けを出す必要があります

元々はマツエクの施術に美容師免許は必要ありませんでした。しかし、マツエクが流行すると同時に健康被害の報告が増加していったのです。この状況を見た厚生労働省が2008年にマツエクも美容の一種とし、施術には美容師免許が必要と義務付けました。

ちなみに、美容所登録は、サロンがある場所を管轄している保健所に申請します。美容所登録をするために必要なものは、サロンをオープンする1〜2週間前までには提出しなければいけないため、計画的に用意しましょう。

もし、この美容所登録をせずにマツエクサロンをオープン、営業した場合は、発覚した時点で摘発され、罰金を払った上で営業停止となります。そのため、絶対に申請を忘れないようにしましょう。

マツエクサロンを開く際の美容所登録の流れ

いざ、マツエクサロンを開くために美容所登録をするとなった際には次のような流れで申請が進んでいきます。

  1. 保健所に相談をする
  2. 必要書類の提出をする
  3. 保健所の実地検査を受ける
  4. 許可証の発行、受け取り

以下で詳しくご説明します。

1.保健所に相談をする

美容所登録をする場合、まずは保健所に相談するところから始まります。

この時に構造設備やマツエクサロンの図面について確認してもらいましょう。特に注意が必要なのが構造設備です。以下のような点に気を付ける必要があります。

  • お客様が待つ場所と施術をする場所を分けることができているか
  • 施術を行う場所の床面積が13㎡以上/部屋確保できているか
  • 汚物箱、毛髪箱はそれぞれ別に設置されており、蓋がついているか
  • 床や腰板はコンクリートやタイル、不浸透性材料になっているか
  • 汚染を受けないよう消毒済みの保管場所は密閉されているか

上記のポイントを満たしていない場合は、再度構造設備やマツエクサロンの図面について検討する必要があります。この相談のタイミングでその代替案が可能かどうかを保健所に相談することで、否認される可能性を減らすことができます。

2.必要書類の提出をする

次に必要書類を保健所に提出します。

保健所に相談し、概ね図面上は問題ないことがわかったら、書類の準備を進めましょう。この時必要な書類は自治体によって異なりますが、概ね次のようなものが必要になります。

  • 美容所開設届
    • 店舗が衛生上必要な対応をしているのかを確認するための書類です。自治体のホームページでダウンロードできることが多いのでチェックしましょう。
  • 構造設備概要
  • 施設の平面図
  • 従業者名簿
  • 美容師免許証の本証
  • 結核及び伝染性皮膚疾患の有無に関する医師の診断書(診断から3ヶ月以内のもの)
    • お客様、従業員、店舗の衛生を保証するために必要です。診断書は保険の適用外なため、発行費用がかかります。相場は¥5,000程度となっています。
  • 管理美容師の講習修了証の本証(従業員がいる場合)
  • 住民票の写し(開設者が外国人の場合)
  • 登録事項証明書(法人の場合)
  • 付近の見取り図

また、申請を行う際に登録申請手数料というのがかかります。世田谷区の場合は24,000円必要です。(世田谷区ホームページより)この登録申請手数料は、自治体などによって異なるため、サロンを開業する自治体の情報をしっかりとチェックしましょう。

3.保健所の実地検査を受ける

書類での申請が完了したら、次はいよいよ保健所の立入検査です。

立入検査は申請した書類の通りにマツエクサロンの中の設備が整っているのかを確認するために行います。訪問するのは保健所の担当職員で当日は開設者の立ち会いが必要です。

マツエクサロンは、目元というデリケートな部分を扱います。そのため十分な衛生管理体制が整っているか確認するために立ち会い検査が必要になります。これは美容師法などの法律で定められています。

保健所の立入検査では特に次のようなポイントが確認されます。

  • 施術場所の面積が13㎡の場合は作業椅子が6台以下となっているか
  • 十分な換気設備が設置されているか
  • 施術場所の照明の明るさが100ルクス以上になっているか
  • 紫外線消毒器や蒸気消毒器が整っているか
  • 消毒備品が常備されているか
  • 消毒の備品や設備を実際に使えるかどうか

4.許可証の発行、受け取り

保健所による実地検査が完了したら、美容所登録完了です。

実地検査後、問題がなければ数日後に許可証が発行された旨の連絡が保健所からきます。この連絡を受けたら、保健所まで受け取りにいく必要がありますが、この時、印鑑を忘れないようにしましょう。

マツエクサロンを開く際に必要な資格は?

マツエクサロンを開く際に必要なのは、美容所登録だけではありません。

  • 美容師免許
  • その他民間資格
  • 管理美容師免許

以下で詳しくご説明します。

美容師免許

マツエクサロンを開く際に必要な資格、1つ目は美容師免許です。マツエクの施術をお客様にする際は、美容師免許が必要であることが法律で定められています。

仮に美容師免許を持たずに施術をした場合、美容師法6条に違反することとなり、30万円以下の罰金が発生する可能性があります。

ちなみに、施術をする際に必要となるため、自分は施術はせず、経営のみを担当するということであれば、美容師免許は不要になります。

その他民間資格

マツエクサロンを開く際に必要な資格、2つ目は施術に関する民間の資格です。

これは必須ではありませんが、マツエクの施術スキルの高さを対外的に証明することができるので、取得すると良いでしょう。民間の資格には次のようなものがあります。

  • JEAまつ毛エクステンション技能検定
  • 資格認定5STAR技術評価試験
  • アイデザイナー技能検定試験
  • アイリスト技能検定試験

管理美容師免許

マツエクサロンを開く際に必要な資格、3つ目は管理美容師免許です。

これは施術する従業員が2名以上の場合に必要な資格になります。

管理美容師免許を取得するためには3年以上の実務経験と合計18時間の講習を受ける必要があります。講習の内容は公衆衛生についてが4時間と美容所の衛生管理についてが14時間です。

マツエクサロン開業には開業届の届出を忘れずに

マツエクサロンを開業する際には、開業届の提出を忘れないようにしましょう。

開業届とは、サロンを開業する自治体の管轄の税務署に、新しく事業を始めたことを知らせるために提出する書類のことです。

提出期限は、事業を始めた時から1ヶ月以内となっています。

提出をしなかった場合の罰則や罰金などは定められていませんが、開業届を提出することで、サロン名義の銀行口座を開設できたり、確定申告時に税制面で有利になる青色申告ができたりと、メリットがたくさんあるので、忘れずに提出しましょう。

マツエクサロンを開業する際のステップ

それでは最後にマツエクサロンを開業するまでの具体的なステップをご紹介します。

  • サロンのコンセプトや事業計画の作成
  • 開業資金の準備
  • 店舗になる物件の契約
  • 内装の工事
  • 設備や什器、備品の準備

以下でご説明します。

サロンのコンセプトや事業計画の作成

マツエクサロンを開業する際のステップ、1つ目はサロンのコンセプトや事業計画書の作成です。

コンセプトをしっかりと作っておくことで、サロンのファンを作れたり、競合店との差別化ができたりします。

また、事業計画を練っておくことで開業までにいくら必要なのか、どれぐらいの収益が見込めるのか、従業員を雇うことはできるのかなど将来の見通しを立てる事が可能です。

開業資金の準備

マツエクサロンを開業する際のステップ、2つ目は開業資金の準備です。

マツエクサロンを開業するために必要な開業資金は大体200万円〜と言われています。

これらの開業資金は、自前で準備することが可能であれば問題ありませんが、難しい場合は、国や商工会議所の補助金や銀行などからの融資を利用しましょう。

店舗になる物件の契約

マツエクサロンを開業する際のステップ、3つ目は物件の契約です。

基本的に契約まで2〜3ヶ月程度かかるので、美容所開業登録よりも先に着手する必要があります。

探し方としては、店舗として使える物件を取り扱う不動産のサイトやお店を訪問して検索をかけたり、紹介してもらったりしましょう。この時、居住用の賃貸の場合、お店として使えない場合が多くあるため注意が必要です。

内装の工事

マツエクサロンを開業する際のステップの4つ目は、内装工事です。

内装をコンセプトに沿ったものにすることで、サロンの雰囲気が統一され、リピーターの獲得やSNSなどでの集客につながります。

しかし、内装工事にはかなりの費用がかかるため、開業時の資金状況を考慮する必要があります。初期投資を抑えたい場合は、最低限必要な内装から始め、お店が軌道に乗り、資金に余裕ができてから徐々にアップデートしていく計画も検討しましょう。

設備や什器、備品の準備

マツエクサロンを開業する際のステップ、5つ目は設備や什器、備品を準備することです。

サロンの開業には、カウンター、施術台、イス、シャンプー台、ドレッサー、ワゴンなどの什器が必要です。

新品で手に入れることももちろん可能ですが、高額なことが多いです。初期費用を抑えたいという場合は、中古品やレンタル品、リース品も視野に入れて検討してみましょう。

リース品のメリットやデメリットについては、以下の記事でも解説しています。

まとめ

いかがでしたか?

マツエクサロンを開業するために必要な保健所への届出について詳しく解説しました。

マツエクサロンを開業する際は、保健所へ美容所登録が必要です。開業前に登録を済ませる必要があるので、全ての手順を計画的に行いましょう。

この記事がマツエクサロンを開業する方の一助になると嬉しいです。

この記事を書いた人
tol magazine

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